こんにちは、野球大好き山本萩子です。

GWがスタートしましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? GWといえば「大型」連休ですが、今回は「小型」選手についてお話しさせてください。

一般的に野球というスポーツは、体が大きいほうが有利とされています。手が長いほうが球離れが遅くなりますし、足が長ければストライドも大きい。打球を飛ばす筋肉量も体格に比して多くなるため、一概には言えませんが、やはりアドバンテージがあると言えるでしょう。

日本人選手は、以前と比べると格段に大きくなりました。大谷翔平選手もそうですが、日本人離れした体格やパワーでMLBで活躍する選手も増えています。

しかし、体が大きくなければ活躍できないかといえば、そんなことはありません。どんな選手でも活躍できる、それが野球の面白さなのです。

野球というスポーツは、選手によって投げ方も打ち方も千差万別。同じ体格のピッチャーでも、上から投げたり、スリークォーターだったり。バッティングフォームも人によって違います。まったく同じプレースタイルの選手はひとりもいません。

したがって、大きい選手、小さい選手、それぞれの闘い方があります。

毎回ヤクルトスワローズの話が多めで恐縮ですが、40歳を超えてなお進化を続ける"小さな巨人"こと石川雅規投手(167cm)の魅力は、やはり球種の多さと投球術でしょう。

おそらく体が小さいからこそ、相手との駆け引きや決め球を増やす努力をしてきたのだと思います。そして、マウンド度胸も抜群です。若い頃のような勢いはないかもしれませんが、いまなお円熟味を増すピッチングはまさに名人芸。今年、史上3人目の21年連続勝利という偉業を達成したことは、野球というスポーツの奥深さを教えてくれているような気がします。

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打者では、MLBでも活躍された岩村明憲選手(元ヤクルト、楽天)も体格はあまり大きくありませんでしたが、腕の筋肉のたくましさや腰の回転のキレは抜群で、パンチのあるバッティングで私たちを魅了しました。

これは私の偏見ですが、小柄な選手は足が速く、守備もうまい、とにかくセンスがある。そして、ソックスを上まであげるオールドスタイルが多め(笑)。なので、見事なふくらはぎの筋肉が堪能できます。

ちなみに、石川投手はバッティングセンスも抜群ですから、やはり小柄な選手は野球センスのかたまりと言い切っていいと思います。

最後に、私のおすすめの"小さな巨人"たちを紹介します。

MLB
ムーキー・ベッツ(ドジャース・175cm)
MLBを代表するスーパースター。2018年にはワールドシリーズでMVP獲得。ボウリングの腕前もプロ級。

ホセ・アルトゥーべ(アストロズ・168cm)
首位打者を3度獲得。走攻守すべてがメジャートップクラス。

ホセ・ラミレス(ガーディアンズ・175cm)
強力打線の中軸を担う人気選手。スイングが速く、とにかく打球が飛ぶ。

NPB
菊池涼介(広島・171cm)
信じられないほどの守備範囲の広さ。パンチ力と技術ある打撃も魅力。

吉田正尚(オリックス・173cm)
五輪でも活躍した長距離砲。"和製バリー・ボンズ"。

甲斐拓也(ソフトバンク・170cm)
"甲斐キャノン"と呼ばれる強肩が魅力の捕手。育成から2億円プレイヤーへ。

そして、小さな大打者として名球会入りを果たしたレジェンド、元ヤクルトの若松勉さん(通算打率3.19 通算2173安打)のことも忘れてはいけません。

小さい選手が広いスタジアムを所狭しと躍動する様子は、まさに野球の魅力のひとつだと声を大にして言わせてください。今夜の試合も小柄な選手の活躍に胸躍らせましょう。

それではまた!


★山本萩子(やまもと・しゅうこ)
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年より『ワースポ×MLB』(NHK BS1)のキャスターを務める。愛猫の名前はバレンティン

★山本萩子の「6-4-3を待ちわびて」は、毎週土曜日朝更新!