日本自転車競技連盟は4日、来年夏に延期された東京五輪の自転車トラック種目代表を発表。男女7種目6人はその意気込みを明かした。
同連盟理事でナショナルチーム選手強化委員長の中野浩一氏によると、本来、今年2月に決定していたが、新型コロナウイルスの影響により発表も延期。「五輪に向けての気持ちをしっかりもって努力いただきたいという思いもありますし、そのことが必ずいい結果に繋がる」とこの日の発表を決めた。
短距離ではスプリント、ケイリンで、新田祐大、脇本雄太、小林優香が選出。
脇本は前回のリオデジャネイロ五輪にも出場したが、1回戦敗者復活戦で敗退。2大会連続となる東京五輪を前に、今年のUCIトラック世界選手権で2位になるまで成長を示した。そして今大会の延期に対して「(1位だったハリー・ラブレイセンと)その差の修正は半年では間に合わないが、1年だったら間に合う。必ず金メダルを取ってアピールしたい」と決意。
また昨年のUCIトラック世界選手権で2位と、脇本と同じく世界トップの実力を誇る新田は、「日本が発祥であるケイリンでの選出は非常に誇り高い」と喜びを明かすとともに「僕の師匠・班目秀雄(まだらめ・ひでお)も前回の東京五輪に出場していて、非常に熱い思いを燃やしてきました。夢の舞台で金メダルを獲得する選手に1年間でなって目標を達成したい」
そしてケイリンでは日本女子初の五輪出場となった小林は、テレビで観戦したロンドン五輪を機に、元々打ち込んでいたバレーから転向。「ちょうど競輪学校に入学した時、東京五輪の開催が決まった。あれから約8年間、五輪でメダルを取ることを目標にやってきた」とその思い入れを吐露。表彰台を狙う。
中距離種目では、オムニアムで橋本英也、マディソンで中村妃智(なかむら・きさと)、オムニアムとマディソンの両方で梶原悠未(かじはら・ゆうみ)が出場決定。
今年のUCIトラック世界選手権で日本人初の世界女王という快挙を成し遂げた梶原は、開催1年前の代表発表に「強くなるための時間ができた」と感謝。緊急事態宣言により試合がなくなるなかでも、「自分で大会を設定していた」など実戦を意識し、トレーニング。今後も"原動力"である母のサポートに支えられながら、「スピードを世界で戦える確固たる武器」にするため準備する予定だ。そして世界女王として、「優勝候補筆頭として金メダルを獲得したい」と宣言した。