球春、あけましておめでとうございます。山本です。待ちに待ったNPB(日本プロ野球)開幕。皆様はどのように過ごされましたか?

野球好きの方は皆そうだと思いますが、私にとって3月後半は1年で一番そわそわする時期。

思い返せば、NPBが開幕する3月後半の金曜日は、友達から遊びに誘われても断っていました。アルバイトも「ちょっと大事な予定が......」と入れないようにしたりして。あのときご迷惑をかけた皆様、申し訳ありませんでした。でも、きっとバレていたのかなと思います、この時期は気もそぞろなもので。

オープン戦の結果を毎日チェックしていた頃が懐かしく思えます。「オープン戦だし、一喜一憂してもしょうがない」と思っても、やはり贔屓のチームの成績が悪いと気持ちが下がってしまうもの。落ち込んでいる私を心配してくれた友人に「大丈夫?」と聞かれるたび、「オープン戦だから!」と言い訳をしていたような......。

でも、ここからが本番です!

僭越ながら、開幕前から応援するヤクルトのスタメン予想を立てておりました。一番の注目は、懐が深く広角に打ちわけるバッティングセンスを持った若手の長岡秀樹選手。唯一レギュラーが決まっていないポジションを争っていることもあり、彼の動向がずっと気になっていて......。

スタメンをあれこれ考えるのは楽しいもので、開幕戦はその答え合わせの日でもあります。こういう楽しみ方をしているファンの方、意外と多いのではないでしょうか。

開幕戦はシーズンの中でも一番といっていいくらい特別な日ですが、私の記憶に強く残る開幕は2017年の神宮球場。ヤクルトの先発は大エース石川雅規選手。めっちゃくちゃ雨が降っていて、友達と2人でびしょ濡れに。でも、応燕......ではなく応援の甲斐あって、左腕エース対決に勝利したことをよく覚えています。

ここ数年は自宅で開幕を迎えることにしているのですが、我が家の風景をちょっとだけご紹介しますね。

CSのテレビ中継が始まるのが夕方5時半。その時間にあわせるように、母とキッチンに立ち料理の準備をします。煮込みやソーセージなど、神宮球場の名物グルメを自宅で再現して、家にいながら観戦気分を味わうためです。そして、プレイボールとともに乾杯。

ああ、楽しい。

みなさんの応援するチームの結果はいかがでしたか?

開幕戦に勝ったら、無責任に「今年はいける!」と思ってしまうのはなぜでしょう。どんな勝利でもうれしいことには変わりませんが、ぜいたくを言わせていただけるなら、4番が打って、エースが7回まで2失点以内に抑え、最後はクローザーが締める。こんな正統派の勝ち方をした時は、ビールが進んで仕方ありません。

負けたとしても、「まだ1試合目だし」と楽観的な自分がいます。だって、翌日から2連勝すれば勝ち越しです! みんなが優勝への可能性を信じて、まっさらな気持ちで見られるのが開幕戦の良さだと思います。

ここ数年、コロナは野球に対しても猛威を振るいました。25年間生きてきて、当たり前のように近くにあった野球が見られない寂しさも知りました。だからこそ、普通に開幕を喜べる幸せをかみしめたいと思います。

勝利に浮かれている皆さんはそのままで。しょんぼりしているみなさんは、すぐに気持ちを切り替えて。

今日も野球を楽しみましょう!

★山本萩子(やまもと・しゅうこ)
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年より『ワースポ×MLB』(NHK BS1)のキャスターを務める。愛猫の名前はバレンティン