全員がイエローカードを1枚もらうくらいの気持ちで戦ってほしいと語るセルジオ越後氏

3点差、4点差で負けてもおかしくなかった。それほど一方的な内容だった。

11月9日(現地時間)、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝第1戦が行なわれ、浦和がアルヒラル(サウジアラビア)に0-1で敗れた。

試合はホームのアルヒラルが序盤から主導権を握り、浦和は防戦一方。警告累積で欠場の西川に代わって出場したGK福島の頑張りもあり、前半はなんとか相手の攻撃を食い止めたものの、後半15分に失点。

その後も自陣に押し込まれ続け、まったく反撃できないまま終わった。シュート本数は浦和の2本に対して、アルヒラルが23本。この数字がすべてを物語る。

アルヒラルは想像以上にいいチームだった。決勝点を決めたカリージョはうまさもスピードもあり、個人技でどんどん仕掛けるなど、浦和の左サイドで好き放題にプレーしていた。さすが現役バリバリのペルー代表だね。

そしてトップのゴミス(元フランス代表)が前線にドンと構え、トップ下のジョビンコ(元イタリア代表)が自由に動き回る。タイプの違うこの3人を止めるのは大変だよ。また、サウジアラビア代表の主力をベンチに置ける層の厚さもある。キャスティングは浦和より明らかに豪華だ。

でも、逆に言えば、そうした力の差がある相手に対して、浦和はよく守った。後半に失点した後も、あれだけ攻められ続けたのに、集中を切らすことなく冷静にプレーした。最後は足が止まっていたけど、粘り強く守った。もし失点後にアウェーゴールを狙って無理に攻めようとしていたら、さらに失点を重ねていたかもしれない。

次の第2戦(24日)はホームとはいえ、今の浦和の悪いチーム状態で2点のビハインドは厳しい。相手の力を認め、最少得点差で試合を終えたことでチャンスを残した。0-1なら何が起こるかわからない。よくつないだと思うし、引き分けに近い負けだ。アルヒラル側からすれば勝負を決めきれず、うれしさよりも悔しさが上回ったはず。

第2戦まで2週間のインターバルがあるのは、これまで超過密日程をこなしてきた浦和にとって大きい。中2日や中3日でJリーグの日程をこなしてきた疲労の影響は少なからずあったと思う。僕から見ても、過酷で気の毒だった。浦和は日本の代表として大会に出場しているのに、Jリーグのサポート体制が不十分。もっと早い段階で日程を調整すべきだった。そもそも日本のクラブが決勝まで勝ち進むことを考えていなかったのかな。

話が少しそれたけど、浦和の選手にはコンディションを万全に整えてほしい。そして、埼玉スタジアムでの第2戦は、挑戦者として最初から全力でいくべき。相手の速いカウンターは怖いけど、攻めなければ得点は奪えない。勝利は得られない。率直に言って、今季の浦和は2年前のACL優勝時よりチーム力が落ちる。

特にエースの興梠(こうろき)が前線で孤立し、Jリーグでもなかなか得点を奪えず、下位に低迷している。それだけに第2戦では、2列目と両サイドがどこまで興梠をサポートできるかがカギ。リスクを冒してでも前に出ないと可能性は生まれない。早い時間帯に先制点を奪って、相手を慌てさせたい。それができれば必ずチャンスが生まれる。

もう決勝戦だし、全員がイエローカードを1枚もらうくらいの気持ちで戦ってほしい。サポーターもぜひ大声援で選手を後押ししてほしい。

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