モドリッチからも認知されている、日本が誇るマドリディスタのSHONOさん モドリッチからも認知されている、日本が誇るマドリディスタのSHONOさん

秋春制で行なわれるサッカーのリーグ戦、カップ戦は今がまさにクライマックス! アジア&欧州の王者が決まる運命の決勝戦を前に、番記者やスポーツライター、熱狂的サポーターがその見どころを語り尽くす!【サッカー天王山ワイド②UCL編】

* * *

UCL(UEFAチャンピオンズリーグ)で史上最多15度目の優勝(チャンピオンズカップ時代を含む)を目指すレアル・マドリード(スペイン)。

6月1日(現地時間)に開催されるボルシア・ドルトムント(ドイツ)との決勝戦を前に、熱狂的なマドリディスタとして知られるガールズバンド「PARADOXX」のドラム担当、SHONOさんに今季のレアルについて語ってもらおう。

直近4ヵ月は公式戦負けなし、ほぼ独走状態で36度目のラ・リーガ制覇を成し遂げたレアルだが、開幕前は不安だらけだったという。

「昨季終了後にエースの(カリム・)ベンゼマが抜けて、プレシーズンに正GKの(ティボー・)クルトワも大ケガで離脱してしまい、ファンとしては絶望的な状況でした。(キリアン・)エムバペや(ハリー・)ケインを獲るという話も出ていたのに、結局、加入したのはホセルで......。

ホセルのおかげでCL決勝にも進めたし、今となっては"ホセルさまさま"ですけど、当時はストライカータイプの選手がいなくて、『もう今季は終わった』ってちょっと思っていました。でも、いざ開幕すると......神様のように輝いてくれたのが新加入の(ジュード・)ベリンガムでした!」

今季のレアルで特筆すべき選手として、ベリンガムと共に名前を挙げたのは、クルトワの代役として奮闘しているアンドリー・ルニンだ。

「『CL決勝にはクルトワを』という声もあるみたいですが、私はルニンにゴールマウスを守ってもらいたいです。クルトワへの信頼も厚いので、本当に幸せな悩みですよね」

SHONOさんがレアルの今季躍進を確信したのは、シーズン最初のクラシコ、昨年10月28日(現地時間)のFCバルセロナ戦だった。

「ベリンガムが後半アディショナルタイムにその日2ゴール目となる決勝点を叩き込んで、劇的な逆転勝ちをしたんです。マドリーがマドリーしすぎた試合だったので、『今年いけるわ!』と確信しました。マドリーって、試合が終わるまで誰ひとり諦めないんですよ。そこが本当すごい」

敵地で行なわれたCL準々決勝第2戦、マンチェスター・シティFC(イングランド)との大一番は、相手にボールを支配されながらも1-1で延長戦を耐えしのぎ、PK戦で見事に勝利した。SHONOさんはこの激闘を現地観戦していたという。

「延長戦が終わってトイレに行ったのに、手洗い場のお湯で手だけ温めて帰ってくるという謎行動をしてしまうくらい、私、緊張しちゃって(笑)。

席に戻ったらPKが始まっていたんですけど、ひとり目の(ルカ・)モドリッチが決められなくて......。そこからずっと目をつむって祈っていたので、PKは最後までまったく見られなかったです」

チャンピオンズカップからCLに変更となって以降、レアルは8度進出した決勝すべてで勝利し、優勝を果たしている。そんな"絶対王者"は今大会決勝にどのように臨むのだろうか?

「ドルトムントは引いて守ってショートカウンターを仕掛けてくると思うんです。ただ、監督の(カルロ・)アンチェロッティも相手にボールを持たせてカウンターで仕留めるサッカーをすることが多いので、どんな展開になるのか予想するのも楽しみですね。

でも、結局、最後はマドリーが勝ちますよ。とんでもない個人技一発で決めるんじゃないですかね。『べリンガムが古巣相手に、母国イングランドのウェンブリー・スタジアムでスーパーゴールを決めて優勝したら、さすがに主人公すぎる』とも思うんですけど、それを本当にやっちゃうのがマドリーなので。絶対に勝ってくれると思います」

* * *

一方、11年ぶりのCL決勝進出を決めたドルトムントはどうか。ブンデスリーガに精通するスポーツライターのミムラユウスケ氏が解説する。

「今季前半戦終了時点で首位バイエル・レバークーゼンに大差をつけられる厳しい状況だったことで、ウインターブレイクにクラブOBであるヌリ・シャヒンを攻撃のアシスタントコーチ、同じくクラブOBであるスヴェン・ベンダーを守備とセットプレーのアシスタントコーチとして招集。

さらに、ジェイドン・サンチョ、イアン・マートセンをレンタル移籍で獲得し、チームの立て直しに成功しました。

エディン・テルジッチ監督はもともとユルゲン・クロップ(リバプールFC監督)の薫陶を受けるなどモチベーター型なので、戦術面をアシスタントコーチに任せる役割分担が奏功したといえます」

ドルトムントがCLで快進撃を続けてきた要因は?

「グループステージでパリ・サンジェルマンFC(フランス)、ACミラン(イタリア)、ニューカッスル・ユナイテッドFC(イングランド)という"死の組"に入ったものの、星の潰し合いをしたことによって僅差で1位通過。決勝トーナメントのくじ運も良く、国内リーグ戦ではメンバーを落としてCLに集中する作戦が成功しました。

おそらく、アーセナルFC(イングランド)やマンチェスター・シティと対戦したら勝てなかったと思います。サンジェルマンとの準決勝第2戦も、相手のシュートがポストとバーに何度も当たりながら無失点に抑えるなど、神懸かり的な運の良さで勝ち上がりました」

CL決勝で高い勝率を誇るレアル・マドリードに対して、"ミラクル"ドルトムントは奇跡を起こせるのか?

「10回やったら9回はレアルが勝つと思いますが、ドルトムントにも可能性はあるはず。決勝戦は"第三国"イングランドでの開催であり、一発勝負は何が起こるかわからない。アシスタントコーチの影響で守備やセットプレーが改善されたので、しっかり守って1-0という展開もあるかもしれません」