南米選手権に五輪世代をもっと入れてほしかったと語るセルジオ越後氏

キリンチャレンジ杯(6月5日のトリニダード・トバゴ戦と9日のエルサルバドル戦)と南米選手権(日本時間15日開幕、ブラジル)の日本代表メンバーが発表された。

その顔ぶれを見れば、違いは一目瞭然。キリンチャレンジ杯は"練習試合"とはいえ、国際Aマッチデーに行なわれるので選手の拘束力がある。今年1月のアジア杯の主力組を中心に、おなじみの選手たちが招集された。戦術の確認はもちろんだけど、スポンサー、ファンに向けての"顔見せ"の意味合いもあると思う。

一方、招待国として特別参加する南米選手権は、真剣勝負の大舞台だけど各クラブに派遣義務がない。その結果、東京五輪世代とオーバーエイジ枠(23歳以上)候補からなるフレッシュなメンバー構成となった。東京五輪では開催国の日本は予選が免除される。だからこそ、本番までにしびれるような試合を経験しておく必要があった。

また、そもそもこれまで五輪代表としての強化が不十分だった。本番まで残り約1年で、誰がスタメンなのか、どういうサッカーを目指すのかもわからない。それだけに南米の強豪とのアウェー戦は貴重な機会になる。

ただ、欲を言えば、その貴重な機会をより生かすためにも、キリンチャレンジ杯のメンバーに、南米選手権に連れていく五輪世代をもっと入れてほしかった。GK大迫(広島)、DF冨安(シント・トロイデン)、MF中山(ズウォレ)、MF久保(FC東京)の4人では少なすぎる。

森保監督はキリンチャレンジ杯について「2022年W杯に向けての準備」と言っていたけど、対戦相手のレベル、試合のタイミングも含めてピンとこない。欧州組は長いシーズンが終わって疲労もたまっている。長友(ガラタサライ)や香川(ベシクタシュ)らのベテランは実力もわかっているし、いつ呼んでもある程度の計算は立つので、無理せず休ませてもよかった。

そして、その代わりにこの2試合を有効に活用して南米選手権の準備に充ててほしかった。いっそのこと五輪メンバー主体でもよかったくらい。いずれにしても、せっかくの大舞台なのにぶっつけ本番で臨むのは少しもったいなく感じてしまうね。

とはいえ、その南米選手権に関していえば、フレッシュな顔ぶれだけに期待感がある。堂安(フローニンゲン)、故障の橋岡(浦和)を除けば、この世代のベストメンバーがほぼ初めてそろったんじゃないかな。

メディアの注目を一身に集める17歳の久保はもちろん、鹿島の背番号10を背負うMF安部、Jリーグで好調なプレーを見せているMF三好(横浜Fマ)、小柄ながら爆発的なスピードを持つFW前田(松本)、さらにオーバーエイジ候補の中島(アル・ドゥハイル)ら、前線には個性のある選手がそろっている。冨安や中山を中心とした守備陣がしっかり守れれば、カウンター攻撃がハマるかもしれない。

グループリーグの対戦相手であるチリ、ウルグアイ、エクアドルはいずれも本気のメンバー。下馬評では日本が4番手だ。それでも来年の五輪につながる試合をしてほしい。南米選手権という大舞台での活躍はアピール度が大きく、A代表のレギュラー取りへの近道でもある。五輪世代の選手たちには"貴重な経験"以上のものを得てきてほしいね。

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