「結果は悪くない。でも、攻撃的なサッカーもできるようにという宿題には手をつけられなかった」。 「結果は悪くない。でも、攻撃的なサッカーもできるようにという宿題には手をつけられなかった」。

エルサルバドルとペルーは3月に対戦したウルグアイ、コロンビアほど強くない。そういう相手の守備をどう崩して点を取るか。そこに注目していた。

結果は6-04-12試合続けての大勝。上出来だ。ただ、内容については正直、評価するのが難しいね。

まず、エルサルバドル戦は前半3分に相手CBが一発レッドで退場。開始早々に試合が壊れてしまった。そもそも日本のほうが力関係では上なのに、相手はさらにひとり少なくなって打つ手なし。自陣に押し込まれるばかりで、逆に日本にとってはW2次予選などでよくある一方的に攻め続ける展開になった。

だから、日本の選手が皆うまく見えた(苦笑)。もちろん、それについては選手にも森保監督にも責任はない。マッチメイクをした日本サッカー協会も悪くない。

あえて言うならレフェリーかな。親善試合なんだから、レッドカードではなくイエローカードでよかったのに。空気を読んでほしかったね。大事な強化の機会を無駄にした。

続いて対戦したペルーは歯応えのある相手だった。ポゼッション(ボール支配率)で日本を上回っていたし、本数は多くないものの、チャンスも作っていた。そういうレベルの相手と戦えて、4-1で勝ったのはよかった。

ただ、今の日本代表が目指す攻撃的なサッカーというよりは、昨年のカタールW同様のしっかり守ってカウンターというサッカーだったのが気になるね。ボールをキープして分厚い攻撃を仕掛けるという感じではなかった。

森保監督はよく「いい守備から、いい攻撃」と言うけど、僕から見れば、ペルー戦は「いい守備から、いいカウンター」で、カタールW杯からそんなに変わっていない。

もちろん、サッカーは相手あってのスポーツ。点差をつけても、ペルーはひるまずにどんどん攻めてきた。そこでカウンター狙いになるのは効率的だし、決して悪いことではないんだけど、攻撃的なサッカーも出来るようにという宿題には手をつけられなかった。

結局、そこを突き詰めていかないと、W杯ベスト8は難しいからね。4-1で勝っても、手放しでは喜べない。

選手個々で見ると、悪い出来の選手はいなかった。久保が言っていたように「みんなハッピー」だった。

そんな中でも、僕が一番評価したいのは右SBの菅原。3月の2試合では攻撃面でのアピールに成功した一方で、守備面での不安を感じさせた。でも、今回の2試合では、運動量が多く、球際も激しく、相変わらずパスもうまかった。今後も注目したい選手だ。

そして、期待通りのプレーを見せたのが三笘。カタールW杯ではスーパーサブだったけど、今は誰もが認めるエース。ペルー戦では90分間フル出場し、何度も決定的なチャンスを作った。ブライトンでの活躍は伊達じゃなかったね。貫禄があったよ。

一方で、気になった選手というか、気になったポジションはワントップ。上田、古橋、前田と候補はいるけど、結局、誰も一歩抜け出せなかった。

11月から2026年北中米W杯のアジア2次予選が始まると、その後は強化試合をほとんど組めなくなる。

その意味でも9月に行なうアウェーでのドイツ戦は貴重。ここでカタールW杯の時とはひと味違うぞ、攻撃的なサッカーも出来るんだぞというところを見せてくれることに期待したい。

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