WWEの年間最大イベント「レッスルマニア35」が4月7日(現地時間)、米国ニュージャージー州で開催される。この大会は日本でも視聴可能で、日本語字幕版がJ SPORTSで4月14日に、スカパー!では4月18日にPPV配信。その見どころや注目選手を"WWE芸人"レイザーラモンRGが熱弁する!
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世界180ヵ国以上、27の言語で放送され、時価総額は65億ドル。WWEはまさに世界に冠たるスポーツブランドになっています。しかし日本では、地上波で放送されていた2000年代前半には熱狂していたけれど、最近のWWEはよくわからないという人も多いかも。
僕はそんな人たちに言いたい。今こそWWEに戻ってこい!
今回は、いわゆるオールドファンの方たちに向けて今のWWE、そして「レッスルマニア」の面白さをプレゼンしてみようと思います。
世界中から観客が集うWWEの年間最大イベント「レッスルマニア」は、新日本プロレスに例えるなら「1・4東京ドーム」、芸人の世界でいうと「M‐1グランプリ」。ここで跳ねた者が以降1年間の主役を張るという大舞台です。
1985年に始まった「レッスルマニア」は、WWEの発展の歴史と重なります。初期の主役は、83年にアントニオ猪木をアックスボンバーで"舌出し失神KO"してブレイクしたハルク・ホーガンでした。
僕は当時からプロレス専門誌でWWEの情報をチェックしていましたが、どっぷりハマったのはRWF(立命館プロレス同好会)に所属していた90年代後半。RWFと提携していたDWA(同志社レスリング・アソシエーション)の創設者の方がアメリカに住んでいて、現地からアメリカンプロレスのビデオを大量に送ってくれていました。
僕はそれを後輩の棚橋弘至たちと見て、WWEの華やかさ、劇的なストーリー展開の虜(とりこ)になりました。その中にあったショーン・マイケルズvsレイザー・ラモンのラダーマッチに感動して、相方HGとのコンビ名を「レイザーラモン」にしたほどです。
当時のWWEは過激な演出の「アティテュード路線」の全盛期で、悪のオーナー、ビンス・マクマホンと労働者階級のヒーロー、ストーン・コールド・スティーブ・オースティンの抗争が爆発的人気を集めていました。僕はお金がないのにWWEを観るためにケーブルテレビに入って、前座から過去の試合、総集編まですべてビデオ録画して繰り返し観ていました。
HGもめちゃくちゃハマっていて、腰振りや「フォー!」はリック・フレアーなどいろんなレスラーからの影響があったと思います。僕もハッスルのリングに上がらせていただいたときには、長年観てきたWWEの素養が役立ちました。ハッスルではダッドリー・ボーイズらWWE出身者たちとも闘いましたね。
日本のプロレスのほうが試合のレベルは高い? いやいや、そんなことはない!
「レッスルマニア」の名勝負を挙げればキリがないですが、「レッスルマニア15」(99年)のザ・ロックvsストーン・コールド・スティーブ・オースティンは、まさに"プロレスのお手本"でした。当時、日本では極限まで闘う「カウント2・9プロレス」が主流でしたが、この"ピープルズ・チャンピオン"同士の試合はお互いの必殺技を出させない、すかし合いの攻防で観客を満足させる、シンプルで奥深い一戦でした。
目の肥えた日本のファンも「レッスルマニア31」(15年)のセス・ロリンズvsランディ・オートンを観れば、必殺技を惜しみなく出す攻防に驚愕するはずです。ロリンズのカーブ・ストンプ(助走をつけてジャンプし後頭部を踏みつける)、オートンのRKO(ジョニー・エースのエースクラッシャーの進化形と言えばピンと来るかも?)というお互いの必殺技をどう決めるかという攻防で、最後はカーブ・ストンプを空中で切り返しRKOを決めたオートンが勝利。まるでマンガのような動きでした。
WWEは技も本当に進化していて、「これ、(獣神サンダー・)ライガーの技やん」「丸藤(正道)の技やん」という発見もあるはず。今のWWEスーパースターの多くは、90年代の日本のプロレスに影響を受けているからです。シューティングスタープレスやフェニックススプラッシュなど、超大技をさらりとこなす選手もいます。海を越えて伝わった技がさらに進化しているんです。団体の垣根はあってもレスラー同士は繋がっていますからね。
さてここからは、日本のファンにも馴染みのあるWWEスーパースターたちを紹介していきます。
近年は女子選手の活躍が著しく、そのトップの一角を担うのが日本人のアスカです。2015年にWWEデビュー。日本人女子としてはブル中野以来ふたり目のWWE王座に就き、女子だけのPPV大会を成功させるなど絶大な人気を誇っています。日本人女子がWWEに参戦する道を切り拓いた"女子プロレス版イチロー"とも言えます。往年の女子レスラーに例えると、キューティー鈴木の可憐さと尾崎魔弓の妖艶さを兼ね備えています。
今年の「レッスルマニア35」は史上初、女子の試合がメインを張ります。王者ロンダ・ラウジー、ベッキー・リンチ、シャーロット・フレアーの三つ巴戦です。ロンダ・ラウジーは総合格闘技のファンには馴染みが深い。UFC王者として時の人となり、昨年、鳴り物入りでWWEに参戦した"女子版ブロック・レスナー"と言えます。例えるなら、RENAや山本美憂がプロレスでトップを張っている感じ。あるいは"カワイイ神取忍"。柔道出身だし。ちなみにロンダは往年の名レスラー、ロディ・パイパーの大ファンです。
シャーロット・フレアーは、プロレス界のレジェンド、リック・フレアーの娘。弟のリード・フレアーもプロレスラーでしたが、2012年に25歳で急逝してしまいました。落ち込む父親を立ち直らせるためにシャーロットは弟の遺志を継ぎ、WWE女子王座に上り詰めました。昨年の「レッスルマニア34」ではアスカに勝利。彼女の物語は涙なしには語れない!
日本人スーパースターとして、中邑真輔を忘れてはいけません。渡米する日本人レスラーの多くはキャラ変更を求められますが、中邑は名前もスタイルもそのままでやっているのが本当にスゴい。人気のピークを迎えてからのヒールターンという、すべてのスーパースターが歩む道を通過中。今こそ真価が問われる時期なので目が離せません!
昨年の「レッスルマニア」で中邑真輔に勝利したのが、長らく日本でも活躍していたAJスタイルズです。獣神サンダー・ライガーらが築いた90年代新日本ジュニア黄金期に多大な影響を受け、ヘビー級ながらジュニアのスピードを備えている。新日本の外国人エースとして活躍後、WWE移籍後もそのままのスタイルでトップの一角を担っています。
かつて新日本のIWGPヘビー級王座のベルトを巻いたブロック・レスナーも健在です。WWEとUFCの両ベルトを巻いた、アントニオ猪木が掲げた「プロレス最強」を体現する超人。いわば藤田和之のワールドワイド版です。生前のマサ斎藤さんを慕っており、マサさんが渡米するたびに会っていました。猪木とマサさんの遺伝子を継いだプロレスラーと言えます。
日本ではその偉大さがイマイチ伝わっていないのが、ジョン・シナです。2000年代初期からWWEの屋台骨を支え続ける、新日本における棚橋弘至のような大功労者なんですよ。同期のレスラーがセミリタイヤしていくなか、約20年にわたり良好なコンディションを保っているという面では永田裕志に通じます。敬礼ポーズもするし!
ほか、現在のWWEのトップ選手としては、白血病の闘病を経て復帰宣言をしたローマン・レインズ、新時代のジョン・シナ的なポジションを担うブラウン・ストローマンも要注目です。
最後にもう一度言います。WWEに戻ってこい! 今のWWEを観れば、日本とアメリカ、過去と現在、そのすべてが繋がっているとわかるはずだから!
●レイザーラモンRG
1974年生まれ、熊本県出身。97年、HGとお笑いコンビ「レイザーラモン」結成。立命館プロレス同好会時代の後輩に棚橋弘至がいる。2000年代には「ハッスル」に出場し国内外の大物レスラーと闘った
■J SPORTS Presents!
WWE「レッスルマニア35」早期購入キャンペーン!
4月7日(日)までに「レッスルマニア35」をPPV購入していただいた方から抽選で50名さまを「スペシャルトークイベント」にご招待! 現地でしか手に入らない「レッスルマニア35Tシャツ」を20名さまにプレゼント! 応募方法は簡単! ご購入と同時に、本キャンペーンへのご応募は完了します。なお、ご当選された方には4月8日(月)に当選通知メールをお送りします。
■WWE「レッスルマニア35」スペシャルトークイベント
WWE好きの著名人が見どころや懐かしのエピソードを熱く語る!
出演者は藤波辰爾、ハチミツ二郎(東京ダイナマイト)、宮戸洋行(GAG)、鈴木健.txt。
●日時:4月13日(土)18時~(予定)
●場所:週プレ酒場(東京都新宿区歌舞伎町1-18-9 WaMall歌舞伎町5F)
※イベントとTシャツ、どちらかを選ぶことはできません。ご了承ください。
TシャツはメンズMサイズとなります。
イベントに当選された方は同伴者1名さままでお連れいただけます。
お問い合わせはJ SPORTSカスタマーセンター
03-5500-3488(10:00~18:00)
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