2月26日、都内でプロボクサー・井上尚弥と俳優・藤原竜也による、異色の共同記者会見が開催。異なる業界で活躍するふたりだが、意外な接点や共通点を明かした。

今回の企画は、BS放送のWOWOWで、井上が初のラスベガスでの試合に臨む『エキサイトマッチ~世界プロボクシング』と、藤原竜也主演の同名映画と連動するドラマ『太陽は動かない』の放送決定を記念した特別対談。

ふたりはこの日が初対面だったが、「辰吉(丈一郎)さんとか山中(慎介)選手とかをずっと見ていた」とボクシング好きである藤原は、試合を控える井上に「井上選手の死闘を一方的に応援させてもらっている。目の前にいて直視できない」とコメント。藤原主演の映画『デスノート』や『カイジ』を観ていた井上も、「僕も藤原さんを直視できない」と答え、ファン同士であるふたりから緊張が伝わった。

「家族一同応援しています」と井上にエールを送った藤原 「家族一同応援しています」と井上にエールを送った藤原

そんなふたりに共通して交流がある人物として名前が挙がったのが、俳優でボクシングマニアの香川照之。井上は「香川さんの解説はマニアックすぎて、自分の試合についてもわからない時があります。一緒に試合解説をすることもあるんですけど、香川さんの興奮についていくのは難しい」と苦笑い。

一方の藤原も「あの人、芝居の現場でもついていくの大変なんです」と共感で応え、「ボクサーの抱える使命感、人生、男同士のぶつかり合いは子供の頃から大好き。香川さんとは、(井上のことを)すげえモンスターが出てきたと話したりしてましたね」と井上を評した。

「ボクサーとしての最終目標は35歳まではキャリアを続けたい」と熱く語った井上 「ボクサーとしての最終目標は35歳まではキャリアを続けたい」と熱く語った井上

「厳しい稽古をして初日を迎えて、舞台に、リングに立つのは自分ですからね。若い頃から演劇の現場とボクシングの現場は似ている」とボクサーと俳優の共通点を話した藤原は、"駆け引き"について聞かれ、言及。

「監督やプロデューサー、共演する俳優との駆け引きもありますけど、チャンピオンのような生死を分けるような駆け引きじゃないですからね。このスケジュールは譲れないという程度で、チャンピオンと並べるのは失礼な、かわいいもの(笑)」。

そう場を和ませた藤原に対し、井上は「僕らの駆け引きは、相手が何を考えているか、何を狙っているかを探りながら戦うということですね。この前の決勝では、その状況だけは(ノニト・)ドネアにはわからないように戦った」と昨年末に行なわれたWBSSバンタム級決勝を振り返った。

カシメロ戦については「ゴングが鳴ってどういう流れかも」イメージし、トレーニングに励んでいる井上 カシメロ戦については「ゴングが鳴ってどういう流れかも」イメージし、トレーニングに励んでいる井上

今回WOWOWで放送されるラスベガスでの対ジョンリル・カシメロ戦について、記者からプレッシャーや緊張感はあるかとの質問が出ると、井上は「初めてのラスベガスで、アジア人同士が戦うということに対するプレッシャーはあります」と前置きしつつも、「逃げ出したいとかではなく、早く戦いたいという緊張感」と積極的な回答。試合の見どころを聞かれると、「ジリジリと後半から終盤にかけて削っていきます。そのために前半を凌(しの)いでいこうと」と、意気込みを語った。

そして藤原も主演ドラマ『太陽は動かない』について「24時間以内にミッション成功しないと心臓に仕掛けられた爆弾が破裂してしまう僕と竹内涼真が、ものすごい訓練をして世界各国のエージェントと戦い生き延びるという話。チャンピオンには勝敗が決まった後、気分転換で観ていただきたい」と見どころをアピールした。

井上のラスベガス戦『エキサイトマッチ~世界プロボクシング』は4月26日(日)放送。藤原主演『連続ドラマW 太陽は動かない』は5月24日(日曜日、22:00~)から放送スタート。また、ドラマと連動する映画版『太陽は動かない』は5月15日(金)に公開予定。