昨今はプロ野球OBたちが続々とYouTubeチャンネルを立ち上げ、まさに百花繚乱の様相だ。ファン感涙の豪華対談に、選手も注目する"暴露チャンネル"、さらには体を張ったおバカ体当たり企画などを一挙紹介。
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もはやテレビ、ラジオの解説だけで食べていける時代ではなくなったのか、プロ野球OBたちが続々とYouTubeに参入している。「雨後のたけのこ」ではないが、今やちょっとした有名OBであれば「やっていない人はいないのではないか?」というほどのカオス状態。
そんななか、このジャンルのチャンネル登録者数でトップを快走するのが里崎智也(元ロッテ)の『Satozaki Channel』(43.8万人)。歯に衣(きぬ)着せぬ解説と、「プロ野球選手のタバコ事情」「貯金額」「監督になれない人は嫌われているのか?」といったキワドイ企画も高い支持を受けている。もとよりお笑い芸人顔負けのトーク力で知られる里崎。当分、天下は続きそうだ。
チャンネル開設は昨年12月と後発ながら、王者・里崎の牙城に迫る勢いなのが"球界の番長"清原和博の『清ちゃんスポーツ』(39.8万人)。とんねるず・石橋貴明のYouTube進出を成功させたカリスマディレクター・マッコイ斉藤をスタッフに擁し、すでに10本以上のミリオン(100万回再生)を達成している。
罪を償った自身の再生をメインテーマに、少年にライト方向への打ち方を伝授したり、ボクシングの元世界チャンピオン・竹原慎二とガチでスパーリングを行なうなど、バラエティ仕込みのオリジナル企画がウケている。
プロ野球OBのYouTubeでテッパン企画になっているのが、大物ゲストを招いてのぶっちゃけトークだ。『上原浩治の雑談魂』は日米を股にかけて活躍した上原の人脈を生かし、高橋由伸、桑田真澄、藤川球児、澤村拓一(ひろかず)、川﨑宗則、井川慶(けい)といったひとクセある豪華ゲストが続々登場。上原の軽妙なトークで思わぬ本音が引き出される。
『片岡篤史チャンネル』は、名門・PL学園出身のつながりもあってか、片岡の2年先輩であるKKコンビ(桑田真澄、清原和博)がそれぞれゲスト出演。2019年に執行猶予中(当時)の清原和博をゲストに迎えた回は再生数300万回超えで話題になったほか、桑田真澄に「(巨人に)裏金をもらっていたんですか?」とぶっ込めるのはこの男しかいない。
一方、独自路線で異彩を放つ異色のチャンネルも。2015年に野球賭博で無期失格処分を受けて追放された笠原将生(しょうき/元巨人)は、球界の暴露系YouTuberとして君臨。『笠原チャンネル』では自身が12球団の球場から出禁を食らったエピソードや留置場生活、球界のコンパ、セックス事情にも言及。その過激さから、一部の現役選手からも注目を集めているとか。
現役時代から奇人として知られた上田剛史(元ヤクルト)、ダース・ローマシュ匡(たすく/元日本ハム)の関西高同期コンビのチャンネルもエッジが立っている。昨年、現役を引退したばかりの上田が「プロで大成しなかった理由」を赤裸々に自己分析すれば、ダースはAirPods Proを買うため、妻に「謎の宗教への入会金として3万円必要」と嘘をついて小遣いを交渉する企画などオリジナリティが光る。
巨人で活躍した助っ人、ウォーレン・クロマティの『クロマティチャンネル』には、元マリナーズのケン・グリフィーJr.や、元西武のデストラーデなど超豪華"外タレ"が登場。さらに世界の王貞治までもが「最初で最後」のYouTube出演を果たした神回は必見だ。
数あるプロ野球OBのチャネルの中でも、斬新さという点においては野村貴仁(元オリックスほか)の右に出る者はいない。清原和博が覚醒剤取締法違反で逮捕された際には、仙人のような風貌でメディアに登場して世間をザワつかせた野村だが、現在は農家に転身。チャンネルでは農作業の様子や地元仲間との飲み会、さらには撮影スタッフにブチ切れる様子まで公開。"見てはいけないものを見てしまった感"ありありだ。
今後もまだまだ続きそうなプロ野球OBたちのチャンネル開設。さらなるニュースターの誕生に期待したい。
*本文にある数字(登録者数、再生数など)は5月5日現在のものです