リージョ監督が目指すサッカーをするにはまだ時間が必要だと語るセルジオ越後氏

開幕から2節を消化したJリーグの注目チームについて触れたい。先週の川崎、浦和に続いて、今週は神戸、鹿島の2チームだ。

まずは話題度ナンバーワンの神戸。一昨季のポドルスキ、昨夏のイニエスタに続いて、今季は元スペイン代表の大物ストライカー、ビジャが加入。さらに彼らのよさを引き出すべく、山口、西、初瀬ら日本人の実力者も獲得した。

それだけに今季はどんなサッカーを見せてくれるのかと僕もワクワクしていたんだけど、開幕戦に限っていえば、結果も内容もプアだったね(C大阪に0-1で敗戦)。しっかり守備を固めたC大阪の作戦勝ち。逆に神戸は、残留争いに巻き込まれそうになった昨季と何が変わったのかなという印象を残してしまった。

まあ、リージョ監督が目指すサッカーをするにはまだ時間が必要だということだろう。パスを丁寧につなごうという意図は見えた。ただ、仕掛けの動きが少なく、人数をかけてブロックをつくる相手の守備を崩せない。両サイドバックがオーバーラップするといいパスが出るんだけど、そこからのクロスに中央で合わせる選手がいない。結局、シュートを打ってもペナルティエリアの外からばかり。

ビジャのドリブル突破からのミドルシュートなど、時折素晴らしいプレーが出るものの、単発で続かない。イニエスタもポドルスキも消えている時間が長かった。

集客、話題性、そして実質的な親会社である楽天の宣伝効果という意味では、イニエスタもポドルスキもすでに十分な働きをしている。ただ、ピッチの上ではまだまだ。高額の年俸に見合った活躍はしていない。彼ら3人の持ち味を今後どう引き出すのか、周囲の日本人選手とどうマッチさせるのか、そこはリージョ監督の手腕に注目だ。

大型補強を行なった神戸の姿勢、営業努力は評価すべきだし、実際にJリーグ全体の魅力をアップさせたのは間違いない。その神戸が結果を出せば、ほかのチームも積極的な補強に動くかもしれない。そうやってリーグ全体が活性化することを僕は期待している。

でも、もしこれだけの大金を投じても勝てなければ逆効果になりかねない。ほかのチームは「大物獲得はやっぱりリスクが大きい」と考えてしまう。そういう意味で、今季の神戸にはやってもらわないと困る。

一方、昨季アジア王者の鹿島も開幕戦でつまずいた。まさかホームで昇格組の大分に負ける(1-2)とは思わなかった。大分には失礼だけど、普通に考えれば鹿島が勝って当然というか、優勝を目指すのであれば、勝たなければいけない相手だからね。

アジアチャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフから中3日にもかかわらず、スタメンの顔ぶれはほとんど同じ。コンディションに問題があったのかもしれない。でも、主力の鈴木、三竿らを故障で欠いていたとはいえ、JリーグとACLの両方を戦うには選手層が薄いのかなと不安に感じる。

なかでも昨オフ、フランスのトゥールーズに移籍した昌子の抜けた穴は大きい。大分戦でも守備時のロングボールへの対応や連係でミスが目についた。鹿島は伝統的に安定した守備をベースに戦ってきたチーム。昌子の穴埋めは今季の大きなテーマになる。いざとなったら迅速な補強に動けるチームだけに、いずれかのポジションでシーズン中の補強もあるかもしれないね。

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