来季は静岡ダービーが初めてJ2で行なわれることになるけど、それは避けてほしいと語るセルジオ越後氏 来季は静岡ダービーが初めてJ2で行なわれることになるけど、それは避けてほしいと語るセルジオ越後氏

優勝争いと同じか、いや、それ以上に熾烈(しれつ)な争いが繰り広げられている。

今季のJリーグはいよいよ終盤を迎え、J1の残留争いは例年どおりに大混戦。試合ごとに順位が大きく変わり、最終節まで目が離せない展開が続きそうだ。各チームのサポーターには悪いけど、ギリギリの戦いは面白いし、リーグ戦の醍醐味(だいごみ)のひとつだね。

そんななか僕が気になるのは、今週末に直接対決を控える磐田と清水の静岡県勢の2チーム。最近ではそういうイメージも薄れてしまったけど、静岡といえば日本一のサッカーどころ。

昔、僕がサッカー教室で全国を回っていたときも、清水市(現・静岡市清水区)のレベルの高さには驚かされたものだ。多くの学校にナイター照明があって、子供から大人まで皆がプレーしていた。日本のブラジルだと思ったよ。

高校サッカーでも、静岡県勢は毎年のように優勝候補の筆頭に挙げられていたし、多くの偉大な選手が輩出し、日本のサッカーを引っ張ってきた。

Jリーグでもかつては清水も磐田も強かったよね。まだ2ステージ制だった1999年には1stステージを磐田が、2ndステージを清水が制し、チャンピオンシップで静岡ダービーが実現。2試合やっても決着がつかず、最後はPK戦までもつれて磐田が優勝した。両チームの意地と意地のぶつかり合いは本当にすごかった。

そういう時代を知っているだけに、今の状況は寂しい。両チーム共に降格となれば、来季は静岡ダービーが初めてJ2で行なわれることになるけど、それは避けてほしいな。

そして、もう1チーム、僕が気になるのが神戸だ。昨季3位で開幕前の期待も高かった。ところが、開幕から下位に低迷し、一時は最下位に沈んだ。その後、持ち直して降格危機は脱したものの、来季に向けては大きな課題がある。

このコラムでも言ったように、神戸が最下位だったときも僕は残留できると思っていた。チームマネジメントに問題があるのは誰の目にも明らか。ただ、それでも強化にお金をたくさん使っているだけあって、ほかの下位チームよりも選手の質、量で明らかに上回っているからね。

実際、ここにきてチームは上り調子だ。不安定だった守備は大﨑と山口のダブルボランチ起用で安定し、攻撃面も左サイドの汰木が試合を重ねるごとによくなり、チャンスをつくっている。そして、トップの大迫もW杯に向けて調子を上げてきた。

となると、このチームの課題は、来季以降、看板のイニエスタをどうするかだ。失礼な言い方かもしれないけど、彼がコンディション不良で試合に出なくなってからはほとんど負けていない。

イニエスタが出るとどうしても彼にボールが集まるので、相手にとっては守りの狙いを定めやすい。運動量も少ないから、周りの選手の負担も大きい。時折見せるスーパープレーはさすがだけど、それと引き換えにチームとして犠牲にしているものがたくさんあるということ。

38歳のイニエスタの契約期間は残り1年。彼中心のチームづくりはもう難しい。本人もそれは自覚している気がする。その上で来季はどう扱うのか。僕はリードした相手が守備を固めてきたときの攻撃の切り札に適任だと思うけど、神戸の首脳陣がそこまで割り切れるかだね。

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