「選手層が厚いので、9月以降の過密日程も乗り越えられるんじゃないかな」「選手層が厚いので、9月以降の過密日程も乗り越えられるんじゃないかな」

夏の中断期間を目前に、JリーグJ1)は上位陣の顔ぶれが固まってきた。

まずは首位の横浜FM。優勝した昨季同様に安定した戦いぶりだ。2点以上奪う試合が多く、23年前の川崎を思い出させるような圧倒的な攻撃力も見せている。上位陣の中でも力は抜けていると思う。

もともと選手層は厚い。それに加えてマスカット監督の采配もいい。スタメンをある程度固定しながらも、5人交代枠をフル活用してうまくローテーションしている。途中交代の選手もしっかり持ち味を発揮しているし、この暑さの中でも選手のコンディションが落ちていない。

得点王ランキングの首位を独走するアンデルソン・ロペスの活躍が目立っていて、実際、彼は素晴らしいストライカーだけど、試合を観ればわかるように、今の横浜FMは決して誰かひとりに頼るサッカーをしていない。彼の得点はあくまで周囲のお膳立てがあってこそだ。

もし万が一、アンデルソン・ロペスがケガで離脱したとしても、誰かが穴を埋めるんじゃないかな。それくらい選手層は厚いし、AFCチャンピオンズリーグが始まる9月以降の過密日程も乗り越えられると思う。はっきり言って、今後も不安要素は見当たらない。連覇の可能性は十分あるね。

6月上旬まで首位をキープしていた神戸は、ここに来て少し勢いがなくなった。横浜FMに比べると、主力にベテランが多く、選手層も薄い。暑さによる息切れもあるだろう。

大迫や武藤、山口など元日本代表の選手たちは相変わらず質の高さを見せているけど、彼らの負担が大きすぎる。それを減らすための補強が必要だと思う。何しろ今季の神戸は、スタメンで試合に出ている外国人がDFトゥーレルほぼひとり。それでは厳しいよ。

イニエスタも退団したことだし、三木谷会長には外国人でも日本人でもいいから、後半戦の目玉となる補強を期待したい。

名古屋はユンカー、マテウス、永井の前線3人が強力だね。オランダから前田の復帰が決まったのも、その3人を補う意味で大きなプラス。

中盤では和泉や森下が存在感のあるプレーを見せていて、GKランゲラックも相変わらず安定している。長谷川監督は昔から手堅いサッカーをする監督。今後も大崩れすることはないんじゃないかな。

ACL王者の浦和は、堅い守備をベースに徐々に順位を上げてきた。DFのショルツとホイブラーテンは高さも強さもあり、GK西川を含めた最終ラインはJリーグ屈指。

それとは逆に攻撃面は物足りない。最前線でベテランの興梠が頑張っているけど、彼ももう30代後半。さすがに限界がある。

その意味で、先日バルセロナから安部を獲得したのは、話題性もあって面白い。ただ、彼は故障で長くプレーしていなかったので、どちらかといえば、来季以降を見据えての獲得だろう。

シーズン後半のカギを握るのは3月に加入したカンテだね。ほかの前線の外国人選手が振るわない中、彼が助っ人らしく点をたくさん取れるかどうか。それ次第じゃないかな。

横浜FMの優位は揺るがないけど、そのほかのチームもなんとか最後まで食らいついていって、リーグを盛り上げてほしい。

●セルジオ越後 
1945年生まれ。72年の来日以降、指導者・解説者として活躍。活動の詳細は『セルジオ越後 オフィシャルサイト』にて

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