「ふだんサッカーを見なくても、元日はついテレビ中継を見てしまうという人も多いだろう」 「ふだんサッカーを見なくても、元日はついテレビ中継を見てしまうという人も多いだろう」

カップ戦とはいえ優勝は優勝。やっぱりいいものだね。得るものが多い。

私事で恐縮だけど、僕が代表を務めているアイスホッケーのH.C.栃木日光アイスバックスが、全日本選手権で4年ぶり3回目の優勝を決めた。

新横浜で行なわれた準決勝、決勝はいずれもリーグ戦(アジアリーグ)上位チームとの対戦だったけど、選手たちのモチベーションは高く、日光から駆けつけてくれた大勢のファンの後押しもあり、なんとか結果を出せた。

勝ったことで地元のメディアにも大きく取り上げてもらえたし、チームに弾みがついて、残りのシーズンをいい雰囲気で戦っていけると思う。ちなみに試合後、僕も初めて胴上げをしてもらったんだけど、氷のリンクの上なので落ちたら痛そうだなと怖かったよ。

話をサッカーに移すと、今季、Jリーグで結果を出せずに苦労した川崎も、シーズン最後に天皇杯のタイトルを獲れたことで、気持ち良く1年を締めくくれたんじゃないかな。

柏との決勝戦、僕はアイスバックスの試合と重なったので録画でチェックしたんだけど、どっちが勝ってもおかしくない好ゲームだった。そんな中、PK戦はもちろん、試合を通して川崎のGKチョン・ソンリョンの活躍が光っていたね。

川崎はここ数年、Jリーグで圧倒的な強さを見せていたものの、主力の引退、高齢化、流出が続き、今季は優勝争いにまったく絡めなかった(8位)。長くチームを支えてきた家長は37歳、小林悠は36歳。レアンドロ・ダミアンとシミッチの退団も決まった。来季に巻き返せるかどうかは現時点ではなんとも言えない。

ただ、タイトルを獲ることで自信になるし、次につながるものがある。また、いつもいい外国人選手を連れてくるイメージが強いチームなので、そこにも期待したい。

天皇杯の決勝といえば、以前は元日開催。それが、ここ数年は12月中に決勝が行なわれていて違和感があったんだけど、さすがに慣れてきたね。お客さんもたくさん入り、元日開催時と同様の盛り上がりだった。

ただ、晴れ着姿のお客さんがいたり、お正月独特の空気の中で行なわれる試合もやっぱり捨て難い。普段はサッカーを見なくても、元日はついテレビ中継を見てしまうという人も多いしね。そう思っていたら、来年の元日に日本代表が親善試合(vsタイ)を行なうことになった。悪くない試みだ。

ベストメンバーを招集できないとはいえ、アジア杯(日本の初戦は1月14日)を前にした強化の一環としてはもちろん、それ以上に世間の注目を集めやすいタイミングでの試合は最高のプロモーションになる。選手は大変かもしれないけど、来年以降も継続して元日に試合を組めるといいんじゃないかな。

このタイ戦後にアジア杯のメンバーが発表されるそうなので、選手たちにはしっかりアピールしてもらいたい。

個人的には今季のJリーグMVP&得点王の大迫が呼ばれなかったのが残念だけど、同じくFWの細谷に期待している。残留争いをした柏でも継続的にいいプレーを見せていたし、パリ五輪世代の彼がもうひと皮むけてくれると心強いよね。

先日、森保監督と顔を合わせた時に「タイとやってタイ(引き分け)はダメだよ」と冗談を言ったら、笑いながらもしっかりと「勝ちますよ」と答えてくれた。元日、期待しよう。

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