最近、球界では「高級車に運転手付き」という選手が増えているが、「僕は運転好きなので自分で運転したい」と平田選手

昨今はプロ野球界でも若者を中心に「クルマ離れ」がささやかれるが、昨秋、男気たっぷりに超高級外車を購入したのはドラゴンズの平田良介(ひらた・りょうすけ/31歳)。

威厳たっぷりに黒光りするロールス・ロイスをモータージャーナリストの今井優杏(いまい・ゆうき)氏が直撃!

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■「嫁を説得するのに1ヵ月かかりました」

――球界でもウワサのロールス・ロイス、拝見させていただきましたが本当にカッコいいですね。平田さんにすごくお似合いでした。

平田 ありがとうございます。

――どうしてロールス・ロイス・ゴースト・ブラック・バッジを購入されようと思ったのですか?

平田 実は子供のときからロールス・ロイスに乗るのが夢だったんです。マンガだったかアニメだったかで最初に見て、「めちゃくちゃカッコいい! いつかはこれに乗りたい」と思って。その夢がようやく叶(かな)いました。

――購入されたのはいつですか?

平田 去年のシーズンが終わって10月か、11月ですね。

――去年はプロ入り初の打率3割到達など大活躍でしたが、やっぱり好成績を収めたのも購入の後押しに?

平田 そうですね。自分へのご褒美というのもありますし、買ったからには今年はさらに頑張らないといけない、と自分にプレッシャーをかける意味もあります。これで成績が下がったら、売らなきゃいけなくなりますから(苦笑)。

――迷わず、すんなりと購入されたんですか?

平田 知り合いに「ロールス・ロイスを探しています」という話をしたところ何台か見せてもらって、そのなかでも一番カッコいいと思ったので、試乗してすぐに気持ちが固まりました。

――内装があまりにキレイで上品な紫色なので驚きました。「広報車」と呼ばれるPRカーの中でもあんなにキレイなのはまず、見たことがないです。ドアを開けた瞬間に「買おう!」と思ったんじゃないですか。

平田 思いました(笑)。周りの人に「内装、何色なの?」って聞かれて「紫です」って言うと「え? おまえそれ、ヤバいクルマじゃん」って怪訝(けげん)な顔をされるんですけど、実際に見せたら別の意味で「これはヤバい!」って喜んでもらえます。

――V12エンジンを積んでいますが今の世代のロールスは燃費もそんなには悪くないですよね。

平田 そうですね。僕、一番最初に買ったクルマがダッジのチャージャーだったんですけど、あれに比べると悪くないですね。

平田選手が購入したロールス・ロイス・ゴースト・ブラック・バッジ

――V12で6.6リットルツインターボというモンスター級のエンジンを積んでいながら、すごく乗りやすいとおっしゃってましたね。

平田 とても乗りやすいですよ。アクセルを踏んだ瞬間にガッと加速する感じがすごく滑らかで気に入ってます。今まで乗ってきたクルマで一番いいですね。

――ハンドリングはどうですか?

平田 これもめちゃくちゃよくて乗りやすいです。コーナリングも、割と強めにコーナーに入っていっても運転席はめっちゃフラットで、フイ~って普通に曲がれます。これがロールス・ロイスの乗り味なのかぁと、心底ほれました。たまに「ロールス・ロイスって後部座席に乗るクルマじゃないの?」って言われるんですけど、それは偏見だと声を大にして言いたいです(笑)。運転サイコーに楽しいですから。

――ロールス・ロイスの中でもゴーストは運転する人のために開発されたドライバーズカーなので、走り心地もよいですよね。そしてドアは観音開きですよね。

平田 はい、ゴルフ場とかですごく目立つんですよね(笑)。あとはトランクが広いのもいいですね。ゴルフバッグも3つぐらい入るんじゃないかな。

――ロールス・ロイスといえば後部ドアの内部に埋め込まれた傘は使いました?

平田 カッコいいですよね! ボタンひとつでビューンって出てくるし、作りもすごくしっかりしていて驚きました。あれ、1本約10万円もするんですよ。僕なんて普段、コンビニで買った傘しか使っていないのに(苦笑)。

車内の天井に光り輝く「スターライト・ヘッドライニング」はまるでプラネタリウムのよう。平田選手もこの表情

――天井のレザーには、プラネタリウムを思わせる「スターライト・ヘッドライニング」(後付け)がキラキラ輝いていました。

平田 最初、嫁が「上のキラキラはいらへんやろう」って言ったんですけど、僕が「つけたらつけたで、よくなるときが来るから」って説得してつけたら、今では嫁もめっちゃ気に入ってます(笑)。特に夜はすごくキレイですね。

――ロマンチックですよね。お子さんはクルマについて何かおっしゃってますか?

平田 ドアが室内からボタン操作ひとつで閉められるんです。だから「自分でドアが閉められるんだ」って喜んでます。僕も「おお、やれやれ」みたいな(笑)。

――かわいい(笑)。とはいえ、もちろん、お値段も張りますよね。新車価格は4000万円ともいわれていますが、購入されるとき、葛藤はあったんですか?

平田 自分の中でのためらいはなくて、すぐに「買う」と決めたんですが、嫁さんを説得するのには1ヵ月くらいかかりました(苦笑)。新古車で買ったので報道されているよりかは安かったんですが、それでも「そんなクルマいるの?」「税金、払えるの?」と心配されて。だけど成績を上げれば年俸も上がるのがプロの世界だし、自分のモチベーションになっているので、今は本当に買ってよかったと思っています。

■米、独、日。華麗なるクルマ遍歴

――最初に買われたクルマがダッジとおっしゃっていましたが、これまでのクルマ遍歴を教えてください。

平田 そのダッジのチャージャーはプロに入って2、3年目で買いました。僕、速くて大きいセダンが好きなんですよ。当時、CMで先行販売があるっていうのを見て、飛び込みで店頭に行ったら、「今、予約しないと手に入らない」って言われたので、現物も見ずに「じゃあもう買います」って。

――実際、乗ってどうでした?

平田 すごくよかったですよ。めちゃくちゃ速かったですし、エンジン音もアメ車ならではの独特な感じで、運転している感が盛り上がるというか。燃費は悪かったですけどね(笑)。

――リッター4か5(km)ですよね?

平田 3ちゃうかな(笑)。買いたてのとき、寮に置いていたんですけど、当時、福留(孝介・現阪神)さんとか、クルマ好きの先輩が「ちょっと踏ませてくれや」ってやって来て、ブワーンブワーンってエンジンを吹かすんです。それを何人もやっていたら、それだけでガソリンの目盛りが1個減りましたから(笑)。

――それは衝撃ですね(笑)。

平田 当時は給料も安かったんで、「ガソリン代......」みたいな感じでした。それでダッジの次に買ったのがポルシェのパナメーラですね。

――アメ車からドイツ車、しかもポルシェとは、本当に運転好きなラインナップですね。パナメーラはどうして?

平田 見た目がすごくカッコよかったのと、サスペンションが地面に吸いつく感じと聞いたので1回、試乗してみたらすごくよくて。ダッジとは全然違う感じでしたけど、スポーティで運転が楽しかったです。その後は1回、レクサスを挟みました。LS600hっていうハイブリッド車で。

――安心の国産車ですね。これもまた全然、性格が違いますよね。急に燃費がよくなって。

平田 ええ。「ガソリンスタンドにいつ行ったっけ?」っていうぐらいの燃費性能のよさにビックリしました(笑)。ハンドルも軽くて乗り心地もいいし、すごく手堅い、いいクルマでした。それで次が今のクルマですね。

今井氏(右)によるインタビューに、クルマ愛がひしひし伝わってくるトークを展開してくれた平田選手

――平田さんもしかり、ドラゴンズというとすごくクルマ好きの選手が多いイメージがあるんですが、入団された頃、先輩方のすごいクルマに憧れた思い出などありますか?

平田 高卒で入って、当時は(川上)憲伸さんがラットグレーのランボルギーニに乗っていて、(山本)昌さんが黄色いフェラーリかランボルギーニに乗っていたんですよね。もう、オモチャみたいやなと(笑)。同時に夢のある世界やなと思いましたね。

――今回、平田さんがロールス・ロイスを買われて、チームメイトの反応は?

平田「お、ついに来たな」と言われました(笑)。

――先輩から「生意気だぞ」みたいな反応はなかったですか?

平田 昔だったらあったかもしれないですけど、今は全然なくて、ウエルカムな雰囲気でした。僕ももう野手で上から4番目になりますしね。コーチは若い選手に冗談で「おまえらも活躍してロールス・ロイス買えよ」って言ってるみたいです。

――いいお話ですね。最近のプロ野球選手、特に若い選手は「いいクルマに乗りたい」って人が減っている印象がありますが、どうなんですか?

平田 地元の同世代の友達とかはクルマ好きが多いんですけど、確かに球界はちょっと減っているかもしれないですね。

――昨年、巨人の若き4番バッターが契約更改の席で大幅アップ分の使い道を聞かれて「全部、貯金します」と話していたのには時代を感じました(笑)。

平田 夢ないなぁ~、早く高級外車、買わせましょう(笑)。

――今年から大阪桐蔭高校の後輩でもある根尾(昂)選手が入団されました。彼もまじめで堅実そうですよね?

平田 根尾には「おまえ、プロ野球選手だろ。子供たちに夢、与えたいだろ? そのためにはおまえ、なんのクルマを買えばいいんだ?」って方向で教育していきます(笑)。彼が本当にまじめなら「そうだ!」ってなると思いますよ(笑)。

■「成績が下がったら当然、叩かれるでしょう」

――いよいよプロ野球も開幕ですが、昨年は打率.329とキャリアハイの大活躍でした。背景には何があったんでしょうか?

平田 自分の中で何かを変えたというのは特にないんですけど、体にすごく気を使うようになりました。専属トレーナーをつけたりして、体の状態が1年間よかったのが成績につながったと思いますし、自分でも自信になりました。

――平田選手というと高校時代はホームラン、プロに入ってからは勝負強い打撃のイメージが強かったのですが、去年の成績を見ると首位打者が一番近いような気もします。打撃3部門の中で、ご自身が一番気にしているのはどれですか?

平田 どれも大事というか、自分の中で特にこれだ、というのはないんです。先日、引退されたイチローさんのように、守備、走塁も含めてなんでもできる選手というのが理想です。

――昨シーズンは終盤1番に固定されて結果を残されましたが、1番という打順は好き、嫌い含めてどんなイメージですか。

平田 僕はあまり打順にこだわりはないんですけど、1番は楽しいです。特にビジターの球場では、まだ誰も立っていない真っさらなバッターボックスに立ってゲームの始まりを迎えるので、それは楽しいなと思ってます。

――今年は与田剛新監督の下、新たなスタートを切りますが、今年の抱負を教えてください。

平田 自分としては昨シーズンの成績すべてを上回りたいと思ってます。

――万が一、成績が下がったりしたら「あんなクルマに乗ってるからだ」と言われる可能性もありますよね?

平田 当然、叩かれるでしょう。でも僕はプロに入ってからずっと叩かれてるんで慣れてはいますが(苦笑)、もちろん今年はさらに結果を残さないといけないと思ってます。ゴーストもまだまだ乗りたいですが、実は(ロールス・ロイスの)ドーンもいいなと思ってるんですよ。

――どんどんいいクルマが欲しくなるんですよね。ロールス・ロイスの醍醐味(だいごみ)にはビスポークという、一から自分のクルマを造るというテもありますので(笑)。

平田 それはちょっと高すぎますけど、頑張ります(笑)。

●平田良介(ひらた・りょうすけ) 
1988年3月23日生まれ、大阪府出身。大阪桐蔭高では1年秋から4番を務め、05年夏の甲子園では1試合3本塁打を放つ。高校通算70本塁打をマークし、06年高校生ドラフト1巡目で中日に入団。勝負強い打撃で竜を牽引する。右投げ右打ち、177cm、88kg

●ロールス・ロイス・ゴースト・ブラック・バッジ 
ロールス・ロイスには現在、最上級の「ファントム」と「ゴースト」の2種類の4ドアサルーンがあり、後者はより若い成功者たちに支持されている。16年に投入されたブラック・バッジは、よりドライバーライクに振ったシリーズ。正規ディーラーのホームページによると、平田選手の愛車は、新車では車両価格だけで約4000万円!