来年1月の箱根駅伝を制するのはどの大学か――? 来年1月の箱根駅伝を制するのはどの大学か――?

10月14日に行なわれた出雲駅伝は、上位5校が53秒差にひしめく大接戦。最終6区で國學院大が駒澤大を逆転して、学生三大駅伝で初栄冠に輝いた

続く11月3日の全日本大学駅伝も、1区で城西大、2区で東京国際大、3区で東洋大、4区で東海大、7区で青山学院大がトップに立つなど首位が何度も入れ替わり、最後は東海大が青学大とのアンカー勝負を制して、16年ぶりの優勝を勝ち取った。

各大学の戦力が明らかになりつつあるが、クライマックスとなる来年1月の箱根駅伝をどこが制するのか。全日本を終えて、前回王者・東海大の評価が急上昇している。

今季は、4年前の全国高校駅伝1区で上位を占めた"黄金世代"のラストイヤーだが、全日本はその世代の鬼塚翔太、關颯人(せき・はやと)、館澤亨次(たてざわ・りょうじ)、阪口竜平(さかぐち・りょうへい)のエース級に出番がなかった。

「名前だけでいえば、"飛車角桂馬落ち"のようなオーダーですけど、故障明けの關と館澤は箱根に向けて調整中で、鬼塚と阪口は出雲が本調子ではありませんでした。強くて調子の悪い者より、調子のいい者を起用したほうがいいと判断したんです」(東海大・両角速[もろずみ・はやし]監督)

出雲でメンバーから外れた4年生の小松陽平と郡司陽大(ぐんじ・あきひろ)が全日本では入り、小松は1区で3位、郡司は6区で区間賞と、しっかり結果を残した。

そして、黄金世代の代わりに主要区間を任されたのが、名取燎太(りょうた)、塩澤稀夕(きせき)、西田壮志(たけし)の3年生トリオだ。彼らは3年前の全国高校駅伝1区でトップ3に入った選手たち。4年生の背中を追いかけてきた実力を伊勢路で爆発させた。

前回、館澤が務めた3区に起用された塩澤は順位を3つ上げ、当日変更で阪口と交代した4区の西田は区間賞。アンカーに抜擢(ばってき)された名取は19.7㎞を57分46秒の日本人トップで走破した。

箱根に向けては、全日本Vメンバー8人と、1万m28分20秒前後のタイムを持つ鬼塚と關、日本陸上競技選手権で優勝経験がある館澤と阪口。それから前回の箱根の6区で区間2位と快走した下りのスペシャリスト・中島怜利(れいり/4年)という豪華メンバーがスタンバイしている。

山登りの5区は、前回区間2位の西田がさらに力をつけており、唯一のウイークポイントだった"花の2区"も名取なら十分に対応できる。

出雲の6区間、全日本の8区間に対し、箱根は10区間。選手層の厚さを考えると、東海大が圧倒的に有利だ。6区終了時でトップを射程圏内にとらえて、7区、8区あたりで逆転Vというストーリーを描くことができる。

そんな東海大を王座から引きずり下ろせるとしたら、青学大、駒澤大、東洋大、國學院大の4校だろう。

青学大は、貧血に悩まされていた鈴木塁人(たかと)が全日本で復帰するなど、出遅れていた4年生の足並みがそろいつつある。また、出雲2区で区間賞を獲得した岸本大紀(ひろのり/1年)という新戦力も出てきた。

全日本7区で、東海大との1分03秒差を逆転した吉田圭太(3年)が、箱根2区でも東海大を大幅に引き離すことができると勝機が見えてくる。

全日本3位の駒澤大は、前回箱根の2区(山下一貴[いちたか])、5区(伊東颯汰[そうた])、6区(中村大成[たいせい])の主要区間で好走した選手が残っており、チームの"骨組み"がしっかりしている。

そこに田澤廉(れん)というスーパールーキーが加わった。出雲では、前半のエース区間である3区で区間新(区間2位)、全日本はロング区間の7区で区間賞。田澤と今年のユニバーシアード・ハーフマラソン銀メダルの主将・中村大聖(たいせい/4年)を1区、3区、4区のどこかに配置して、先制攻撃を仕掛けたい。

往路V3と6年ぶりの総合優勝を狙う東洋大は、2区候補のエース相澤晃(4年)で首位に立つことができる。学生駅伝は箱根4区、出雲3区、全日本3区と3大会連続で断トツの区間賞&区間新を樹立。

さらに全日本では、1万m28分台の渡邉奏太(4年)が2年ぶりに学生駅伝に復帰。定方駿(4年)が7区で区間2位タイと好走したのも大きい。あとは、箱根1区で2年連続区間トップの西山和弥(3年)が復調できるかにかかっている。

出雲Vの國學院大は、2区に土方(ひじかた)英和(4年)、5区に浦野雄平(4年)を起用すれば破壊力十分。主将・土方は出雲6区でトップと37秒差の4位で走りだし、駒澤大を逆転した。浦野は前回5区で区間新記録を樹立し、"山の神"に最も近い位置にいる。

2年連続で3区を好走している青木祐人(ゆうと/4年)は、全日本5区で区間新で区間賞を獲得するなど駅伝力が高い。目標の「往路V」を果たすため、エース浦野でトップを奪えるか。

往路で5強に割って入りそうなのは、東京国際大だ。箱根の予選会をトップ通過し、初出場した全日本でも4位。エース伊藤達彦(4年)は箱根予選会で日本人トップ。全日本2区では13人抜きでトップを奪った。

伊藤は2区で区間賞を狙っており、1区もしくは3区が想定されるイェゴン・ヴィンセント・キベット(1年)のふたりでロケットスタートを見せたい。

前回5位の帝京大は全日本1区で18位と出遅れながら、最後は8位でゴール。箱根でも復路で強さを発揮して、徐々に順位を上げてくるだろう。同6位の法政大は前々回区間賞の5区青木涼真(4年)で一気に順位を押し上げることができる。

また、箱根予選会9位だった早稲田大が全日本で6位に急上昇したように、学生駅伝は何が起こるかわからない。特に距離が長くなる箱根は予想外のドラマが多く、96回目の決戦も大いに楽しめそうだ。