暑い日々が続きますね。オールスターも終わってペナントレースもいよいよ折り返し、アツいのは気温だけではありません。

阪神の快進撃に勇気をもらいながらも、内心ヒヤヒヤしているヤ球、ではなかった野球大好き山本萩子です。

今日はスタジアムの座席についてお話したいと思います。

スタジアムで野球観戦をしたいと思ったときに、真っ先に頭に浮かぶのは外野席です。それはきっと、学生時代に友達と一緒に外野席で応援した楽しい思い出の数々があるから。「野球観戦は外野席」という強い思いがあります。

しかし、社会人になって初めて内野席で観戦したときに、同じスポーツなのに場所によってこんなに見え方が違うのかと驚きました。それぞれの席の良さに気づけたのは、幸せなことでした。

学生時代に外野一択だったのは、チケット代が安いことも大きな理由。対戦カードにもよりますが、当日券でも購入しやすいのはやはり外野席です。

私が球場に足を運ぶのは、だいたい試合開始1時間前。コロナ以前は外野席入口の階段を登ると応援団のトランペットの音が聞こえてきて、気分が高揚したものです。今は応援が制限されていますが、それでも熱心なファンの多くは外野席に陣取っています。

いつもの場所にいくと顔馴染みの常連さんが「ここに座りな」と声をかけてくれます。試合が始まると一つ一つのプレーに歓喜し、時にため息をついたりと、ファン同士の一体感も外野席ではより味わえます。

神宮球場は、外野席と選手との距離が近いのがいいですね。カウント毎に少しずつ守備位置を変えたりとか、味方同士で声をかけあっているのも聞こえます。ファンが選手に呼びかけると答えてくれることも。

メットライフ球場の外野席が芝生だったころは、ビールを飲みながら観戦するのが楽しみでした。芝生がなだらかな傾斜になっているのでビールが下に置けず、気がつけばついお酒が進んでしまって......。

また球場に歓声渦巻く光景が戻ってくる日を夢見て......

また、外野席からは球場を俯瞰で見られるのも好きなポイント。テレビで見る野球中継と一番違う視点で見られるのが外野席かなと思います。そして何より「球場に来た!」という感じがします。屋外の球場は夕暮れの眺めもきれいで、私はスタジアムに行くならやはり外野で見たいと思います。

その一方で、席の種類にもよりますが、内野席最大の魅力は試合が見やすいこと。ピッチャーとバッターとの対戦を細かく観察するなら、内野のバックネット裏の、正面から少しずれた位置がベストでしょう。

先日、両親と3人で観戦したときは、バックネット裏の少し一塁側寄りでした。ピッチャーが投げるボールの高さもわかるし、ミットに収まる音まではっきり聞こえて、めちゃくちゃ楽しかったです。

内野席の上段からはダイヤモンドがまるっと見られて、私の大好きな6?4?3をしっかりと堪能できます。より6?4?3を味わうという視点でしたら、一塁側の低めの座席もおすすめ。ランナーと送球が同時に視界に入り、ファーストミットにボールが収まる瞬間までの臨場感をたっぷり楽しめます。

一塁側からは、角度によってサードが躍動する姿も美しく見えます。その昔、MLBの開幕戦が東京ドームで行われたとき、私は一塁側から観戦していたのですが、チャップマン選手の守備姿勢の美しさに感動してファンになったことを思い出します。

もう一つ、一塁側の席をお薦めする理由は、ランナーへの牽制が堪能できるから。牽制がうまい投手のときはまさに当たりといえるでしょう。牽制がうまいヤクルト・石山泰稚投手がマウンドに上がったときはよだれが出そうになります。

石山投手がマウンドに上がるのは試合終盤が多く、そのときのファーストは荒木貴裕選手に代わることが多いのですが、この組み合わせを見るためだけでも内野一塁側に座る価値があると言えます。

と、こんなに熱く語りましたが、どの座席にも良さはあります。なにより、夕暮れにスタジアムで飲むビールのおいしさはどの席でも格別です。ぜひ足を運んでくださいね。

それではまた来週!

★山本萩子(やまもと・しゅうこ)
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年より『ワースポ×MLB』(NHK BS1)のキャスターを務める。愛猫の名前はバレンティン

★山本萩子の「6-4-3を待ちわびて」は、毎週土曜日朝更新!