バレーボール男子日本代表・西田有志選手にスポーツキャスター・中川絵美里が聞いた
男子バレーボールの人気が沸騰している今、圧倒的な跳躍力と鋭く力強いスパイクを武器にエースとして君臨しているのが、西田有志(パナソニック パンサーズ所属)。
2022年には女子バレーボール日本代表主将の古賀紗理那と結婚。夫婦そろってパリ五輪での表彰台を目指すアタッカーの思いとは――。スポーツキャスター・中川絵美里が聞いた。
■パナソニックの強さの秘訣とは
中川 まずは所属されているパナソニックパンサーズについてお尋ねします。V.LEAGUE DIVISION1 MEN(Ⅴ1男子)では首位を独走、圧倒的な強さを見せてくれました。その好調の要因はどこにあると感じていますか?
西田 例えば、2月18日のウルフドッグス名古屋戦(アウェー)、僕は第2セットの途中でケガのためにコートから下がったんです。結果こそ負けてしまいましたが、コート外から客観的に見ていて、チームがすごく面白い試合をしているなと。
誰が出てもレベルが非常に高く、奮闘している姿に強みを感じました。もちろん、修正点や課題はあるにせよ、このチームならいけるという思いがあらためて芽生えましたね。
中川 確かに選手層が厚いですよね。試合映像を拝見していて、すごくチーム内の雰囲気がいいとも感じました。また見たいと思わせてくれます。
西田 ホームはファンの皆さんの声援もあって本当に心強いですし、アウェーだとしてもホームだと思わせるような雰囲気をつくってくれます。それはチームにもいえることで、まるでホームのような勢いをみんなで醸し出せる。
単に日本代表が多いから強いというわけではなく、ひとりひとりの持ち味を出し切って、アウェーでもびくともしない強心臓が僕らのストロングポイントじゃないかと。
中川 今シーズン、西田選手は新戦力として加入、すでに昨年12月の天皇杯優勝に貢献していますが、新たにご自身で得た学びはありますか?
西田 今シーズン、僕らはずっといいパフォーマンスを維持できましたし、空きのないタイトなスケジュールであっても、20連勝という好成績を収めることができたので、その点については手応えを感じましたね。
途中、ケガはありましたが、それでもプレーオフ(V・ファイナルステージ、3月23~31日。取材時2月下旬)に向けてピークを持ってくる準備ができたのは大きな収穫になりました。
「五輪決定の瞬間、今まで感じたことのない空気を感じた」(西田有志)
中川 V・ファイナルステージ、その先の優勝を当然ながら見据えていると思うのですが、チームもご自身もここからもっと上がっていくといった感じでしょうか?
西田 ええ、上がると思いますね。というのも、正直、20連勝というのは僕らにとっても初めてのことでしたし、モチベーションの維持ですとか、難しい部分もあったんです。あまりにも勝ちすぎてしまって、ちょっと変な感覚になりそうでしたし。
でも負けた名古屋戦(上記)の前後あたりでは、良くないプレーが散見されたので、あのタイミングで負けたのはもう一段ギアを入れられるいいきっかけになったのではないかと。リスタートじゃないですけど、ここから、さらによりいいチームになれると確信しています。
■五輪出場がかかる土壇場で出た言葉
中川 パリ五輪まで半年を切りました。去年、バレーボール男子日本代表=龍神NIPPONはさらに進化した姿を見せてくれましたが、代表メンバーである西田選手はどうとらえていますか。
西田 ここ数年ずっと勝ち続ける姿を見せられたのは、日本男子バレーのレベルの高さを示すことができたという点で良かったのではないかと。
五輪切符を争う予選を戦うのは僕自身初めてでしたし、1戦目、2戦目で苦戦を強いられましたけど、それでも自分たちの良さを一気に出して、出場を決められたのは本当にうれしかったですね。