「昨季王者の神戸は手堅い補強をした。ただ、過密日程を考えると、選手層の厚さはまだ十分とはいえない。枠の余っている外国人をどうするかだね」 「昨季王者の神戸は手堅い補強をした。ただ、過密日程を考えると、選手層の厚さはまだ十分とはいえない。枠の余っている外国人をどうするかだね」

もうすぐ開幕する。アジア杯日本代表は残念すぎる結果に終わった。何がダメだったのか、あらためて反省しなければいけないけど、それはそれとして、今月末に始まるJリーグに向けて気持ちを切り替えよう。

今回は僕が気になるチームを取り上げたい。

まずは昨季王者の神戸。目標はもちろんリーグ連覇だろう。主力にベテランが多く、今季はAFCチャンピオンズリーグもある。過密日程を乗り越えるためにも選手層を厚くする必要があるということで、昨季ケガ人が出て苦労したポジションを中心に手堅い補強を行なった。

主なところでFW宮代、MF井手口、DF岩波、広瀬といった顔ぶれ。中でも井手口の獲得は大きい。

元日本代表の彼は欧州に2度挑戦したけど結果を出せず、このまま消えていくのかなと思っていた。でも、昨季の福岡では攻守の要として存在感を見せ、勢いが戻ってきた感じがする。楽しみな存在だ。

あとは枠の余っている外国人選手の補強をどうするか。特に大迫と武藤に頼りきりだった前線。彼らをシーズン通してフル稼働させるのは無理があるし、代役にもなれる選手が欲しい。夏までに補強をしないと徐々に苦しくなると思う。

神戸は今まで外国人選手に泣かされることが多かった。昨季も夏にマタとヴェーチェイのふたりを獲得したけど、戦力にならなかった。前線に限らず、肩書きじゃなく、吉田監督が目指す、運動量があってボール際も激しく、そしてチームのために戦う、そんな外国人が欲しいところ。

一方、積極的な補強で期待が大きいのは浦和だ。

新監督にかつてノルウェー代表を率いたヘグモ監督を招聘し、ノルウェー代表のMFソルバッケン、スウェーデン代表のMFグスタフソンを獲得。さらにベルギーからMF松尾が復帰。彼は欧州では期待ほど活躍できなかったけど、いい選手だと思うし、復帰してどこまでやれるか。

そして、何より大きいのがJリーグで実績のあるFWチアゴ・サンタナの獲得。僕からすれば大ニュースだよ。

ここ数年の浦和の課題は決定力。その意味で、チアゴ・サンタナは日本のサッカーに慣れていて、一昨季にはJ1得点王になっている。今季も2桁得点を期待できると思う。

もし清水がJ1に昇格していたら彼を獲れなかったかもしれないと考えると、浦和には運も味方した。今季は過密日程ではないし、優勝候補の一角に挙げられるのは当然だ。

一方、この2チームと違って心配なのが鹿島だ。

2019年にメルカリが親会社になって、一昨季からそれまでのブラジル路線を見直そうとしているけど、監督はころころ代わり、いまだチームの方向性が見えてこない。

僕はブラジル人だし、ジーコに始まり長年積み重ねてきた伝統を捨てるのはもったいないなとは思うけど、時代の流れもあるし、フロントがそういう判断をするのにも何か理由があったのだろう。路線転換を目指すのは決して悪いことではない。

ただ、それには時間がかかる。にもかかわらず、監督が毎年代わり、その都度違うサッカーをやっている。選手は落ち着かないよ。

今季のポポビッチ新監督にしても、日本での指導経験が豊富とはいえ、すごい実績があるわけでもなく、「なぜ彼なの?」という感想しかない。サポーターも不安だろう。

とにかく、ここ数年の鹿島はチグハグ。今度こそ時間をかけてチーム作りをすべきだね。

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