早くも優勝マジックを点灯させた阪神・岡田監督。独特の野球勘は健在だが、周囲が恐れるキャラのほうは......詳細は本文よ、おーん 早くも優勝マジックを点灯させた阪神・岡田監督。独特の野球勘は健在だが、周囲が恐れるキャラのほうは......詳細は本文よ、おーん

毎年猛暑となるこの時期だが、プロ野球界では少しずつチームの順位や個人成績のメドが見え始め、人事や契約の噂話が飛び交う「怪談」の季節。特に今年は代表監督人事やら、不祥事の処遇やらの話題も加わって、取れ高抜群です。

それでは、現場で日々取材する記者の皆さんによる「秘」ネタ乱発の覆面座談会、スタート!

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■浮かんでは消える代表監督候補の名前

5月下旬に書類送検され、現在は検察の判断を待ちながら自主練習を続けている西武・山川。今季中の1軍復帰の可能性は限りなく低いようだ 5月下旬に書類送検され、現在は検察の判断を待ちながら自主練習を続けている西武・山川。今季中の1軍復帰の可能性は限りなく低いようだ

スポーツ紙デスク 今回のお題は「怪談」ということで、まずは今年5月に強制性交容疑で書類送検された西武の山川穂高の話から。前年に本塁打王を獲(と)った主砲の現状そのものが、球団にとっては〝怪談〟みたいなものだ......。

記者A リハビリ組のような扱いで自主練習は続けているようですが、どうも今季の1軍復帰の目はなさそうです。

記者B 今は検察の判断待ちだけど、起訴なら解雇はほぼ確実で、他球団も最低1年は手を出さないはず。独立リーグなどで1、2年プレーし、〝みそぎ〟の雰囲気になれば、その後はわからないけど。

記者C 不起訴でもトレードでの放出は濃厚で、すでに渡辺久信GMが水面下で他球団と交渉に入っているようです。

デスク 確かに親会社の西武グループには、もう西武のユニフォームを着せるわけにはいかないという空気があるね。

 となると、次の関心事は移籍先ですね。なるべく同一リーグには出したくないでしょうから......やっぱり巨人?

 でも、2021年に球団内の不祥事レベル(同僚への暴力行為)だった中田 翔を日本ハムから獲ったときでさえ、ずいぶん世論から叩かれた。中田、岡本和真と守備位置が重なることも含め、山川を獲るとは思えない。

 となると同一リーグですけど、ありえるのはソフトバンクですか。もともと山川がFAで行きたがっていた〝意中の球団〟だけに、こんな経緯で入団するとなれば、なんだかなあという感じです。

デスク 次は侍ジャパンの次期監督人事。この記事が世に出る頃にはもう発表されているかもしれないけど、それまでの裏話をすると、いまだにメディア各社は確たる情報を持っていない。これほど「ふたが開くまでわからない」のも一種の怪談だ

 6月にごく一部のメディアが、工藤公康・ソフトバンク前監督が内定と報じましたよね。ところがその後、断ったらしいとか、コーチ人事で合意できていないとか、いろんな噂も流れた。

 高橋由伸・巨人前監督が濃厚という説もあったけど、やっぱり「断った説」もある。

 表に出ていない話は、工藤氏より前に、NPBが本気で松井秀喜氏(元ヤンキースなど)に就任要請をしたらしいことですね。結果、断られはしたけれど、正式に要請したこと自体が初めて。

デスク じゃあ、やっぱり本命は「工藤ジャパン」かな。

 工藤氏がご破算になったときのための〝保険〟として、桑田真澄・巨人ファーム総監督にも打診が行っているとか。

 名前にサプライズ感はある一方、巨人での現状を考えると妙にリアリティもある。昨季は投手チーフコーチとして1軍ベンチにいたけど、原 辰徳監督と野球観が合わず、原政権下では浮いた存在になってしまっているから。

 それを見かねた読売グループの幹部が、代表監督に推していると。確かに読売新聞はWBCの共同主催者ですし、桑田氏はメジャー経験もある〝選手ファースト〟の指導者として、選手受けもメディア受けも問題ないでしょう。

デスク もうひとり〝大穴〟として時折、名前を聞くのが、井端弘和・U-12侍ジャパン監督。トップ代表のコーチ歴もあるし、巨人でのプレー歴・コーチ歴もある。とはいえ、基本的には中日カラーの強い野球人だよね。

 中日新聞内では「ウチから代表監督を」という〝井端支持派〟も多いみたいです。

 中日球団からもコーチ就任の打診はあると聞く。本人にもその気がないわけではないけれど、今の立浪和義政権があの体たらくだから、近しい関係者が「泥舟に乗る必要はない」と、慎重になっているようだね。

 監督次第で一緒にクビを切られるコーチではなく、いきなり監督になれるオファーを待て、と。そう考えると、このタイミングでの代表監督就任は悪い話ではないですね。

■阪神が好調でみんな助かってるよ、おーん

WBC優勝監督として精力的にメディア出演などに飛び回っている栗山氏(写真は夏の甲子園の始球式)。年末は紅白歌合戦のゲスト審査員? WBC優勝監督として精力的にメディア出演などに飛び回っている栗山氏(写真は夏の甲子園の始球式)。年末は紅白歌合戦のゲスト審査員?

デスク 一方、すっかり〝国民的上司〟となった栗山英樹・前代表監督には、巨人の次期監督という声がちらほら。

 選手として他球団でプレーしていた監督の就任となれば球団史上初ですが、今なら集客力は抜群。そして何より、現場を退いてもGMとして編成トップに残る可能性が高い原監督との関係もいいですからね。

 栗山氏に3年くらい任せ、チームが若返った状態で、あらためて阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチや高橋氏にバトンを渡す、と。

 ただし最大の問題は、果たして契約期間を1年残した今オフの段階で、原監督が勇退するかどうかですね。

デスク やっぱり最終順位次第でしょ。若手もあまり伸びず、勝てもせず、と言われているけれど、形だけでもAクラスに入って、CS(クライマックスシリーズ)で「格好がつく戦い方」をしたら、留任になるだろうし。

 明らかにチームはマンネリの頭打ち状態に見えますけどね。読売グループには今、原監督の首に鈴をつけられる人物がいない。これが最大の怪談です

 桑田氏の話にしても、少数派の〝反原派〟が担ごうとしているわけで。

 代表監督の実績ができれば、巨人での監督就任の目はグッと上がりますから。

デスク 対照的に、マジックも点灯して〝アレ〟(リーグ優勝)がほぼ当確状態の阪神には怖い話なんてなさそう。

 それがですね......。岡田彰布監督が......。

デスク ん?

 ......妙に優しいんですよ。

 怖っ!!

 それは怪談だ。

デスク 年取って丸くなったのかなあ。

 阪神での前政権時は、1年持たなかった監督付きマネジャーもいました......。

 オリックス監督時代も、キツさに耐えかねて精神的に参ってしまったコーチが......。

 まあでも、あくまでも「前に比べれば」優しいというレベルですよね。

デスク 今も若い担当記者連中は、毎日怒らせないように腫れ物に触るような取材姿勢だっていうよ(苦笑)。

 岡田監督の「野球IQ」の高さは、現役監督の中では随一でしょうしね。周囲への要求レベルも高い。

 今は単純に勝っていて機嫌がいいのもありそう。もしここから大連敗して2位、3位と落ちようものなら......。

 頑張れタイガース! みんなのために!

■バウアー争奪戦でマネーゲームに?

デスク 監督問題でいうと、藤本博史監督に代わって弱くなったといわれてしまっているソフトバンク。SNSでは「工藤を呼び戻せ」なんて声も......。

 世代交代の時期というのを差し引いても、野球の細かさ、手堅さがなくなりました。急にこんなに弱くなるんだ......という怖すぎる実例。

 一応Aクラスにはいる(8月17日時点)けど、あの12連敗なんて少し考えられない内容。

 球団内では小久保裕紀2軍監督と入れ替える案もあるようですが、彼の評判もイマイチ。昭和スポ根精神論タイプで、若手がとてもついてこないと(苦笑)。

現役続行のために巨人入りした松田だが、1軍どころかファームでも成績は芳しくない。引退なら指導者としてソフトバンク復帰の可能性大 現役続行のために巨人入りした松田だが、1軍どころかファームでも成績は芳しくない。引退なら指導者としてソフトバンク復帰の可能性大

デスク そんな中、ささやかれ始めたのが松田宣浩の復帰説。昨オフ、コーチ就任要請を蹴って退団し、巨人に入団したものの、2軍ですら結果を出せていないのが現状。本人はそれでも腐らず、元気に練習しているようだけど。

 引退ならソフトバンク復帰はすでに〝内定〟と聞きますが、問題はポストですね。球団はコーチ、松田サイドは監督を希望しているとか。

 最近は指導者経験ゼロでいきなり監督というケースもあるけど、常に優勝を求められるチームではさすがに厳しいんじゃない?

 ただ、誰より今のチームや選手を知っているし、周囲を固めるコーチ陣次第では面白いかもしれませんよ。何よりファンは盛り上がる。

デスク いずれにしても最終決断は孫 正義オーナーの専権だけど、オーナー自身は一度、外国人監督に任せてみたいという意向もあるらしいね。メジャー並みの4軍編成で選手育成の基盤ができたところで、本場で経験を積んだ実力派の指揮官を招きたいと。

 これまた、お金がかかりそうな話(笑)。

 あの球団は予算が問題にならないから。今季、ロッテから年俸6億5000万円(推定、以下同)で抑えのオスナを獲得したときも、球団幹部がお伺いを立てたら、オーナーは「そんな(安い金額の)話をいちいち持ってくるな」という反応だったとか。

 まさにメジャー級。

田中将大がNPB最高額の年俸9億円(2年契約)で楽天に復帰したのが2021年。それからわずか2年で、仙台財界には不穏な噂が...... 田中将大がNPB最高額の年俸9億円(2年契約)で楽天に復帰したのが2021年。それからわずか2年で、仙台財界には不穏な噂が......

デスク 逆に資金面の問題が深刻なのは、モバイル事業の苦戦で親会社の赤字決算が続いている楽天だね。

 田中将大は日本球界復帰時の契約が年俸9億円(2年契約)でしたが、今季は年俸半減で1年契約。投球内容を考えても、来季はさらに下がりそうです。

 それどころか、球団の先行き自体が不透明だよ。仙台の経済界では、身売り関連の噂がちらほら出始めている。

 これは本当の怪談ですね......。すべては三木谷浩史オーナーの腹ひとつですが、かつてほどIT企業が球団を保有するメリットは大きくないとの声もある。もし身売りとなっても、次は他業種かも。

中4日が好きで、平均7回は投げてくれて、人気も抜群なDeNAの超優良助っ人バウアー。1年契約ゆえオフに向けて去就が騒がしくなりそう 中4日が好きで、平均7回は投げてくれて、人気も抜群なDeNAの超優良助っ人バウアー。1年契約ゆえオフに向けて去就が騒がしくなりそう

デスク 同業種つながりでいえば、DeNAでは鳴り物入りで獲得したバウアーが、ピッチングだけでなく親日派のキャラでもずいぶんファンを増やしたね。

 性的暴行疑惑(司法では不起訴)でメジャーを追われた身だっただけに、球団も相当腹をくくっての獲得でした。しかし、ふたを開けてみればバッシングはほぼ皆無。

 ただ、これだけ活躍しても、メジャー復帰はやはり厳しそう。つまり当面は日本に骨をうずめるしかない形だけど、来季はどうなるのかな。

 今季は年俸4億円ですが、実はこれ、大型契約期間中に解雇した前所属のドジャースがかなりの額をバウアー側に支払っていたからこその格安契約。となると、来季の年俸がどこまで跳ね上がるか考えるだけでも怖い。

デスク すでに代理人と各球団が接触しているだろうし、マネーゲームになるかもね。

 本命はやはりソフトバンク。それと阪神も噂には上っています。

 巨人はもう、大枚はたいて超大物を獲るような球団予算はないだろうね。

 ただ阪神の場合、アメリカでの問題が親会社や株主にどう受け止められるかという問題はあります。

デスク 阪神といえば、岡田監督がサインなどの情報漏洩を疑っていて、かつて選手として在籍していた広島の新井貴浩監督が「クサい」と推理している......的な話を『週刊文春』が記事にしていた。まさかねえ。

 確かに怪談としては面白いですが、そもそも新井監督は作戦面にあまり関与していないみたいですよ(笑)。

 打順や投手起用など、基本的には藤井彰人ヘッドコーチがほとんどすべてを担っているんでしょ?

 逆転してガッツポーズしている監督のユニフォームを引っ張って、「次の投手は○○、守備変更は□□で」と指示を出しているのが藤井コーチですね(笑)。

デスク ほっこりする話題が出てきたところで、今日はおしまい。では皆さん、またシーズンオフの球団人事に向けて取材頑張りましょう!