EURO2020について語った宮澤ミシェル氏
サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第204回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマは、EURO2020について。新型コロナ感染拡大の影響を受けて1年の延期をしていたEURO2020がついに開幕。今回、グループリーグでも屈指の注目カードであるフランス対ドイツを宮澤ミシェルが解説する。

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EURO2020がついに始まったね。1年も待たされたから、なおさら楽しみでならないよ。

この記事が公開されるのは6月15日で、明けた6月16日の午前4時からはグループリーグ最大の注目カードがキックオフになるんだよ。

それがグループFのフランス対ドイツ。

決勝戦のカードになっても不思議ではない試合が、グループリーグから見られるのが、やっぱりEUROの醍醐味だね。

今回、このカードの解説を私、宮澤ミッシェルがテレビで担当するので、試合に先駆けてこの両チームの対戦の見どころに少し触れようかな。

2018年のワールドカップ王者のフランス代表は、なんと言っても6年ぶりにベンゼマが復帰したこと! 驚いたね~。デシャン監督が規律に厳しいことを考えれば、この決断はEUROのタイトルにかける意気込みってことだからね。

ベンゼマはスキャンダルで代表チームを追放されてW杯ロシア大会の優勝メンバーではなかったけど、ここ数年のレアル・マドリードでの働きぶりを見れば、世界屈指のセンターフォワードなのは間違いないからね。

ベンゼマが中央に構えてポストプレーをすることで、エムバペが自由に動き回れるようになる。もともと強固な攻撃陣が、筋が一本通ったことでさらに厚みを増していくはず。

対するドイツ代表は、2連覇を狙った前回W杯ではまさかのグループリーグ敗退。この大会終了後に2006年から代表を率いてきたレーヴ体制は幕を下ろすことになっているから、大団円での退任を狙ってトップギアで戦ってくると思うよ。

タレントはフランスに劣らない豪華さがある。中盤には相手からボールを奪うキミッヒ(バイエルン)がいて、前線中央にヴェルナー(チェルシー)を置いて、両サイドからニャブリとザネ(ともにバイエルン)が攻め込む。18歳のジャマル・ムシアラをどう使ってくるかにも注目だよな。

今年のチャンピオンズリーグのパリ・サンジェルマンvsバイエルンは、1勝1敗でトータルスコアの差でPSGが勝ち上がったけど、フランス代表vsドイツ代表の一戦は、その決着をつけるような試合になってほしいと思っているよ。

ただ、このグループFは、ほかにもポルトガルとハンガリーという実力のあるチームがひしめくグループ。EUROはグループ2位までなら決勝トーナメント進出が確定して、グループ3位でも他のグループの成績次第で次のステージに進めるから、初戦は無理して勝ち点3を狙わない可能性もあるんだよな。

先を見据えて相手の出方をうかがう展開になるかもしれないし、逆にここで一気にライバルを蹴落とそうと激しくいくかもしれない。そのマネージメントからすでに勝負は始まっているってことだよな。

ほかのグループではスペインに注目しているよ。勝負にこだわるセルヒオ・ラモスが故障でメンバーから外れたのがどう影響するのか。2008年と2012年のEUROを連覇した頃のスペイン代表から顔ぶれはガラッと変わっているなかで、どういう戦いを見せてくれるのか楽しみなんだ。

EURO2020の決勝戦が行なわれるのは、日本時間で7月12日の早朝4時。場所はイングランドのウェンブリー・スタジアム。となれば、やっぱり決勝カードは、イングランドvsフランスを期待しちゃうんだけど、果たしてどうなるか。

EUROはW杯よりも出場国の実力差が小さいから、誰もが知るサッカー強豪国が必ず勝つ保証はないんだよ。過去にはデンマークやギリシャが優勝したし、前回大会はグループリーグ3位抜けのポルトガルが優勝しているからね。

決勝の大舞台にどの国が勝ち進んでも不思議はないし、そこに向けた熱戦が約1ヶ月続く。どんな番狂わせが起きるのか。どんなスーパーゴールが見られるのか。楽しみでならないよ。みなさん、寝不足から体調を崩さないようにしてくださいね!

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