皆さま、あけましておめでとうございます! といっても、これは新年のご挨拶ではありません。まもなくプロ野球のシーズン開幕。私にとって球春の訪れこそが、新たな年の始まりです。野球好き同士の春の挨拶はこれがお約束です。

ご挨拶が遅れました。はじめまして、山本萩子(やまもと・しゅうこ)といいます。

連載を始めるにあたり、少しだけ自己紹介をさせてください。

神奈川県出身の25歳。好物は「6-4-3」です。ご存じかとは思いますが、ショートが捕球しセカンドへ、すぐさまセカンドからファーストへ送球される併殺のことです。ショートが捕球から送球へ体をひねるあの仕草だけで、大好きなビールがグイグイと進みます。野球観戦にお酒は欠かせません。

とはいえ、「4-6-3」も捨てがたい。セカンドが打球をダイビングキャッチして、華麗な身のこなしでグラブトス、それをショートがベアハンドで捕って、そのままファーストへ......もう最高!

すみません、いきなり飛ばし過ぎました。

思えば幼い頃から常に野球が身近にありました。両親とも大の野球好きで、平日の夕飯は野球中継の音とともにありました。週末のお昼は父親が作るインスタントの袋麺を食べながらデイゲームを観ます。ナイターがある週末なんて、お昼から寝るまでずっと野球です。

テレビから常に野球が流れているのが我が家の習わしで、それが当たり前だと思っていました。だから、いつ野球を好きになったかは覚えていません。気づけば好きになっていた、というのが正直なところです。

言わば「野球歴25年」。子守唄代わりに野球中継を聞いて育った私ですから、家族と顔を合わせれば、野球の話題が出ない日はありません。

テレビだけでなく、球場での観戦も大好きです。家族、友人はもちろん、一人でも足を運ぶのは、外野席のあの賑やかな雰囲気が好きだから。たまに内野席で観戦する時は、サードばかり見てしまいます。見どころは、右打者が放つ引っ張りの強い打球に備える低い守備姿勢。あの絵だけでビール2杯はいけます。

ダブルプレー、二遊間、サードの守備姿勢。

私は数ある野球の魅力の中でも、内野手の守備がどうも昔から好物のようです。指先まで気を配った動き、ダイヤモンドを駆ける送球。あの躍動感を目にするたび、それは心が躍ります。

小学生の頃は、尊敬する元ヤクルトの宮本慎也さんのグラブさばきに憧れ、近所の公園で「グラブで捕球してから素早く右手で持ち替える」練習だけを、父とひたすらしていたことを思い出します。もっとも、運動は苦手でプレーしたのはそれが最後でしたが......。

それ以降、野球は見る専門の私ですが、人生でひとつだけ願いが叶うならば、土橋勝征(どばし・かつゆき)選手に生まれ変わって、宮本慎也選手と二遊間を組み、ダブルプレーを完成させたい。私は永遠に「土橋・宮本」の二遊間推しなのです。

お察しの方も多いかもしれませんが、私は生粋のヤクルトファンです。もちろん連載では、ヤクルトに限らずプロ野球全般、NHKでMCを担当しているメジャーリーグのことなんかも、幅広く多角的に書いていきたいと思います。つたない文章ではありますが、野球の面白さを伝えることができたら幸せです。

最後に改めて。

野球を愛するすべての皆さまへ。

球春あけましておめでとうございます。

そして、これから野球を愛するすべての皆さまへ。

ひとつだけ、声を大にして言えることは、野球って本当に最高ですよ。この連載を通して、野球の魅力を皆さんと共有できたら、野球ファン冥利に尽きます。

今週からどうぞ、よろしくお願いいたします!

★山本萩子(やまもと・しゅうこ)
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年より『ワースポ×MLB』(NHK BS1)のキャスターを務める。愛猫の名前はバレンティン

★山本萩子の「6-4-3を待ちわびて」は、毎週土曜日朝更新!