ノルマはもちろん勝ち点6。ここでグループ2位以上を確定させて、予選通過を決めること。それしかないよ。6月の残り2試合は消化試合にしたいね。
逆にクリアできなければ、森保監督や選手たちへの風当たりはますます強くなるだろう。
2026年北中米W杯のアジア2次予選が再開する。ここまで2連勝中の日本代表は北朝鮮とのホームアンドアウェーの2連戦を迎える(21日・国立、26日・平壌)。
優勝候補に挙げられながらベスト8敗退に終わったアジア杯後最初の公式戦ということ、そして、それ以上に相手が北朝鮮ということで政治的な側面からも大きな注目を集めている。
両国の関係性を考えるとそれは仕方ないのかもしれないけど、僕から見れば、シンプルに「通過して当たり前」なW杯2次予選の2試合だ。そんなに心配していない。
三笘をはじめケガ人が多いのは残念だけど、そのぶん前線で誰がアピールしてくれるのかに注目している。
北朝鮮を「不気味な相手」と警戒する向きもある。実際、11年にザッケローニ監督率いる日本代表がW杯3次予選で対戦した際は、アウェーで0-1と敗れている。
ただ、以前と違って今の北朝鮮には実力のある在日の選手がひとりもいないのは大きいと思う。彼らはプレー面でも精神面でもチームに大きなプラスをもたらしていたからね。
北朝鮮はそのお国柄のせいで、個人としてもチームとしても国際経験が少ない。国内リーグに外国人の選手もいない。AFCチャンピオンズリーグに出場するクラブもない。
アジア杯後、「アジアのレベルが全体的に上がっている」という意見をよく聞いたけど、北朝鮮に関して言えば、時計が止まっている。アジア杯で日本が負けたイランやイラクとはまったく違うレベルの相手と考えていいんじゃないかな。
逆に北朝鮮からすれば、どう考えても日本は格上。ヨーロッパでプレーする選手がたくさんいる「嫌な相手」だろう。
"アウェーの洗礼"も必要以上にビビることはないよ。確かに、アウェー戦の空気は、日本のホーム戦のそれとは天と地ほどの差があると思う。何しろ日本では攻めている時も守っている時もサポーターが同じように歌い続け、まるでコンサート会場みたいだからね。良い悪いではなく世界でも珍しい。
それに比べれば、アウェーはどこも地獄となるし、北朝鮮のホーム戦となれば相当ピリピリした雰囲気になる。当然、日本の選手には多少のプレッシャーがかかる。相手選手も声援に後押しされて、特にボール際では激しく仕掛けてくるだろう。
ただ、それも事前に予想できること。北朝鮮だってホームでいつも勝っているわけじゃない。大きな力の差がある以上、そしてW杯ベスト8以上を目標に掲げている以上、日本の選手たちにはさらっとはね返してほしい。
2試合とも当然のように主導権を握って、当然のように勝つ。アジア杯の結果は残念だったけど、今回の2試合をきっちり勝てば雑音は消え、選手も森保監督も自信を取り戻せる。
逆にもし1試合でも負けるようなことがあれば、森保監督の進退も考えないといけない。そういう位置づけの試合だね。