日本人選手が上位に名前を連ねる今季の得点ランキング。鈴木、小川航、町野など大迫以外の中堅、若手選手にはさらなる奮起を期待したい。日本人選手が上位に名前を連ねる今季の得点ランキング。鈴木、小川航、町野など大迫以外の中堅、若手選手にはさらなる奮起を期待したい。

今季のJリーグの得点ランキングを見ると、大迫(神戸)をはじめ日本人選手の頑張りが目立つね。

昨季得点王のチアゴ・サンタナ(清水)はJ2でプレーしていて、一昨季得点王のレアンドロ・ダミアン(川崎)も故障を抱えているなど有力な外国人ストライカーが減った状況はあるにしても良いことだ。

首位の大迫はさすがの決定力を見せている(11点、第15節終了時点。以下同)。昨季は故障やコンディションの問題を抱え、試合に出たり出なかったりと苦労していた。なんとかカタールW杯に間に合わせたいと無理をしていた部分もあったのだろう。

それが今季は開幕からキレのある動きを見せ、継続的にゴールを重ねている。

本人の状態はもちろん、チームの状況も追い風だ。昨季までの神戸は中盤でじっくりパスをつなごうとしてうまくいかず、FWにいい形でパスが入ることが少なかった。

でも、今季はボールを奪ったら速く攻めるサッカーに変え、それがハマって第2節から首位をキープしている。特にサイドからの崩しは大きな武器。右の武藤、左の汰木は共に大迫との連係もよく、いい仕事をしているね。決定機は多いし、ケガやコンディションの問題さえなければ大迫が得点王の本命だろう。

ただ、いくら実績があるからといって、ベテランの大迫に簡単に得点王を取らせていいのか、という話だよね。若い日本人FWにも頑張ってもらって、30周年のJリーグをもっともっと盛り上げてほしい。

その意味で、まず期待したいのは鹿島の鈴木(8点)。技術があって右足でも左足でもヘディングでも点を取れる。運動量もハンパない。そして何より負けん気が強い。

第13節の名古屋戦では、点を決めた後に審判をにらみつけて物議を醸していたけど、あんなことをする日本人はなかなかいないよ(笑)。ボールに唾を吐いたジーコを思い出した。実力も含めて、今のJリーグでは貴重なエンターテイナーだよ。

序盤低迷したチームを4試合連続ゴールで救ったのも彼だし、岩政監督は彼に頭が上がらないと思う。

札幌の浅野(8点)の活躍はちょっと意外だった。お兄さん(拓磨)ほどスピードはないけど、今季加入した札幌の攻撃的なスタイルに合っている。右サイドの金子がいいパスを出してくれるし、今はゴールを重ねるごとに自信をつけている印象だ。

一方、あまりチャンスに恵まれていないのが湘南の町野(7点)と横浜FCの小川航(6点)。物足りなさを感じている人もいるかもしれないけど、あのチーム状況(それぞれ17位、16位)でよく点を取っていると思う。むしろもっと評価すべき。

ただ、ふたりともいいストライカーだから期待したいけど、得点王となるとちょっと厳しい。もっと強いチームにいれば、たくさん点を取れると思うんだけどね。いずれにしても、FWは結果がすべて。今後のキャリアを考える上でも、PKはもちろんFKも蹴ったほうがいい。

そのほかでは、FWではなくトップ下の選手だけど、新潟の伊藤(7点)はいいものを持っているね。技術が高いのはもちろん、それ以上に試合を決めるゴールを決めているのが素晴らしい。当然、今後も注目だろう。

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