楽天・石井監督は世代交代が停滞するチームの指揮に苦慮。しかも過去のデータを見ると楽天は交流戦に強くない 楽天・石井監督は世代交代が停滞するチームの指揮に苦慮。しかも過去のデータを見ると楽天は交流戦に強くない

2005年に始まり、今年で18回目となるプロ野球セ・パ交流戦が5月30日に開幕する。パ・リーグがほぼ上位を独占していた時期もあったが、実はここ2年はセ・リーグが全体成績で勝ち越している。対戦相手が変わり、流れも変わる約1ヵ月の戦い。注目しておくべきキーポイントはここだ!!(プロ野球交流戦はここを見逃すな!全3回/第3回目)

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■名古屋方面では後任候補の名前も

開幕からここまで好材料が少なく、リーグ最下位に沈んでいる楽天と中日。

まず楽天について。石井一久監督は就任3年目の今季、GM兼任をやめ現場指揮に専念しているが、苦境の理由をスポーツ紙デスクが解説する。

「主力選手の高齢化が顕著で、彼らの調子が軒並み上がってこない。また、外国人選手もハマらず、若手は伸び悩んでいる。典型的な〝旬を過ぎたチーム〟になってしまっています。

これは球団戦略の問題なので、決して石井監督ひとりの責任とはいえませんが、チーム刷新のために今季限りで退任する可能性は小さくありません」

立浪監督率いる中日はチーム得点数、本塁打数、失策数がいずれも12球団ワースト。野手陣の状況はかなり深刻だ 立浪監督率いる中日はチーム得点数、本塁打数、失策数がいずれも12球団ワースト。野手陣の状況はかなり深刻だ

一方、21年秋の就任発表時には地元・名古屋で号外が出るほどの大騒ぎとなった中日・立浪和義監督。しかし1年目は最下位、2年目の今季も期待に応えられない戦いぶりが続く。

「打線の不振は深刻で、打撃コーチに任せず立浪監督が直接指導した選手も結果が悪ければすぐ2軍に落とすなど、マネジメントもちぐはぐな印象です。

また、監督自らドミニカ視察に赴いて獲得したアルモンテを含め、外国人野手もすでに全員2軍落ちさせられている。もちろん選手が打てないのも悪いですが、さすがに気が短すぎるのでは......。チームの雰囲気も正直、沈んでいますね」

そんな内情もあって球団OBからも采配に関する批判があり、すでに水面下では今季限りで退任との噂も......。

「球団フロント内部では和田一浩打撃コーチの評価が高く、早くも次期監督候補として浮上しつつあります」

このまま交流戦でも負けが込むと、Aクラス入りは極めて厳しくなる。

逆に、開幕直後の低迷から光が見え始めているのが、新球場で初の交流戦を迎える日本ハム。ところが、前出のスポーツ紙デスクはこう嘆く。

「期待していたほど観客の入りがよくないんです。エスコンフィールド北海道は最大3万5000人収容ですが、3万人を超えたのは開幕カード3試合だけ。2万人を切る試合も珍しくありません。

交流戦は阪神、広島など人気球団との主催試合が予定されていますから、稼ぎ時となればいいのですが、もし変わらず2万人程度に終われば球団も頭を抱えることになります」

ちなみに日本ハムでは今オフ、右のエース・上沢直之がポスティングで、左のエース・加藤貴之もFAで流出が濃厚。就任1年目ほどの話題性を提供できていない新庄剛志監督の去就はどうなる?

「当初は短期間で自ら辞めるだろうとの予測が多かったのですが、本人は来季も続投する意思があるようです。球団ももし今季また最下位に終わったとしても、別の人材を求める気はない。

前任の栗山英樹監督に10年任せたように、やりたいだけやってもらおうという考えのようです」

ここにきて順位を上げている巨人の原 辰徳監督も、5月上旬まではチームの低迷から去就に関する話が飛び交っていた。交流戦でコケてしまえば再びそんな状況に?

「原監督は来季まで契約を残しており、何より編成権も自ら握っています。もし監督辞任となっても、GMとしての権限は保持し、後継を指名することになるはず。どう転んでも影響力が残ることは間違いないでしょうね」