ステイホーム中に見たドラマや映画について語った宮澤ミシェル
サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第152回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマはステイホーム中に見たドラマや映画について。ステイホーム中にネット配信サービスにハマり、ドラマや映画など多くの作品を観たという宮澤ミシェル。その中でも、若い頃から大好きなロバート・デ・ニーロの作品は改めて観ても最高だったという。

*****

新型コロナウイルスの世界的なパンデミックで、Netflixの加入者はアメリカで1億人を超えたというニュースがあったけど、その理由がわかったよね。Netflixに限らず、日本でも多くの人が緊急事態宣言中に、さまざまなネット配信サービスに入ったんじゃないかな。

緊急事態宣言は解除されて外出もできるようになったけれど、やっぱりネット配信サービスは観ちゃうね。

僕は子どもの頃からボクシングが好きだから、昔の試合をやっていると観たりしていたんだ。でも、試合にのめり込んじゃうから頭に血がのぼって疲れちゃうし、体中の血がカッカしているから外に出たくなっちゃうんだよね。

それでドラマや映画も観るようになったんだけど、ネット配信サービスにすっかりハマっちゃった。

常盤貴子ちゃんとトヨエツ(豊川悦司)の『愛していると言ってくれ』は最高だったな。1995年に大ヒットしたドラマなのに、全然色褪せてないんだよ。なにより常盤貴子ちゃんが可愛いんだ。もう彼女を観ているだけで幸せな気分になれちゃうからね。

海外映画なら、ロバート・デ・ニーロだね。若い頃から彼の出ている映画は、リアルタイムでほとんどを映画館で観たけど、家でひとり見返してもやっぱり最高。

独特の困ったような笑顔が、男心をくすぐるんだよね。僕もあんな笑顔ができたら、もっと違う人生があったんじゃないかって思っちゃうんだよな(笑)。

『ゴッドファーザーPartⅡ』や『タクシードライバー』『ディア・ハンター』『レイジング・ブル』といった昔の作品はもちろんだけど、すべてが代表作のような役者だから、どれが面白かったというのは難しいよね。

ただ、印象的だったのが、『マイ・インターン』。2015年公開だから比較的最近の作品なんだけど、コメディー感のある作品だから、家で観るのにも向いていたんだろうな。

ファッション会社の若手女社長役のアン・ハサウェイは美人だし、カッコいいし、素敵なのよ。その彼女と、デ・ニーロの存在感が相乗効果を生み出して、映画の世界が魅力的なものになっていてね。

なにより、デ・ニーロらしい物悲しさを感じさせる笑顔が、年を重ねたことで、さらにいい味を出してるんだよ。本当はもっとストーリーについても話したいんだけど、ネタバレになっちゃうから我慢しなきゃだな。ぜひ、観てもらいたい作品だな。

振り返れば、僕が若い頃は、ハリウッド映画がバリバリ元気な時代で、アル・パチーノやリチャード・ギアやケビン・コスナー、トム・クルーズといった役者が主演を張った映画は大ヒットした時代なんだよ。

その影響を受けているから、派手で純粋にカッコいい男性像にも惹かれるんだけど、一方で「ワイルドでかっこいいけど、ちょっとダメ」な感じにもグッとくるんだよね。

その点で言えば、『アリ-・スター誕生』のブラッドリー・クーパーがかっこよかったね。主演のレディー・ガガよりも、無精ヒゲが似合うワイルドさに憧れちゃったな。

いまの時代は日本でも無精ヒゲを伸ばしていても口うるさく言われなくなっているけど、僕らが若い頃は違うからね。無精ヒゲどころか、ヒゲも基本的にNG。髭をはやして許されたのは、ラグビーの平尾誠二さんくらいだったんじゃないかな。

それに僕は引退してからはずっとNHKで解説をしているから、ヒゲはもちろんだけど、基本はスーツかジャケットという格好でしょ。そういうのもあってワイルドさに憧れる部分があるんだろうな。

本当にうれしいことに、待ちに待ったJリーグの再開が決まったけれど、そうなったときにドラマや映画を観る時間を減らせるのかがちょっと心配だよな(笑)。

フィクションの世界は日常を忘れさせてくれるし、家で手軽に気分転換ができる魅力を知ってしまった。しばらくは、サッカーとの両立で寝不足の日が増えるんだろうな。僕は覚悟はしていますが、みなさんもいまからしっかり心と体の準備をしてくださいね。

★『宮澤ミシェル フットボールグルマン』は毎週火曜日更新!★