2026年北中米W杯のアジアの出場枠8.5に対して、パリ五輪は3.5。五輪最終予選が厳しい戦いになるのは間違いない。
ただ、そんなことは選手も大岩(剛)監督も百も承知だよね。せっかく全試合が地上波中継されるわけだし、活躍すればヒーローになれるのだから、チャンスだと思って頑張ってほしい。それに尽きる。
8大会連続の本大会出場なるか。まず、グループリーグ初戦の中国には問題なく勝てるだろう。ここ最近の中国サッカーにはポジティブな要素があまりないからね。そんなに心配しなくてもいい。
問題は実質アウェーとなる2戦目のUAE戦だ。2連勝なら決勝トーナメント進出の可能性が高くなり、次の韓国戦がラクになる。決勝トーナメントでの戦いを見据えて、選手のローテーションもできる。
逆にUAEに負けて、中2日で韓国相手に絶対に勝たないといけないという状況には追い込まれたくない。だからUAE戦がポイントになる。
決勝トーナメントは正直、予想のしようがない。グループを1位通過でも2位通過でも準々決勝の相手(順当ならカタールもしくはオーストラリアのいずれか)は手強いし、ほかにも強豪のサウジアラビア、アジア杯で森保ジャパンが負けたイラク、若い年代の強化に力を入れるウズベキスタンなどがいる。
逆に言うと、今大会は力の突出したチームが見当たらない。日本も含めた、全チームにチャンスがある。
すでにA代表で主力のMF久保(建英、レアル・ソシエダ)ほか、招集できなかった海外組が何人かいることで、チームを不安視する声もある。
ただ、僕に言わせればそれほど影響はない。さすがに久保は別格だし、彼を呼べれば良かったけど、そういうスーパーな選手はほかの国も招集できていない。
また、それ以外の選手は、ひと口に海外組といってもA代表のそれとは重みが違うというか、所属クラブのレベルや出場状況を見れば、今回招集された国内組の選手たちと明確な差があるとは思えないからだ。
むしろJリーグで継続的にいいプレーを見せている選手が多いのはプラス材料だよ。特に前線の選手たちだね。
FC東京のFW荒木(遼太郎)なんて絶好調。シュートがうまく、華もある。一気にスターになるかもしれない。チームメイトのMF松木(玖生)もいまいちパッとしなかった昨季までと打って変わって、今季は存在感のあるプレーを見せている。
好調の町田をけん引するふたり、FW藤尾(翔太)とMF平河(悠)も面白い。藤尾は決定力があるし、平河は左右どちらのサイドで起用されても結果を出している。プレーに勢いを感じるよね。
また、東京VのMF山田(楓喜)は、直接FKでゴールを期待できる選手が久しぶりに出てきたなという感じ。セットプレーがあればチャンスをつくってくれるんじゃないかな。
本来のエース候補のFW細谷(真大、柏)がゴールから遠ざかっているのはちょっと心配だけど、彼ら攻撃陣の選手の奮起を期待したい。
最初にも言ったけど、この最終予選で活躍すればヒーローになれる。このチームには世間に顔と名前を覚えられている選手がいない。これまで看板扱いされてきた松木だって、まだ知名度では僕の友人の松木(安太郎)にかなわないでしょ(笑)。
前評判は低いけど、ぜひ結果を出して見返してほしいね。