日本代表がW杯アジア2次予選のキルギス戦(14日、アウェー)と親善試合のベネズエラ戦(19日、大阪)の2連戦を迎える。
9月に開幕した2次予選で日本はこれまで3連勝。どの相手も歯ごたえがなく、日本が得点を奪っても、追いつこうと攻めてくるのではなく、さらなる失点を避けようと守りを固めるばかり。勝てなくても仕方ないと考えているように見えた。
今回のキルギス戦もアウェーとはいえ、日本の優位は揺るがない。グループ1位での予選通過は間違いない。
その意味で、むしろA代表よりも注目なのは、17日に親善試合(vsU-22コロンビア、広島)を行なうU-22日本代表だ。これまでA代表で活動することの多かった堂安や久保らが加わり、東京五輪世代の代表チームがようやく本格的なスタートを切る、お披露目の試合といっていい。
この世代はこれまで南米、北中米など数度の海外遠征を行なうなど、それなりの強化をしてきた。でも、スケジュールの問題で、A代表監督を兼任する森保監督が不在のことがほとんど。だから、五輪本番まで1年を切っているのに、誰が主力で、どういう布陣で、どういう狙いのサッカーをするのか、まるで見えない。
選手たちにとっても、森保監督は新監督みたいなもの。お互いに顔や名前は知っていても、十分なコミュニケーションを取るまでには至っていないだろう。
今回のU-22コロンビア戦にしても、森保監督はA代表のキルギス戦を終えてから急いで帰国して采配を振るうそうだけど、ここまではA代表と五輪代表の兼任はスムーズにいっていない。もし、これで五輪本番での結果が振るわなかったら、森保監督のA代表監督としての立場はどうなるのだろうか。そこまで心配になる。
それだけに、これから五輪本番までの時間の使い方は重要。森保監督には当面、2次予選突破が確実なA代表よりも、五輪代表の活動を優先してほしいし、A代表の強化試合を五輪代表の強化に活用してもいいと思う。
なにしろ日本人はオリンピックが大好き。メダルが大好き。地元開催の東京五輪は注目度もケタ違いに高い。そこで結果を出せば、個々の選手の評価がアップするのはもちろんのこと、日本サッカー全体に勢いがつく。サッカーの価値が上がるからだ。
また、A代表の世代交代という意味でも、五輪世代の突き上げは必要。この世代からイキのいい選手が出てくれば、東京五輪後の来年9月に開幕するW杯アジア最終予選に向けて弾みがつく。
でも、逆にいえば、今回は当然のようにメダル獲得を求められるわけで、前回のリオ五輪や、前々回のロンドン五輪よりも選手、監督にかかるプレッシャーは大きい。ほかの競技にもメダル候補がたくさんいるし、結果を出さなければサッカーはニュースでも取り上げられないだろう。
だからこそ、森保監督、五輪世代の選手たちには頑張ってもらわないと困るし、これ以上のチャンスはないと、貪欲にメダル獲得を狙ってほしい。メダル宣言をするくらいでちょうどいいと思う。
そして、その第一歩として、森保監督がU-22コロンビア戦でどういう采配を振るうのか。この試合は地上波での生中継もある。ぜひ五輪本番に向けて期待を持てるような試合を見せてほしいね。