みなさんこんにちは、野球大好き山本萩子です。先日行なわれたドラフト会議は今年も話題になりましたね。

私が注目したのは、支配下選手たちの指名の後に「育成指名」された選手たちです。育成指名とは、実戦よりも育成を主目的とした選手契約のための制度で、育成期間中は一軍の公式戦に出場できません。本日は、2023年のドラフトで50人が指名された育成契約についてお話ししたいと思います。

メッツの千賀滉大投手の活躍が止まりません。新人王(MLBの「アウトスタンディング・ルーキー」)の行方も気になりますが、29試合に登板して12勝7敗、防御率2.98、202奪三振という素晴らしい成績でメジャー1年目のシーズンを終えました。

7月にはメジャーのオールスターにも選出された千賀投手。その時に、「プロ野球の育成出身選手初のMLBオールスター選手」になったことが話題になりました。
 
そんな千賀投手を筆頭に、近年のプロ野球では育成出身選手の活躍が目立ちます。

千賀投手が育ったソフトバンクは育成力に定評がありますが、甲斐拓也捕手、周東佑京選手、牧原大成選手などが育成から這い上がって実績を残しています。また、日本シリーズでも見事なピッチングを披露しているオリックスの宇田川優希投手、阪神の島本浩也投手も育成出身です。先人たちの活躍により、最近は育成選手も大きな注目を集めるようになりました。

今年のドラフトで個人的に注目していたのは、ENEOSの度会隆輝選手。お父さんは"燕戦士"だった度会博文さんで、私の地元・横浜のDeNAにドラフト1位で指名されたこともあり、今後も応援をしたいと思います。

漫画『ドラフトキング』を読んだからかもしれませんが、ドラフトを見る目も以前と変わりました。チーム編成の事情や、スカウトの眼力なども気になるようになりましたし、ソフトバンクに代表されるように、育成が機能しているチームはやはり強いなとあらためて思いました。

みなさんの2023年ドラフトの推し選手も教えてくださいね。 みなさんの2023年ドラフトの推し選手も教えてくださいね。

先日、お笑いコンビ・ティモンディの高岸宏行さんと仕事をしたときに、済美高校時代にヤクルトから調査書が届いたことを教えてもらいました。「育成指名するかも」とお声が掛かったそうですが、怪我もあり、大学を経由してドラ1を目指す選択をされたそうです。

ドラフト選手には契約金が支払われますが、育成選手には契約金より金額がだいぶ少ない「支度金」を受け取ります。ただ、育成選手が支配下登録される際は再契約金がもらえると聞きます。

育成指名される選手に対する個人的な感想ですが、遠くまで打球を飛ばす能力や、際立った変化球を投げるなど、"一芸"に秀でた選手が多い印象があります。いい意味で荒削りといいますか。

育成とは話題がズレますが、ひとつの能力に長けた選手として、メジャーにはカイル・シュワーバーというフィリーズの選手がいます。

今シーズンの彼は打率は1割台(.197)でしたが、47本塁打、104打点と抜群の長打力を誇ります。打順は1番で、打線として機能させることより、一発に期待したいベンチの姿勢も明確。彼が打席に立つとみんながワクワクします。育成出身の選手には、彼のような存在になるかもしれないという期待を寄せたくなります。

ドラフト直前に話題になった、ヤクルトから育成2位で指名された三刀屋高校の髙野颯太選手は、当たればとにかく飛ぶそうです。彼もいつか支配下に、と夢は膨らみますし、千賀投手のように"育成の星"になってほしいものです。

私の今年のドラフトの"推し"は髙野選手ですが、もうひとり、ヤクルトの育成1位・台湾出身の高橋翔聖選手にも注目しています。育成選手は上っていくだけ。ドラフトという網にかかる時点で、素晴らしい才能を持っていることは間違いありません。未完成なところも含めて応援し、支配下に登録される日を楽しみに待ちたいと思います。

育成選手に"推し"を作ると、野球の応援は途端に楽しくなるという話でした。それではまた来週!

★山本萩子(やまもと・しゅうこ)
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。
2019年より『ワースポ×MLB』(NHK BS1)のキャスターを務める。愛猫の名前はバレンティン

★山本萩子の「6-4-3を待ちわびて」は、毎週土曜日朝更新!