大会の見どころを語った稲本潤一(右端)と野口幸司(左端)。期間中に番組MCを務めるHey! Say! JUMPの薮宏太(中央右)と、スペシャルサポーターに就任したHey! Say! JUMPの知念侑李(中央左)も駆けつけ、会場を盛り上げた

新型コロナウイルス感染拡大の影響により1年延期となっていた「UEFA EURO 2020 サッカー欧州選手権(以下ユーロ)」が、6月11日に開幕する。

その開催を記念して、同大会の全51試合を完全生中継するWOWOW(BS放送)が5月25日に都内で制作発表記者会見を行ない、期間中に番組MCを務める薮宏太(Hey! Say! JUMP)、スペシャルサポーターを務める知念侑李(Hey! Say! JUMP)とともに、いずれも元サッカー日本代表の稲本潤一(SC相模原)、野口幸司(WOWOW専属解説者)が登壇した。

W杯にも引けを取らないレベルの高さと人気を誇り、通常は4年に1度、W杯の中間年に開催されるヨーロッパ・ナンバーワンの国を決めるユーロ。

今回も前回大会に続き、予選を勝ち抜いた24の国と地域が4チームずつ、6グループに分かれての総当たり戦を行ない、決勝トーナメントに出場する16チームが決まる。普段は同じクラブに所属している選手も、この大会ではお互いの母国を背負い敵味方に分かれるなど、7月11日の決勝まで目が離せない試合が続く。

1年の延期に加え、今大会は地域を限定せず欧州の11ヵ国11都市で広く開催される初めての大会。ローマ(イタリア)でのトルコ対イタリアの開幕戦からロンドン(イングランド)のウェンブリー・スタジアムでの決勝まで、これまでにない展開も予想される。

その影響について、ヨーロッパでのプレー経験が豊富でJ3のSC相模原で現役を続ける稲本は「1年前にピークを迎えていた選手もいれば、その逆もあって(延期で)メンバー選考が変わっているチームもある。ただ、選手目線でいえば、選ばれてしまえばあまり関係ないのでは」と指摘。

一方、現在は東京都社会人サッカーリーグ1部のアローレ八王子の監督を務める野口は「普通に考えれば、1年準備期間が延びたことでチームの熟成度や若手の成長は高まっていると思います。(移動の距離が長いなど)難しい面もあるが、選手層の厚いチームが勝ち抜くでしょう」と指導者目線で言及した。

気になる注目選手については、稲本、野口ともにマンチェスター・シティで今季ブレイクした左利きのFWフィル・フォーデン(20歳)の名前を挙げた。

「いまいちばんノッている若手。マン・シティでも結果を出しているし、チャンピオンズリーグ決勝(5月29日)にも出場予定。国際大会でどれだけ力を発揮できるかは未知数だが、持っているモノが違う。1年前なら選ばれていなかっただろうし、どういうプレーをするのか楽しみ!」(稲本)

「昨季のUEFA U-21欧州選手権で初めて見たが、この1年での成長が著しい。自分でゴールも決められるし、背筋がピンと伸びたドリブルの姿勢もいいです」(野口)

優勝予想は困難だが、稲本はFIFAランキング1位のベルギーにチャンスがあるとした。

「予選は無敗だし、直近の試合も負けていない。例えばルカク(28歳、インテル)は、所属クラブでもリーグ優勝しているし、その勢いもあると思います。逆にエデン・アザール(30歳、レアル・マドリー)は(クラブで望むようなシーズンを過ごせなかったが)ユーロではしっかり調整してくるような気がします。若干センターバックは不安要素ですが、それを補う攻撃力がある。いまの世代がピークの今回タイトルを取らないと、今後は厳しそうだし、期待しています」

対して、野口は前回初優勝を遂げ、5大会連続での出場となる36歳の大ベテランとなったクリスティアーノ・ロナウド(ユベントス)を擁するポルトガルを本命とした。

「ロナウドという大黒柱がいて、イングランド・プレミアリーグで活躍する有力選手もかなり出てきている。アトレティコ・マドリードのジョアン・フェリックス(21歳)などの若手も台頭してきて、ベテランと若手がうまく融合すれば連覇の可能性はある」

果たして、ユーロ2020でブレイクする選手&優勝国は? 

WOWOWでは全51試合をオンデマンドでもライブ配信予定。大会期間中はサッカーコミュニティサイト「WOWOWサッカーアリーナ」でも日々情報発信がされるといい、サッカーファンにとっては眠れない1ヵ月となりそうだ。