大谷翔平選手のホームラン王争いが注目を集めるメジャーリーグ。現地時間7月11日にはシアトルでオールスターゲームが行なわれましたが、私はその取材で現地にお邪魔させていただきました。

人生初のアメリカ上陸は本当に素晴らしい体験でした。今回は中継では語れなかった、個人的観戦記をお届けします。せっかくなので、写真を多めにお送りしますね。

これだけ仕事でメジャーのことをお伝えしながら、アメリカで野球を観戦したことがないことが、実はずっと気になっていました。私がキャスターを担当する『ワースポ×MLB』(NHK BS1)の取材で、初めてメジャーの本場に行ける機会をいただけたことは、本当に感謝しありません。

球場に足を踏み入れたときの興奮をどう伝えたらいいのでしょう。球場に入った瞬間、思わず体が震えました。美しい芝生に、大勢の観客。あの、鳥肌が立つほどの感動を忘れることはないでしょう。

印象的だったのはファンの野球愛です。球場全体が一体となり、試合を盛り上げようとする観客は、オールスターゲームの"もうひとりの主役"でもあります。

試合中は常に歓声が上がっていましたが、ここぞという場面では100%盛り上がって選手を後押しします。ノリがいいのもありますが、試合を楽しむ努力をしているんだと感じました。

現地では、日本の報道との温度差も感じましたね。私たちはついつい、日本人選手ばかりに注目してしまいますが、今回のオールスターでは地元シアトルの英雄であるフリオ・ロドリゲスが大きな注目を集めていました。

フリオが出てくるだけで会場の空気が変わります。シアトルファン以外も、フリオが出てくると敬意を表して拍手喝采。逆に「サイン盗み問題」で球界の"悪役"となったアストロズの選手には、ファンから大ブーイング。といっても、本気の憎しみというより、プロレスのヒールレスラーが出てきたときのようなショー的要素がありました。

ほかにも、試合を盛り上げるためにジェット飛行機が球場の上を飛んだり、花火が上がったり、観客との一体感を楽しむために、あえて間を作ったり......ショーとしても非常に完成度が高かったです。

シアトル到着後すぐ、そのまま球場へ。初めて生で見るTモバイルパークに、外観から感動。シアトル到着後すぐ、そのまま球場へ。初めて生で見るTモバイルパークに、外観から感動。

試合前日のホームラン競争は、みんなが選手の一挙手一投足に注目する感じがたまりませんでした。打球がどんどん飛んでくるから気を抜けないのもありますが、みんなで同じドラマを見ているような感じです。翌日の試合になると、一転して観客席はリラックスムード。仲間とワイワイしながら観戦しているのが「アメリカらしいなあ」と微笑ましかったです。

オールスターが行われたシアトルの街も素敵でした。海と煉瓦の建物が並ぶ雰囲気は、どこか私の地元・横浜に似ていて、アメリカにありながら日本の港町を彷彿とさせました。シアトルが日本人に親しまれている街なのがよくわかります。

イチロー選手のマリナーズ時代のユニフォームを着たファンもいましたね。現地でインタビューをした際も、「日本から来た」というと好意的な対応をしていただくことも多く、あらためてイチロー選手の偉大さを感じました。

そして、日本で大きなニュースになった、大谷選手に対する「カムトゥーシアトル(シアトルに来て)」のコール。地元の選手が大きな声援を受ける中で、大谷選手へのコールが観客席から自然に沸いたときはびっくり。

そのとき私は外野にいたのですが、「大谷、ここでやろう!」という親しみを込めた声援はとても素敵だと思いました。現地のベテランスタッフも「あんなコールは初めて聞いた」と言っていましたから、大谷選手への注目度はやはり高いのでしょう。

中継などで終始バタバタしていて、しっかりと試合は見られなかったのですが、あの空間で、あの空気を吸えてよかったと心の底から思います。

ちなみに、私は今回の取材期間中(7月7日~14日)、1時間睡眠の毎日でしたが、ホテルの部屋でひとり晩酌をするのが楽しみでした。まだ前のものを飲みきっていないうちに、ホテル近くのスーパーで新しくビールとワインを買っていたら余ってしまって......帰りのフライトで、お酒を詰めた荷物がオーバーウェイトしたのもいい思い出です(笑)。

ということで、『ワースポ×MLB』も引き続きよろしくお願いします。それではまた!

★山本萩子(やまもと・しゅうこ)
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。
2019年より『ワースポ×MLB』(NHK BS1)のキャスターを務める。愛猫の名前はバレンティン

★山本萩子の「6-4-3を待ちわびて」は、毎週土曜日朝更新!