昨季と打って変わって好スタートを切った神戸について、「今後気になるのはイニエスタの問題」。昨季と打って変わって好スタートを切った神戸について、「今後気になるのはイニエスタの問題」。

横浜FMと川崎、2強の明暗がはっきり分かれた。

Jリーグ5節まで終了。昨季王者の横浜FM31分け1敗で3位。アウェーの札幌戦(3節)こそ取りこぼしたものの、今季も安定した戦いぶりだ。

外国人選手含めてどの選手もよく走る。ベンチから交代で出てくる選手もしっかり活躍する。特定の選手に頼るのではなく、試合ごとにヒーローが代わるサッカーだ。

実際、今季は昨季MVPの岩田、2019MVPの仲川、2年連続2桁得点のレオ・セアラらが抜けたものの、日本代表に初招集された角田(その後、故障で辞退)や新加入の井上が早速台頭して穴を埋めている。特に水沼と右サイドのポジションを争う井上はスピードがあって面白いね。

この井上に限らず、外国人選手も日本人選手も、ここ数年の横浜FMはフロントの補強の目利きが素晴らしい。今季はアジアチャンピオンズリーグの試合が9月までないし、今のところ不安材料は見当たらない。

一方、川崎は12分け2敗の14位と苦しんでいる。とにかくケガ人が多すぎるね。

開幕前に谷口の抜けた守備陣は、GKチョン・ソンリョンを中心になんとか大崩れせずに踏ん張っていると思う。ジェジエウや登里などケガ人が戻ってくれば安定するだろう。

それよりも気になるのは、このチームの売りである攻撃だ。以前のように点が取れなくなった。レアンドロ・ダミアンの復帰待ちだとしても、それですべてが解決するかは微妙。彼は昨季5点しか決めていない。必ず活躍してくれるという保証はない。その意味でストライカーの補強は必要だと思う。早く動いた方がいい。チアゴ・サンタナ(J2清水)とか、それくらいインパクトのある選手が欲しいね。

そのほかでは福岡、京都、新潟といったチームの健闘が目につくけど、全体を見れば今季も混戦という印象。

4勝1敗と好スタートを切った首位の神戸にしても、まだまだわからない。ベテランの大迫、武藤、山口、酒井、新加入の齊藤らが頑張っているけど、優勝を狙うにはもう少し選手層の厚みが欲しいところ。

あとはイニエスタの問題。もうすぐ故障から復帰する彼をどう扱うのか。以前と比べて衰えは明らか。昨季限りで引退してもおかしくなかった。それでも三木谷オーナーのお気に入りのイニエスタはスタメンで使わなければいけないのか。それでチームが勝てなくなったらどうするのか。大物だけに扱いが難しい。

ちなみに、新たなスタートを切った森保ジャパンにはJリーグから7人が選出された。西村は横浜FMでのプレーぶりを見れば納得だし、また、FC東京で長友からポジションを奪ったパリ五輪世代のバングーナガンデの抜擢も世代交代としてわかりやすい。

森保監督はJリーグでプレーする選手たちに対して「国内組もちゃんと見ているよ」と、いいメッセージを発したと思う。

個人的には町野(湘南)にストライカーとしての魅力を感じている。今回は代表に招集されなかった小川航(横浜FC)もそう。ふたりともチームが強くないので決定機が少なく、前線で孤立する時間も長いのによく得点を取っている。いい選手だよ。今後もその調子でJリーグを盛り上げてほしい。

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