こんにちは、野球大好き山本萩子です。

みなさんはキャッチボールをしたことがありますか? 幼い頃に公園で父親とやったキャッチボールが私の野球好きの原点です。実は、野球においてキャッチボールはとても大事な意味があるんです。

以前、第一線で活躍する選手に「キャッチボールがいかに大切か」を教わったことがあります。野球選手同士だと、相手の能力がわかるのだとか。一見、単純な行為に見えますし、初めて聞いた時は「何がわかるんだろう」とびっくりしました。

「野球の基本を確認する行為」で、投手であればピッチングフォームの確認、野手であれば送球動作の確認といったように、驚くほど野球のエッセンスが詰まっています。イップスにかかってしまった選手も、キャッチボールからやり直すそうですね。

投げる際には狙ったところに投げられるかもそうですし、「スピンが効いてる」「手元で伸びる」など、ボールの質がわかります。捕る際も、どんな位置で捕球してどう次の動作につなげているか、といったことも見られるので、ある程度センスがわかるそうです。

ヤクルトの選手にインタビューでした時には、「石川雅規投手はキャッチボールがうまい。とにかく丁寧」という話をいくつも聞きました。ルーティン動作の中で自分の体と対話しているのでしょう。

ベテランという域を超えて、もはや「レジェンド」と呼ぶにふさわしい石川投手が、44歳の今でも活躍している理由を垣間見た気がします。コントロールのよさも、キャッチボールで培われたのかもしれません。

インタビューの際に、「研究したいこと」を聞くコーナーもあったのですが、石山泰稚投手は「キャッチボール」と答えていました。練習中にキャッチボールをする相手はなんとなく決まるそうなんですが、石山投手はあえて、いろんな選手とキャッチボールをするようにしているそうです。そうすることで、いろんな発見があるのだとか。

練習の中で学びや気づきを得る人がプロで活躍できるんでしょうね。盗めるものは盗む。プロとして正しい在り方です。

「基本を制する者が世界を制する」って、あのパブロ・ピカソも言ってましたよね。 「基本を制する者が世界を制する」って、あのパブロ・ピカソも言ってましたよね。

私の仕事でいえば、キャチボールは何に相当するのか......発声練習? いや、もっと大事そうですから、リハーサルでしょうか。私はリハの時に、進行を最優先しながらも、本番でどんなことが起こるかをシミュレーションしていました。

プロ野球選手はキャッチボールをしている時に、どんなことを考えているのでしょう。実際のシチュエーションを想像しながらやっているんでしょうけど、その意識の有無によって効果も変わってきそうですね。

元ロッテの黒木知宏さんは日本ハムのコーチをしていた時期もありますが、その時に所属していた大谷翔平選手とのキャッチボールは「怖かった」と語っていました。大谷選手は変化球の握りを試したりするので、黒木さんの手元でボールが急に変化することもあったそうです。大谷選手がキャッチボールの重要さを理解し、しっかりと向かい合っていたことがわかりますね。

キャッチボールをしたことがある方はわかると思うのですが、キャッチボールっていつまでも続けられませんか? 他の競技で、例えばサッカーやバスケでパス練習を延々とやっていたら、そのうちに飽きてしまうのではないかと(これは競技未経験の私の推測なので、異論は認めます)。キャッチボールって、単純に面白いですよね。

野球の真髄はキャッチボールにあり。私も野球の魅力を再確認するため、今から公園で旦那さんとキャッチボールをしようと思います。それではまた来週。

★山本萩子(やまもと・しゅうこ)
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。
2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン

★山本萩子の「6-4-3を待ちわびて」は、毎週金曜日朝更新!