DeNA・上茶谷大河 DeNA・上茶谷大河

2019年はプロ野球のドラフト1位ルーキー全員が1軍デビューを飾った。即戦力タイプから将来有望な素材型まで、さまざまな個性を持った"ドラ1"たちのルーキーイヤーを採点してみた(紹介はパ・リーグ、セ・リーグの今季の上位から)。

【西武・松本 航】75点 
昨年のドラフトで唯一単独1位指名された即戦力右腕。日本体育大では総合力の高い投球を見せて、大学日本代表のエース格に。プロ入り後は開幕直前に肺炎で出遅れたが、7勝を挙げて菊池雄星(マリナーズ)の穴を一部埋めた。

ただ、防御率は4点台中盤と不安定で、強打線の恩恵を受けた感は否めないため、採点は辛めに。来季は本領発揮に期待したい。

【ソフトバンク・甲斐野 央】90点 
日本一に貢献し、侍ジャパンにも招集された速球派リリーフ。65試合登板で26ホールド、8セーブを挙げた。

東洋大時代から際立った140キロ前後で落ちるフォークはプロでも十分に通用。三振の多くはこの決め球で奪った。シーズン終盤に息切れしたが、デビューから13試合連続無失点の新人記録を樹立するなどインパクトは絶大だった。

【楽天・辰己涼介】80点 
ドラフト指名直後の記者会見で「まずは楽天カードをつくるところから始めたい」とコメントし、爆笑をさらったユニークなキャラクター。大学時から超一級だった強肩で首脳陣の評価を勝ち取った。

124試合に出場して打率.229と打撃では壁にぶつかったが、辛抱強く起用されたのは期待の表れ。将来トリプルスリー(3割・30本塁打・30盗塁)達成も夢ではない。

【ロッテ・藤原恭大】65点 
3球団が1位指名したアスリート型外野手は、キャンプからアピール全開。開幕スタメンで好スタートを切ったかに見えたが、わずか6試合で.105の低打率でファーム落ち。2軍でも木製バットの打撃に苦慮した。

高校時代から肩やヒザを痛めるなど、故障が多かった。プロでは頑丈な体づくりをテーマに、雌伏の時間を過ごしている。

【日本ハム・吉田輝星】65点 
2018年夏「金農フィーバー」を巻き起こした甲子園の星。スピン量の多い速球と要所で力を入れるギアチェンジ投法は、全国の高校球児の見本になった。

プロでは6月に広島戦で5回1失点の鮮烈デビューを飾ったが、以降3試合は3連敗。防御率12点台とプロの壁に当たった。来季はリリーフ構想もあり、資格を残した新人王獲得を狙う。

【オリックス・太田 椋】60点 
3月の教育リーグで千賀滉大(ソフトバンク)から死球を受けて右腕を骨折し、3ヵ月も出遅れる災難。復帰後はファーム64試合で打率.258、6本塁打と一定の成績を残した。

定評のあった守備に加え、打撃も力強さを増している。シーズン終盤には1軍デビュー。坂本勇人(巨人)のようなスケール型遊撃手に、と期待は高い。

【巨人・高橋優貴】80点 
八戸学院大時代はハマったら手のつけられない投球を見せる半面、大事な試合に勝てないムラっ気が玉にきずだった。

賛否分かれた素材もプロの環境に意外にも早くアジャスト。開幕3戦目にプロ初先発初勝利をマークすると、5勝7敗、防御率3.19とリーグ優勝に貢献した。とはいえ、好不調の波という来季への宿題は残っている。

【DeNA・上茶谷大河】85点 
大学3年までは無名の存在だったが、4年春に突如開花してブレイク。ドラフト戦線に躍り出た遅咲きの右腕は、プロでも右肩上がりの上昇気流に乗った。

2桁勝利を期待できるというスカウトの声もあるなか、7勝6敗にとどまったものの貢献度は絶大。貴重な先発投手として、故障者が続出したチームの苦しい台所事情を救った。

【阪神・近本光司】95点 
社会人では打って走って無双状態も、ドラフト直後には指名を疑問視する阪神ファンが続出した。しかし、パンチ力のある打撃と、失敗を恐れない果敢な走塁で大活躍。オールスター戦ではサイクル安打を達成した。

熱狂的なファンやメディアの重圧に苦しむ選手が多いなか、ツイッターアカウントを開設してファンと交流するなどメンタルの強さも底抜けだった。

【広島・小園海斗】70点 
ドラフト前から根尾昂よりも高く評価していた広島に入団。オープン戦で2本塁打を放つなど非凡さを見せたが、守備で不安定さを露呈して2軍へ。ところが、遊撃レギュラーの田中広輔が故障離脱してチャンスが到来。1軍で58試合、197打席を経験した。来季は二塁にも挑戦し、MLB入りが濃厚な菊池涼介の穴埋めを期待される。

【中日・根尾 昂】60点 
中学時はスキーで全国優勝し、学業は優秀。野球は幼少期から「天才」と評された、漫画の主人公のような経歴。4球団が重複1位指名したドラフトの目玉も、プロの洗礼を浴びた。

1月に肉離れして出遅れると、ファームでも故障が相次ぎ低迷。ファームでは打率.210、24失策と通用しなかった。とはいえ首脳陣の評価は低くなく、来季は外野手として再出発する。

【ヤクルト・清水 昇】55点 
國學院大ではまとまりのある投球を武器にして、即戦力の評価を受けてプロ入り。だが、「1位」の期待は重荷だったか。1軍レベルとなると強烈な個性がなく、打ち込まれるケースが目立った。速球の球威が増せば、制球力の高さと落ちるツーシームも生きてくる。来季は巻き返しの年にしたいところだ。