極論を言えば、負けてもいいから攻めてほしかったと語るセルジオ越後氏

惜しかったけど、負けは負け。親善試合ならともかく、真剣勝負の舞台である以上、結果がすべてだ。

南米選手権(ブラジル)に参加した日本は2分け1敗のグループ3位、1勝も挙げられないまま大会を終えた。

この結果について「若手中心のメンバーだから仕方ない」「ウルグアイ戦はよかった」「収穫はあった」と慰めてばかりいても仕方ない。サッカーが盛んな国なら、どんなメンバーでどんな大会に参加しても、A代表のユニフォームを着ている以上は結果を求められる。

強豪ウルグアイと互角に渡り合い、引き分け(2-2)に持ち込んだとはいえ、最終的に決勝トーナメントに進めなければ、その頑張りも意味がなくなってしまう。何しろ3戦目のエクアドル戦に勝てば、決勝トーナメント初戦で地元ブラジルとの対戦が待っていたんだ。本気のブラジルと戦える機会なんてめったにないよ。それを逃したのは本当に痛い。

その意味でも、3戦目のエクアドル戦(1-1)は、勝ち点3をモノにするチャンスが十分あっただけに悔いが残る。先制点を奪うまではよかったけど、そこから守りに入ってしまった。そして、勝たなければ大会が終わってしまうのに、同点にされても自陣に引いてカウンターを狙うサッカーを続けた。

サイドバックの杉岡(湘南)と岩田(大分)も、ボランチの板倉(フローニンゲン)もなかなか前に行かない。それでは点は取れないよ。試合終了間際に選手交代をしてようやく攻勢に出たけど、あまりに遅すぎた。

そうした守備重視の戦い方が森保監督の指示なら采配に疑問符がつくし、選手たちの判断なら消極的すぎる。来年の東京五輪本番でもそうしたシチュエーションがあるかもしれないし、もっと早く勝負に出てほしかったね。極論を言えば、負けてもいいから攻めてほしかった。決定力不足うんぬん以前の問題だ。

選手個々を見ると、やはり守備の選手が目立った。冨安(シント・トロイデン)は大舞台でも戦えることを証明したし、板倉も体を張って相手をよく止めていた。そして、同じくボランチの柴崎(ヘタフェ)はチームの中心として、3試合とも大きな存在感を見せた。ミスが少なく、カバーに入って最終ラインを助けるシーンも多かった。森保監督の信頼も厚いし、五輪本番でのオーバーエイジ枠(OA枠、23歳以上)は当確だろう。

一方、攻撃陣では安定して力を発揮できた選手はいなかった。注目の久保(レアル・マドリード)は得意のパスでチャンスを演出するなどうまさを見せたけど、消えている時間も多かった。ウルグアイ戦で2点を決めた三好(横浜Fマ)も、ほかの試合ではインパクトを残せなかった。

FW陣に至っては1点も決めていない。果たして、五輪では誰をワントップに起用するのかな。今大会同様、大迫(ブレーメン)の招集が難しそうなだけに森保監督も頭が痛いはず。

いずれにしても、東京五輪に向けての課題は山積み。今回物足りなかったポジションをどうするのか、OA枠に誰を呼ぶのか、堂安(フローニンゲン)ら今回招集できなかった選手をどう組み合わせるのか。

また、守るサッカーだけでなく、点を取りに行くサッカーもやるために今後どういう強化をしていくのか、どんなマッチメイクをしていくのか。ぼやぼやしていたら、1年なんてあっという間だよ。

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