みなさんこんにちは、野球大好き、山本萩子です。私の父親は遅い時間に仕事から帰ってくると、食事をしながらテレビから流れる野球のニュースを見るのが日課でした。

応援しているチームが勝つととても嬉しそうで、負けるとその日の試合は無かったことにしていましたが、スポーツニュースを見ている父はとてもリラックスしているようでした。

動画サイトやネットニュースが力を持っている時代ではありますが、本日はテレビの「スポーツニュース」の素晴らしさについてお話させてください。

テレビのスポーツニュースは、私たち野球ファンにとって大きな娯楽のひとつです。一生懸命働いて帰ってきて、夕飯を食べてお風呂に入ったら、ビールをあけてテレビをつける。野球の試合は平日もありますから、中継を見たり球場に足を運ぶのが難しい人にとって、自宅でくつろいで見るスポーツニュースは大きな癒しになっていることは想像にかたくありません。

スポーツニュースの野球コーナーでは、各球団の試合結果とダイジェストが流れます。プロ野球出身の解説者が試合の解説をして、勝負を分けたシーンの説明をじっくりしてくれますから、「なるほど!」と思ったり、すでに結果を知っていたとしても決勝弾などの大事なシーンのリプレイをいろんな角度から見ることができることは、中継と違ったプロ野球ニュースの良さと言えるでしょう。

ひと昔前のヤクルトは強いチームとは言えませんでしたから、シーズン中盤になり上位とゲーム差が開いてくると番組で取り上げる時間が短くなり、ずいぶんと寂しい思いをしたものでした。

しかし現在はAクラスの常連となったおかげで、試合に勝った日はいくつもスポーツニュースをハシゴして試合結果を見ることになります。これは、野球ファンでない人に言わせると「さっきも見たじゃん......」と思うらしいです。どう説明したら納得していただけるのでしょう......勝ったシーンは何回見ても飽きないし気持ちがいいんです。逆に、負けた日はニュースを見ずに寝てしまうこともあります(苦笑)。

日曜に応援しているチームが勝ったら、幸せがちょっとだけ長続きします。なぜなら月曜は試合がないからです。そもそも週に最大6日も試合をやるスポーツって他にないですよね。平日も休日も、好きなチームの結果で一喜一憂できる野球はとてもありがたい娯楽です。

スポーツニュースのいいところは、それまで自分が興味を持っていなかった情報との偶然の出会いをくれることかもしれません。私の父親は野球のことならなんでも詳しくて、「どうしてそんなことまで知ってるの」と聞くと、「新聞やニュースからいろんな情報が入ってくるからだよ」と言ってたんですね。

たしかに、スポーツニュースって自分がチェックしていないチームの動向も目に入りますから、そのおかげでパ・リーグの有望な若手選手を知ることができたりします。まさに「セレンディピティ」ですね。(私はヤクルトファンだから普段はパ・リーグをあまり追いかけていないんです、すいません)

私は野球を見るのも語るのも伝えるのも、やっぱり大好きなようです 私は野球を見るのも語るのも伝えるのも、やっぱり大好きなようです

私が担当している「ワースポ(ワースポ×MLB)」は、野球の中でもMLBに特化した専門的な番組ですが、MLBはチームも選手も多いので、自分だけで情報を追うのってとても大変なんですね。

それでも私たちは30球団をしっかり追って、新しい選手も常に追いかけてみなさんにお伝えできるようにしています。放送時間が足りないくらい、いろんな情報を詰め込んでいます。それはスタッフのMLBに対する情熱の賜物と言えるでしょう。

MLBが放送されているのは平日の昼間なので、リアルタイムで見られる人は限られるでしょう。それだからこそ、私たちが伝える番組ではただのハイライトだけでなく、MLBの魅力を伝えたいと思っています。手前味噌で恐縮ですが、これだけ情報盛りだくさんでファンに対して手厚い番組は他にないと思っています。

証券会社に勤める人にとって「毎朝、日経新聞を読むのは歯磨きと一緒」だそうです。スポーツニュースもワースポも、それくらい当たり前のことになるといいなと思いました。スポーツニュースは働く人にとっての「夜の歯磨き」でありたい。

私はその中で何ができるのかな。甘くないピリッとした、歯磨き粉ではなくコメントで、歯茎ではなく番組を引き締めたいと思います。

プロ野球とMLBの開幕も近づいてきましたね。それではまた来週。

山本萩子(やまもと・しゅうこ)
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。
2019年より『ワースポ×MLB』(NHK BS1)のキャスターを務める。愛猫の名前はバレンティン

★山本萩子の「6-4-3を待ちわびて」は、毎週土曜日朝更新!