アジア杯(カタール)で優勝、パリ五輪でメダル獲得。そんな年になれば最高だね。
まずはもうすぐ開幕するアジア杯。日本代表に求めたいのは3大会ぶりの優勝。2位じゃダメだ。
日本代表に関しては、昨年の親善試合での好調ぶり(6月以降、アウェーのドイツ戦含めて6連勝)を受けて、「歴代最強では」という声も聞こえる。実際、チームはいい状態をキープしているし、僕も可能性は感じる。
でも、まだ何かを成し遂げたわけじゃない。過去の代表チームだって親善試合では高い勝率を残している。評価の基準はあくまで本番(W杯)の結果。つまり、2026年北中米W杯でベスト8以上に行けるかどうか。
そして、その前にまずはビッグタイトルであるアジア杯で優勝してレベルアップしたことを証明してほしい。韓国、サウジアラビア、イランはどう考えても手ごわいだろうし、オーストラリアやカタールも不気味。決して簡単じゃないのは承知しているけど、そろそろアジアで勝つところを見たい。
特に期待したいのは攻撃的なポジションの選手。おそらく引いて守りを固める相手が多い中で、どうやって点を取るのか。中盤はだいぶ層が厚くなってきたけど、ワントップでも軸になる選手が出てきてほしい。
今回は森保監督にとってリベンジの舞台でもある。5年前は決勝でカタールに完敗した。彼のことは昔から知っていて、誰に対しても物腰柔らかで礼儀正しい。僕も期待して応援しているんだけど、アジアで2回続けて勝てなかったら困る。そこは厳しい目で見ないといけない。
また、サッカー人気を盛り上げる意味でも、優勝が一番手っ取り早い。負ければ世間はその試合や大会のことをすぐ忘れる。でも、勝てばニュースでたくさん取り上げられて、何年たっても語り草だ。
例えば僕は以前、アジア杯のテレビ中継で解説をやっていたんだけど、日本が優勝した2004年大会、11年大会の決勝のことは、いまだに「決勝点の場面でものすごく興奮していましたよね」などと言われることがある。
今回のアジア杯、地上波テレビ中継はグループリーグ2戦目とベスト8以降と限られている(DAZNは全試合配信)。もしベスト8で負けたら、世間ではほとんど話題にならないんじゃないかな。それは寂しいよね。
パリ五輪も同じ。今度こそ1968年メキシコ五輪以来のメダル獲得なるか。
日本人は五輪が大好きだから、メダルを獲れば盛り上がる。
ただ、パリ五輪に関しては、まずはタフなアジア最終予選(4月開幕のU-23アジア杯、カタール)を突破できるかどうかだね。前回の東京五輪は開催国なので予選を免除。それもあってか、みんな五輪予選の大変さを忘れているというか、本大会に出るのは当たり前だという、緩い空気を感じる。
でも、26年北中米W杯のアジアの本大会出場枠が8.5もあるのに対してパリ五輪は3.5しかない。厳しさが全然違う。
また、予選も本大会もA代表と違って選手の拘束力がないので、フルメンバーを招集できるかという問題もある。本大会のオーバーエージ(24歳以上)含めて、大岩監督が呼びたい選手を全員呼べるか。日本サッカー協会は組織を挙げて所属クラブとの交渉を頑張らないといけないね。