「ブライトンには悪いけど、三笘がずっといていいチームではないよね」「ブライトンには悪いけど、三笘がずっといていいチームではないよね」

ニュース番組のスポーツコーナーで毎試合取り上げられる選手なんて久しぶりじゃないかな。

カタールW杯直後、日本代表の選手たちは連日メディアに取り上げられ、スポーツ番組やバラエティ番組にもたくさん出演していた。サッカー熱を継続させるために大事なことだし、彼らなりによく頑張ってくれたと思う。ただ、当たり前だけど、選手はピッチで結果を出すことが一番。今の状況を見て、あらためてそう感じる。

カタールW杯が終わり、所属するブライトンに戻った三笘が好調をキープしている。スタメンに定着し、公式戦3試合連続ゴールを決めるなど、レベルの高いプレミアリーグで上位進出を狙うチームにあって、大きな存在感を発揮している。

特にインパクトが大きかったのは、FA杯リバプール戦での決勝ゴールだね。あの右足アウトサイドでのシュートは素晴らしかった。川崎時代から右足のアウトサイドで決定的な仕事をたくさんしてきたとはいえ、あの場面であの落ち着きはたいしたもの。

また、左サイドが持ち場の彼がなぜ右サイドでフリーになっていたのか不思議だけど、調子のいいときにはそういうことが起きるもの。今季は低迷しているとはいえ、リバプールは誰もが認めるビッグクラブ。単なる1点以上の価値があった。

ブライトンは攻撃的なサッカーを志向するチーム。三笘との相性は最初から悪くなかった。それに加えて最近は試合に出る時間が長くなり、重要な試合で点を決め、チームメイトや監督からの信頼が厚くなり、さらにボールも回ってくる。好循環だ。

ただ、ブライトンには悪いけど、もっと上のレベルで三笘がプレーする姿を見たいし、今夏にはぜひビッグクラブへのステップアップを実現してもらいたい。

そのためにも必要なのは目に見える数字(=得点)。彼は純粋なストライカーではないとはいえ、攻撃的なポジションの選手である以上、そこを求められるのは避けられない。シーズン2桁得点(2月15日時点で5得点)がひとつの目安になる。PKを俺に蹴らせろとアピールしてもよいと思う。

もちろん、今後は相手も三笘をさらに警戒してくる。今でもボールを持てば相手DFが2枚で寄せてくるようになっているけど、その中でどれだけできるか。例えば、レアル・マドリードのヴィニシウスは3人がかりでマークされても、突破して、得点を決める。ビッグクラブでスタメンを張る選手とはそういうもの。高い移籍金を払うだけの価値があると思わせなければいけない。

過去にも中田英(ローマ)、香川(マンチェスター・ユナイテッド)、南野(リバプール)とビッグクラブに所属した日本人選手はいたけど、いずれもスタメンの座をつかめなかった。三笘にはその壁を越えてほしいという期待もあるね。

また、3月の日本代表の親善試合も今から楽しみ。クラブと代表は別モノだし、特に負けたら終わりのW杯の舞台で守備的な戦い方を選ぶのは仕方ない。でも、今の三笘の活躍を見たら、森保監督もさすがにベンチスタートにはさせられないだろう。三笘を先発させ、そして、どう生かすのか。次の2026年北米W杯を見据える上でも注目したい。

★『セルジオ越後の一蹴両断!』は毎週木曜日更新!★