正直、僕は銅メダルでも十分成功だと思うと語るセルジオ越後氏 正直、僕は銅メダルでも十分成功だと思うと語るセルジオ越後氏

ラクではないけど、決して"死の組"じゃない。

東京五輪の組み合わせが決まり、男子は南アフリカ、メキシコ、フランスと同じA組に入った。各メディアが厳しい組に入ったと報じていたけど、僕はそうは思わない。確かに、B組の韓国はちょっとうらやましい(ホンジュラス、ルーマニア、ニュージーランドと同組)。

でも、ほかの3組はどこも激戦だ。C組には南米王者アルゼンチン、欧州王者スペイン、さらにアフリカ王者エジプトが入り、D組は前回王者ブラジルとドイツが同居している。そのふた組よりはいくらかマシと考えていい。冷静にA組を見れば、フランス、メキシコの2強に日本、南アフリカの順で続く感じかな。やはりフランス、メキシコは手ごわいね。

フランスは2018年ロシアW杯に優勝して勢いに乗っている。ただ、スター選手のエムバペ、デンベレらは6月開幕の欧州選手権に出場するため、東京五輪には招集されない可能性が高い。

もちろん、彼らが不在でもチームのレベルは高いけど、もともと欧州勢は五輪の結果にそれほど執着していないし、気候や生活面などホームアドバンテージがある日本にもつけ入るチャンスは十分ある。特に日本の真夏の暑さには苦労するんじゃないかな。

むしろフランスよりいやなのはメキシコだ。12年ロンドン五輪では決勝でブラジルを破って金メダルを獲得したけど、近年は若年世代の強化が安定してうまくいっている。オーバーエイジ(OA)枠も含めてベストメンバーで大会に臨むようだし、チーム力はフランスよりも上かもしれない。

南アに関していえば、アフリカ予選を3位でギリギリ通過したことを考えれば絶対に勝ち点3が欲しい相手だ。

ラッキーなことに、日本はその南アと初戦で対戦する。五輪は中2日の過密日程で試合が続く短期決戦。初戦に勝ったその勢いで格上のメキシコ、フランスに挑めるのは悪くないよ。

決勝トーナメントに進出できれば初戦(準々決勝)の相手はおそらく韓国かホンジュラス。どちらも日本が勝てない相手じゃない。だから、初戦の南ア戦にしっかり勝てれば、波に乗ってメダル獲得も見えてくる。OA枠のフル活用、相手チームの情報収集など万全の準備をして本番を迎えてほしい。

ちなみに森保監督は「目標は金メダル」と公言しているけど、正直、僕は銅メダルでも十分成功だと思う。何しろ日本人は五輪が大好き。1968年メキシコ五輪以来の銅メダル獲得となれば絶対に盛り上がるし、ぜひその光景を見たいね。

女子のなでしこジャパンは、カナダ、イギリス、チリと同じE組に入った。女子はここ数年で各国が本腰を入れて強化に乗り出している。

一方、なでしこは11年ドイツW杯で優勝、12年ロンドン五輪で銀メダル、15年カナダW杯で準優勝と結果を出してきたものの、その後は下降線をたどっている。前回のリオ五輪は予選敗退だ。その結果、女子サッカーへの注目度が下がったことを選手もスタッフも痛感していると思う。

今秋に開幕予定のプロリーグ(WEリーグ)も、残念ながら世間にはほとんど認知されていない。その意味でも、今回の五輪は正念場。最初の難関となるのが優勝候補の一角であるイギリスとの対戦。ここをどう乗り切るかがカギになるだろう。

男女そろってのメダル獲得に期待したいね。

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