対談をおこなった五十嵐亮太氏(左)と山本萩子氏

2019年から『ワースポ×MLB』(NHK BS1)のキャスターを務める山本萩子さん。今年3月から『週プレNews』で連載「6-4-3を待ちわびて」をスタートしたが、今回、五十嵐亮太氏を招いてプロ野球について語る『web Sportiva』とのコラボ対談が実現した。

五十嵐氏といえば現役時代、ヤクルトやソフトバンク、MLBのニューヨーク・メッツなどでも観客を魅了した快速右腕。日米通算906登板、167ホールド・70セーブという成績を残して2020年に引退し、現在はスポーツコメンテーターや解説として活躍している。

週プレNewsで紹介するのは、2人が選手を出し合って決めた「夢のベストナイン」。果たしてどんな選手が名を連ねたのか!?

■「歴代ベストナイン」が、まさかの「ヤクルトベストナイン」に

山本 2022年のプロ野球が開幕しました。今年も楽しみな季節が始まりましたね。今回、憧れの五十嵐さんに初めてお会いするということで、「山本萩子的歴代ベストナイン」を考えてきたんです。私が実際に見てきた選手ということで、2000年以降に活躍した選手が中心ですが、まずは聞いていただけますか?

五十嵐 山本さんは大のヤクルトファンで有名だけど、まさかヤクルトの選手ばかりじゃないでしょうね(笑)。

山本 打順も考えてきたんです。発表しますね、一番・センター、青木宣親さん、二番・ショート、宮本慎也さん、三番・ライト、バレンティンさん......。

五十嵐 ちょっと、ちょっと! やっぱり、ヤクルトの選手ばかりじゃないですか。内輪向けの話じゃなくて、『週プレNEWS』の対談ですからね。いろいろな人が見るし、「かわいいから許す」じゃ済まされませんよ(笑)。

山本 まぁ、ひとまず全部聞いていただいて(笑)、そこから五十嵐さんと一緒に最終的な「2000年以降歴代ベストナイン」を決めていきましょう。では、続きを発表しますね。四番・ファースト、ペタジーニさん、五番・キャッチャー、古田敦也さん......。

五十嵐 古田さんは当確でしょうけど......それにしても、完全な「ヤクルトベストナイン」ですね(笑)。

山本 ......六番・サード、岩村明憲さん、七番・レフト、ラミレスさん、そして八番はセカンド、土橋勝征さん。野手は以上です。

五十嵐 僕が若手の頃のヤクルトのオーダーですよ(笑)。ピッチャーは石川(雅規)さんでしょ?

山本 正解です! 先発は石川さん、リリーフは五十嵐さん。クローザーは、林昌勇(イム・チャンヨン)さんとすごく悩んだんですけど、バーネットさんにしました。どうですか、このメンバーは?

五十嵐 いやいや、先ほどから言ってますが、ただの「ヤクルトベストナイン」ですよ。ヤクルトファン以外、すべで敵に回しますよ? ただ、この割り切り方は嫌いじゃないです(笑)。

山本萩子が考えた、2000年以降の選手で組む最強のベストナイン

■大谷翔平はDH解除で二刀流起用

山本 これが一応、「山本的ベストナイン」ですけど、五十嵐さんならどんなメンバーを選びますか?

五十嵐 そうだなぁ......ピッチャーはダルビッシュ有を入れたいですね。試合を作れるし変化球は多彩で、すべてのボールの精度が高い。見た目もカッコいいし、エースらしい雰囲気も含めて、僕は「先発・ダルビッシュ」を推したいですね。

山本 なるほど。確かにダルビッシュさんは納得ですね。じゃあ、中継ぎ、リリーフはどうなりますか?

五十嵐 僕が実際に見てきた中で、「これは打たれないな」と思ったのが、デニス・サファテなんですよね。ただ、藤川球児も捨てがたいんだよなぁ。ひとまず、「中継ぎ・藤川」「抑え・サファテ」ということにしようかな?

山本 さぁ、注目の野手陣はどんな顔ぶれが並びますか?

五十嵐 順不同で思いついたまま挙げると、「レフト・松井秀喜さん」、「センター・柳田悠岐」「ライト・鈴木誠也」、そして「ショート・坂本勇人」、このあたりは絶対に入れたいですね。

山本 私としては、ショートの宮本慎也さんは譲れないところなんですけど、確かに五十嵐さんの選ぶメンバーと対戦したら、本当に強そうだなぁ(笑)。

五十嵐 確かに宮本さんは球界屈指の名手ですし、山本さんの気持ちはすごくよくわかりますけど、ショートは松井稼頭央さんにさせてもらえたら。内野では、残りはファーストとサードとセカンド。ファーストはどうしようかな? あえて村上宗隆にするか、大谷翔平にファーストを守ってもらうか......。

山本 ずるい。そんなこともアリなんですか(笑)。

五十嵐 ひとまず、アリにしましょうよ(笑)。いや、大谷はDHにしましょう。ダルビッシュが疲れたら、DH解除でマウンドに上がる。......あ、大事な人を忘れていました、イチローさん! イチローさんを忘れるわけにはいかないでしょ。そうなると鈴木誠也には外れてもらって、「ライト・イチロー」にしましょう。

■ついに完成した「山本×五十嵐歴代ベストナイン」

山本 俄然盛り上がってきました(笑)。本当に強そう。やっぱり、誰もが納得のいい顔ぶれが並びますね。

五十嵐 サードはどうしましょうかね。おかわりくん(中村剛也)、マッチ(松田宣浩)、中村紀洋さんに岡本和真もいるし......。村上は守備面にまだ不安があるし、いろいろ悩んだけど、今後の可能性とポテンシャルに期待して村上にしましょう。

山本 セカンドはどうしますか?

五十嵐 ここは井口(資仁)さんとも思うけど、山田哲人と悩みますね。もちろん菊池涼介も名手だけど、ここは、「ファースト・山田」「セカンド・井口」ということにしましょうか。で、キャッチャーは山本さんも選んだ古田さんということで。

山本 山田選手にはセカンドじゃなくて、あえてファーストを守ってもらうんですね。そうなると、打順はどうなりますかね?

五十嵐 一番・ライト、イチロー、二番・ショート・松井稼頭央、三番・センター、柳田、四番・レフト、松井秀喜、五番・DH、大谷、六番・ファースト、山田、七番・サード、村上、八番・セカンド、井口、そして九番にキャッチャー、古田。オオーッ。最強の布陣だ!

山本 そして、投手は先発・ダルビッシュ、リリーフ・藤川、クローザー・サファテということでいいですか?

五十嵐 いや、せっかくここまで選んだんだから、オール日本人選手にしましょうか。クローザーはDH解除の大谷にしましょう。めちゃくちゃ強そうですね、このチーム(笑)。

山本 左打者と右打者のバランスもいいし、めちゃくちゃいいチームですね。二遊間が宮本さん、土橋さんじゃないのはちょっと寂しいけど(笑)、私もこの案に賛成です。

五十嵐・山本のふたりが考えた、2000年以降の選手で組むベストナイン!

五十嵐 でも、野球好きの子どもが単に「好きだから」っていう理由で選んだオーダーのような気も......。評論家としてこれでいいのか、不安になるな(笑)。

山本 いや、いいんですよ。だって、本当にすごい選手ばかりの最強のオーダーなんですから。私もこのメンバーなら納得です。やっぱり、野球の話題でワイワイ盛り上がるのは楽しいですね。

五十嵐 そうですね。僕もだんだんテンション上がってきて、すごく楽しいです(笑)。

※今シーズン注目の選手や、セ・パの順位予想についてのふたりの対談は『web Sportiva』で!

★五十嵐亮太(いがらし・りょうた)
1979年5月28日生まれ、北海道出身。1997年ドラフト2位でヤクルトに入団し、2004年には当時の日本人最速タイ記録となる158キロをマークするなど、リリーフとして活躍。その後、ニューヨーク・メッツなどMLBでもプレーし、帰国後はソフトバンクに入団。最後は古巣・ヤクルトで日米通算900試合登板を達成し、2020年シーズンをもって引退した。現在はスポーツコメンテーターや解説として活躍している

★山本萩子(やまもと・しゅうこ)
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年より『ワースポ×MLB』(NHK BS1)のキャスターを務める。愛猫の名前はバレンティン



★山本萩子の「6-4-3を待ちわびて」は、毎週土曜日朝更新!