豪華メンバーが顔をそろえた今年のJC(ジャパンカップ)。ちまたでは、2強対決ともいわれているが、そんなときこそデカい馬券を狙いたい! 72万円払い戻し男と58万馬券的中男が、渾身の予想で世紀の決戦を大予想!
*パンサラッサは取材時点で出走が確定していなかったため、予想には入っておりません
■2強が飛んだら大変な馬券になる!
世界ランク1位のイクイノックスと3冠牝馬(ひんば)のリバティアイランドの2強対決といわれる今年のJC。前者はGⅠ5連勝中で、後者はGⅠ4連勝中。しかも、とてつもない強い勝ち方をしていて、やっぱりこの2頭で決まり?
「ちょっと待ってください!」
おっと、その声は東京スポーツの名物記者の虎石晃(とらいし・あきら)さんじゃないですか。この秋は3連単58万馬券を的中させるなど、調子はうなぎ上り!
「競馬の格言に『2強対決は両雄並び立たず』とあるように、コース適性はどうか、現在の状態はどうなのか......あらためて考える必要があるんじゃないかなと。個人的には、2頭とも飛ぶ可能性は十分にあると思っています」
マジですか!
「僕は天皇賞・秋が大きなヒントになってると思います」
その声は、今年の菊花賞を的中させて72万円もの払い戻しを受けた、ピン芸人で馬券師のキャプテン渡辺さん!
「イクイノックスが完勝した天皇賞・秋は、非常にタフな競馬になりました。それによって、上がりの脚は使えないけどスタミナのあるジャスティンパレスが2着に来たわけです。今回は逃げてレースを引っ張るタイトルホルダーがいるため、さらにタフな競馬になるはず。それが予想のヒントになるんじゃないかと」
ほぉほぉ。というワケで、この秋は絶好調のふたりにJCの予想をお願いした。
――それでは本命馬から!
虎石 ダノンベルーガです。
――2強以外からキタ!
虎石 去年の天皇賞・秋は3着に負けたとはいえ、直線での進路取りの不備を踏まえれば、勝ったイクイノックスとの能力差はまったく感じさせない内容でした。ただ、今年の天皇賞・秋は0.6秒差の4着。しかし、これは夏負けがあって仕上がりが7、8割だったり、成長とともに適性距離が芝2000mより長くなってることも影響したんじゃないかと。
渡辺 うんうん。
虎石 そう考えると悪い内容ではないし、今回は上積みしかなく、万全の仕上がりで臨めて、東京の芝2400mという条件もベスト。去年のJCは5着でしたが、外を回るロスの多い立ち回りなどを差し引けば、それほど悲観する内容ではありません。
渡辺 この馬には「もうダマされん!」という思いがありました(笑)。でも、今年の天皇賞・秋を見たら「まだまだやるじゃん!」って。
虎石 しかも、過去の歴史をひもとくと、ほかのGⅠで勝ち損じている馬が、JCだけ勝つケースがけっこうあるんです。スクリーンヒーローしかり、シュヴァルグランしかり。そういう意味からも、絶好の狙い目です!
渡辺 この馬は僕も買いたいです。鞍上(あんじょう)は名手・モレイラなのに、人気の盲点になりそうですからね。
虎石 もう今からヨダレが出まくってますよ(笑)。
――次は、キャプテンさん!
渡辺 とりあえず、一回、イクイノックスはおいといて、僕が今一番気になってるのはディープボンドです!
――なんと!
渡辺 かなり侮られてると思うんです。東京の芝2400mなんて向くわけないって。でも、ジャスティンパレスと同様に、タフな流れになればスタミナが豊富なこの馬にもチャンスがあるはず!
――前走の京都大賞典はどう見てます?
渡辺 いつもより後ろからの競馬で、あの展開でも3着に来たのは高評価です。馬券圏内は十分にあると思います。
――これ、ダノンベルーガとディープボンドが来たら、大変な馬券になりますよ!
虎石 ワイドでも30倍くらいつくんじゃないですか。ディープボンドはイクイノックスと同じで、母父がキングヘイローなのもいいですね。
――対抗はどうでしょう。
虎石 スターズオンアースです。この馬がすごいのは、10戦して一度も3着以内を外してないこと。状態が良くないときや初めての条件のレースでも、必ず馬券圏内に来てるんです。蹄(ひづめ)の不安で天皇賞・秋を回避してるので、人気も相当下がるはず。
――馬券的にもおいしい、と。
虎石 今回はテン乗り名人のビュイックが乗るのも心強いですね。実際、イクイやリバティとどこまでやれるかは未知数ですが、JCと同じ舞台のオークスで2分23秒台なら十分勝機はあると思います。
渡辺 スターズオンアースは直前の状態を見たいですね。でも、やっぱり気になるのはイクイノックス。前走はめちゃくちゃ強かったですから。
――レコードタイムで、後続に0.4秒差をつける圧勝劇!
虎石 ただ、競馬の格言に「レコード走破の次は凡走する」とあるように、あんな強烈なパフォーマンスを見せたら、次はまともに走れるわけがないんですよ。
しかも、しっかり休ませてから臨むならまだしも、今回は中3週という極めて短い間隔です。二重の意味で非常に危険な馬だとみています。正直、この馬が勝ったら、予想家をやめてもいいくらいの気持ちです。
渡辺 そこまで言う(笑)。まあ、虎石さんの見解はよくわかるんですけど、現時点ではイクイノックスは飛ばないという気持ちのほうが大きいですね。能力は断然上ですから、ここは人気でも逆らえないです。
――3番手はどうでしょう。
虎石 リバティアイランドですね。ただ、桜花賞やオークスは圧倒的な強さを感じましたが、明らかに秋華賞の勝ちっぷりが悪いというか。母親がアメリカ系で早熟傾向が強い馬なので、もう上がり目がないという可能性も考えられます。
しかも、筋肉ムキムキのとんでもない体になって、マイラー色が強くなっているのも気になるところ。
渡辺 確かに、ムキムキだし、秋華賞も最後は脚が止まってるような印象を受けました。
――強さは認めつつも、過大評価は禁物だと。
渡辺 だったら、僕はドウデュースのほうが面白いと思います。2強対決といわれた前走の天皇賞・秋は惨敗しましたが、あれは直前の乗り替わりもあったりして、それほど悲観はしていません。それこそ今回は(武)豊さんに手綱が戻って、本来のようにもっと後ろから競馬をすると思うんですよ。
虎石 一発を狙う乗り方ね。
渡辺 そうしたら、勝つまではともかく3着に来てもおかしくないでしょう。
虎石 確かに、前走の一回だけで見切るのは早計かも。
渡辺 僕の中では、ドウデュースとリバティアイランドが3着争いしてる姿がハッキリと見えるんですよ(笑)。
虎石 この馬もムキムキになって、明らかにマイラー傾向が強くなっている印象です。まあ、捨て身の騎乗をすれば、なんとか距離は持つかな。ただ、予想家として印は回しますけど、馬券は買わないかもしれないです。
――人気の一角、タイトルホルダーはどうでしょう。
渡辺 宝塚記念で速い時計の競馬は対応できているし、前走のオールカマーは2着でしたが、復調気配を感じています。しかも今回はほかに逃げる馬がいないので、楽に自分の競馬ができるのがちょっと怖いですよね。
虎石 それは怖い。イクイノックスが出遅れて後ろからの競馬になったら、残る可能性は十分あります。
渡辺 出遅れたら、大変なことになりますよ。リバティアイランドもドウデュースも「あれ、イクイノックスが後ろにいる!」って驚いちゃって(笑)。それで、どの馬も足をためてる間に、まんまと逃げ切ったりとか。
虎石 ディープボンドも先行するかもしれないし、ダノンベルーガも前で競馬ができるし、前の馬で決着することもなきにしもあらずですね。
――去年の覇者・ヴェラアズールはどうですか。
渡辺 まだ本調子に戻りきってないと思うんですよね。
虎石 戻ったところで、去年のようなレースは、10回やったら1回か2回ハマるかどうか。今年、馬券に絡む可能性は相当低いとみています。
渡辺 ちなみに、無印にしたからといって、馬券を買わないわけではないです。あくまで現時点での予想なので。
――では、馬券の買い方を!
虎石 ダノンベルーガの単勝をドカンと買いつつ、スターズオンアースのデキ次第で、この2頭の馬連とワイドが中心ですね。
渡辺 僕はイクイノックスをどうするかです。買うと決めたら、イクイノックスから気になる馬との3連単は買ってみたい。でも、イクイノックスが危うしとみるなら、タイトルホルダーとディープボンドのような行った行った馬券も気になります。そこは、調教などで見極めたいですね。
虎石 とにかく役者はそろったし、いろいろと楽しみ!
渡辺 今年一番の好カードにして、絶対に見なきゃいけないレースですよね!
世紀の決戦は11月26日だ!
●キャプテン渡辺
ピン芸人にして馬券師。今年の菊花賞で単勝、3連複、3連単を的中させ、72万円の払い戻しをゲット! 『ウイニング競馬』(テレビ東京)にレギュラー出演中。単行本『神の馬券術』(KADOKAWA)も要チェック!
*12月4日、キャプテン渡辺さんの独演会「漫談スタイル2」が、東京・野方区民ホール(開演:19時30分)にて行なわれます。詳しくはキャプテンさんのXへ!
●虎石 晃(とらいし・あきら)
東京スポーツの人気競馬記者。本命も穴も狙う緩急自在の予想に定評がある。この秋は新潟メインの飛翼特別で、10番人気馬に本命を打って3連単58万馬券を大的中! 『ウイニング競馬』にレギュラー出演中