みなさんこんにちは、野球大好き山本です。
今日は野球で使う道具についてお話しさせてください。
自宅の近所には大きなスポーツグッズ専門店があり、野球コーナーがとても充実しています。さすが国民的スポーツだと感じます。
その中でも、グラブが並んだコーナーが私のお気に入り。色とりどりのグラブを眺めていると時間が経つのを忘れてしまいます。先日もその一角に30分くらい佇んでいたら、父がやってきました。どうやらこのあたりに来れば私がいると思っていたみたいで(笑)。
野球の道具は美しいですよね。特にグラブはその美しさと繊細さにため息がでるほどです。
大きさ、形、ポケットから指が出るかどうかなど、そのバリエーションも豊かです。コロナ禍以降は自粛していますが、手にはめてみて感触を楽しんだりすることもありました。もちろん、買ったとしても使う予定はないのですが(笑)。
大人になって改めて野球のグラブに触れると、エルメスのような高級ブランドの革製品と同じような重厚さを感じますし、デザインも昔と比べてかなり洗練されたと思います。
去年、始球式をやらせていただいたのですが、私がキャスターを担当する番組のみなさんがグラブを作ってプレゼントしてくださいました。しかし新品のグラブというのは革がカチカチで、家に持ち帰って「柔らかくなあれ」と呪文をとなえながらハンマーで叩いたことを思い出します。
見ているだけでも美しさを感じますが、やはり野球用品の美しさはその「機能美」。使ってこそさらに美しく輝くものだと思います。
プロの選手が使う道具は、選手自身がカスタマイズしていることがほとんど。選手はみんな道具にこだわりを持っています。そして名手と呼ばれる選手ほど「道具は試合で使ってみないとしっくりくるかわからない」と口を揃えます。試合で使うたび、バットのグリップを1ミリずつ削って調整した選手もいるとか。
余談ですが、ユニークなグリップといえば元ヤクルトの土橋勝征選手でしょう。土橋さんはグリップに土星の輪っかのようにテーピングを巻き付けていたんですが、あれはバットを短く持ってシュアなバッティングを意識するためだったそうです。
メジャーと比べて、日本人選手は道具をとても大事にするイメージがありますよね。小さい頃から、型崩れしないグラブの置き方やバットの手入れの仕方を教え込まれることも関係しているのだと思います。
野球用品は決して安くありません。でも、高価だからという理由で大事にするわけではなく、道具は野球選手の生命線であり、相棒であるから。選手の体の一部といってもいいかもしれません。
印象に残っている道具といえば、始球式でもお世話になった元ヤクルトの岩村明憲さんの赤いバット。ヤクルトの青木宣親選手も赤いバットのイメージが残っています。岩村さんも青木選手も元メジャーリーガーですし、赤いバットは自分をアピールする一つの手段といえるのかも。
先日、母の日にあわせて全球団の全選手がピンク色のバットで試合に臨みましたが、個性的な色のバットはやはり印象に残るものです。
グラブは小さめのものが好きです。MLBのトロント・ブルージェイズのマット・チャップマンは守備の名手として知られますが、彼の使うグラブは手のひらが出てしまうくらい小さい。それでも強い打球も確実にさばきますし、小さなグラブは守備の達人の代名詞、という感じがします。
人気選手のものと同じ型のグローブは、さまざまな種類が市販されています。プロを目指す野球少年から人気の「TK型」という商品は、なんと広島やヤクルトで活躍した小早川毅彦さんの使っていたファーストミットをベースにしているそうです。ギアは年々進化を遂げているけど、現役を引退して20年以上経った今も名前が残るというのはとても素敵なことだと思いました。
ということで、私の夢はいつかキャスターとして「SY(山本萩子)」スタイルを確立すること。
振られた話題は後逸しない、どんなネタでも食らいつく、難しい質問も上手にさばく。番組が盛り上がるチャンスを逃さず、ピンチの芽は早めにつむ。そんな選手、ではなくキャスターに私はなりたいと思った土曜の朝でした。
それではまた次回!
★山本萩子(やまもと・しゅうこ)
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年より『ワースポ×MLB』(NHK BS1)のキャスターを務める。愛猫の名前はバレンティン