この4チームに共通して言えるのは、開幕前の補強が不十分だったことだと語るセルジオ越後氏 この4チームに共通して言えるのは、開幕前の補強が不十分だったことだと語るセルジオ越後氏

4チームとも落ちるべくして落ちた。それが率直な感想だ。

今季のJリーグが終了した。注目のJ1残留争いは最終節までもつれた末、徳島、大分、仙台、横浜FCがJ2降格となった。

最終節で残留を決めた清水、湘南とこの4チームの間に力の差はほとんどなかったと思う。ただ、清水と湘南は良くも悪くも残留争い慣れしていて、その経験の差が明暗を分けたんじゃないかな。

例えば、徳島は絶対に勝たなければいけない最終節の広島戦で、前半だけで3失点。選手たちは落ち着きがなくバタバタとプレーしていた。

降格した4チームを個別に見ると、17位の徳島は昨季チームをJ1に昇格させたロドリゲス監督を浦和に引き抜かれ、後任のポヤトス監督もコロナ禍で合流が遅れたのが痛かった。ちょっと気の毒な状況だったね。

でも、それにしても、いくらJ2を制して昇格したとはいえ、開幕前にほとんど補強をしなかったのは、J1を甘く見ていたと言わざるをえない。

18位の大分も選手の頑張りはプレーから伝わってくるものの、移籍した主力の穴を埋め切れなかった。

19位の仙台は選手の不祥事やクラブの債務などピッチ外の問題も相次いだ昨季からの悪い流れを変えられなかった。チームの良い時代を知る手倉森監督を8年ぶりに復帰させたものの、目玉となる補強もなく、監督ひとりでどうこうできる状況ではなかった。

そして、最下位の横浜FCに関しては、チームコンセプトがよくわからなかった。名前のあるベテランを集めた割に試合にはあまり使わない。何がしたかったのだろう。現場とフロントの意思疎通がうまくいっているとは思えない。

そして夏以降に慌てて外国人選手を補強したけどさすがに手遅れだった。今オフも事実上、戦力外のカズ(三浦知良)に契約延長オファーを出す話があるけど、それが本当ならチグハグだし、来季も厳しそう。横浜フリューゲルスの流れを受け継ぐチームだけに、迷走ぶりは残念だね。

この4チームに共通して言えるのは、開幕前の補強が不十分だったこと。J1で生き残るためのキャスティングではなかった。もちろん、コロナによる財政面への影響は深刻で、特に下位チームは予算的に難しかった面もあると思う。

それでも、徳島と同じ昇格組の福岡などは昨季からのいい流れを継続しつつ、ピンポイントで外国人の好選手を補強し、チームの強度を上げた。過去3度のJ1昇格ではいずれも1年でJ2に降格しているだけに、同じことを繰り返さないという意志を感じた。素晴らしいよ。

今季の結果は来季J1に昇格する磐田、京都にとって、大いに参考になる。特に個人的には、湘南などで実績のある曺監督率いる京都の動きに注目している。大きなメインスポンサー(京セラ)がついていて、優れた監督がいて、球技専用の立派な新スタジアムもある。もちろん、J1で戦うには補強が必要だと思うけど、すでに移籍市場では積極的に動いていると聞く。

有望な若手が次々に海外移籍し、大物外国人が来ることもほとんどなくなった、縮小傾向にある今のJリーグにあって、京都はポテンシャルを感じる数少ないチームだ。ぜひ旋風を巻き起こして、Jリーグを活性化してほしいね。

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