今年の日本ダービーを予想してくれた、春のクラシック連勝女・守永真彩(左)と、190万馬券的中男・オオタケ(右) 今年の日本ダービーを予想してくれた、春のクラシック連勝女・守永真彩(左)と、190万馬券的中男・オオタケ(右)
「最も運のいい馬が勝つ」といわれる日本ダービー。そんな「競馬の祭典」を馬券名人ふたりが大胆予想! 各馬のドラマに触れながら臨時ボーナスを目指せ! ※この予想対談は本誌の締め切りに合わせて行なわれました

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■実力だけでは勝てないレース!

穴馬予想に定評があって、地方競馬ではトリプル馬単190万馬券を的中させるなど、今年は収支が大幅プラスの競馬予想家のオオタケさん。

桜花賞、皐月賞のクラシックを連続的中させるなど、この春は予想が絶好調の競馬キャスターの守永真彩さん。そんな馬券名人ふたりが、難解な日本ダービーを大予想。まずはレースのポイントから!

守永 日本ダービーは全ホースマンの憧れのレースです。それだけに騎手や調教師の先生の思いや意気込みが重なって、毎年のようにドラマの生まれるレースなんです。

オオタケ 「ダービーは運のいい馬が勝つ」といわれるように、実力だけでは勝てないレース。あの武豊騎手でさえ、ダービーだけはなかなか勝てなかったほど。展開的には、基本的には外枠が不利です。

守永 それから3歳馬は芝2400mを走ったことない馬が多いので、その未知の部分をどう考えるかも重要。芝2000mであの末脚なら距離が延びても大丈夫とか、本番で本領発揮できそうな馬を狙いたいですね。

――それでは本題の予想へ!

守永 私の本命はシックスペンスです。現在、無傷の3連勝中で、前走のスプリングSでは、後続に3馬身半差をつける圧勝劇! あの走りを見せられたら期待せずにはいられません。また、今年の春のGIを振り返ってみると、ヴィクトリアマイルでデビュー21年目の津村明秀騎手が、天皇賞・春ではデビュー13年目の菱田(ひしだ)裕二騎手が、悲願のGⅠ初制覇を果たしました。では、今年の日本ダービーで「悲願の初制覇」に一番当てはまる人は誰かと考えたときに、やっぱり国枝栄(くにえだ・さかえ)調教師じゃないかって。


――ほぉほぉ。

守永 ご存じのように国枝先生は、アーモンドアイとアパパネという2頭の牝馬(ひんば)三冠馬を育てた名伯楽です。引退される日も迫ってきており、そんな国枝先生が初めてダービーの表彰台に立つというドラマを私は見てみたい!

オオタケ 気になる一頭ではあるんですが、川田将雅(ゆうが)騎手に乗り替わることで過剰な人気になりそうなのがひとつ。それから、これまで負かしてきた馬が、あまり活躍できていないことも含めて、僕は無印にしちゃいました。本命はジャスティンミラノです。

――おおっと!

オオタケ 前々走の共同通信杯を勝ったときに、ダービーの本命にしようと決めました。でも、前走の皐月賞はコーナーを4回も回るし、外めの枠だったので、よくて2着までと踏んでいたら驚異のレコード勝ち。しかも、負かしたジャンタルマンタルは、次走のNHKマイルCを完勝。力は抜けていますね。

――不安材料となりそうなものも見当たりません。

オオタケ 鞍上(あんじょう)の戸崎圭太(とさき・けいた)騎手は実績十分ですが、まだ日本ダービーは勝てておらず、2018年、19年には2年連続2着と涙をのんだこともあります。今年こそ、悲願のダービー初制覇を成し遂げてくれるんじゃないかって。

守永 ジャスティンミラノは非常に強い馬ですが、1番人気が確実なので、馬券的な妙味から▲評価に。私の対抗はコスモキュランダです。この馬はどれだけ好走しても、なぜか人気にならないんです。弥生賞を勝っているのに皐月賞は7番人気。しかも、勝ち馬とはタイム差なしの2着なのに、おそらく今回も人気にはならないはず。

――確かに!

守永 皐月賞の末脚が鮮やかで、もう少し距離が長ければ差し切ってたんじゃないかなと思ったくらい。ならば、距離が400m延びる今回は絶好の狙い目だし、いつも人気にならない馬がひと泡吹かすドラマも見てみたいです。

オオタケ コスモキュランダは中山巧者だと思ってるんです。実際、高速馬場だった京都2歳Sでは8着に負けているし、未勝利戦を勝ち上がったのも重馬場の新潟です。なので、大雨が降って時計がかかる馬場になれば、とても買いたい馬。ただ当日は晴れてパンパンの馬場を想定しているので無印にしました。


――そんなオオタケさんの対抗はアーバンシック。

オオタケ 速い上がりの脚を使えるのが魅力の馬です。2戦目の百日草特別は、ヨーイドンの競馬を上がり33秒2の脚を使って快勝。これならスローペースの東京の芝中距離は絶対に合うはず。逆に、中山は合わないと思っていましたが、皐月賞はアクシデントがあって後方からの競馬になったのにもかかわらず4着と大健闘。力のある証拠です。

――中山は合わないと思っていたのに、想像以上に走ったところはジャスティンミラノと似てますね。

オオタケ そうなんですよ! さらに、鞍上の横山武史騎手は、3年前の日本ダービーでエフフォーリアに乗り、単勝1.7倍の1番人気に押されながらもハナ差の2着。ダービーにかける思いは、並々ならぬものがあるはずです。

守永 アーバンシックはまったく同意です。若干、スタートに課題が残るものの、上がりの脚は要注意ですね。

――では、人気薄で面白そうな特注馬を教えてください。

オオタケ ビザンチンドリームです。新馬戦が圧巻の走りで、前に行った馬がそのまま上位に残るという"行った行った"の競馬を唯一、後方から差してきたのがこの馬。最後の直線では1頭だけ次元の違う脚色で、かのディープインパクトを彷彿(ほうふつ)とさせる衝撃でした。

――2戦目のきさらぎ賞も強かったですね。

オオタケ スタートで立ち遅れて、これは飛んだなと思ったら強烈な脚を使って差し切り勝ち。ちなみに、前走の皐月賞13着は、出遅れが敗因なので度外視してOK。東京は未経験ですが、むしろ未知の魅力を感じますね。

守永 実はノーマークでしたが、話を聞いて買いたくなりました(笑)。一発がありそうな雰囲気を感じます。

――守永さんの特注馬はゴンバデカーブース。

守永 昨年末のホープフルSを感冒で出走回避したため、前走のNHKマイルCは実質7ヵ月ぶりのレースとなりました。それでいて4着と大善戦。芝1600mしか使ったことがないので距離への不安はありますが、血統的には十分こなせると見ています。

オオタケ ゴンバデカーブースは僕も狙いたい馬。東京のスローペースのマイルを勝っていて、2400mまでは持つんじゃないかなって。何より長期休養明けなのに、いわゆる"松国ローテ"といわれる「NHKマイルCから日本ダービー」の2戦を使うという陣営の意気込みは買い! 侮れない一頭だと思います。

――ちなみに人気の一角で、ウオッカ以来17年ぶりの牝馬Vを目指すレガレイラは?

守永 皐月賞は当日になってから急に入れ込み出して、体重が10㎏近く減ったという陣営コメントがありました。牡馬(ぼば)を相手にGIを勝っていますし、皐月賞でも最後はいい脚を使っていますが、当日の状態と馬体重は必ずチェックしたいです。

オオタケ 4戦してすべてで最速の上がりをマーク。ただし、6着に負けた皐月賞を見て、「東京の馬場でパフォーマンスは上がりそうでも牡馬の成長力に軍配!」として、現段階では無印にしました。


――それでは買い目を!

オオタケ 僕はジャスティンミラノをアタマ固定にして、印をつけた3頭へ馬単勝負!

守永 私は3連複フォーメーションで、1列目が◎、○、2列目が◎、○、▲、3列目が印をつけた6頭の10点勝負です!

オオタケ ともあれ、僕は「ダービー馬のオーナーになることは、一国の宰相になるよりも難しい」という格言が大好きなんです。こんなハードルの高いことを言わしめるダービーは、それだけ特別なレース。熱いドラマに触れながら楽しみたいですね。

守永 全人馬が無事にゴールした上で、とにかく「悲願」が見たい! 特に国枝先生が泣きながらインタビューを受けている姿を見たいです。

今年の日本ダービーで繰り広げられるドラマは果たして!? 決戦は5月26日だっ!

●オオタケ 
回収率重視の穴党で、今年は南関東競馬のトリプル馬単で190万馬券を的中させるなど収支は大幅プラス! 『競馬魂』(フジテレビONE、土曜22時~)にレギュラー出演中。全面監修した『南関東競馬 徹底攻略BOOK』(ガイドワークス)も大好評!

●守永真彩 
『日曜レース展望KEIBAコンシェルジュ』(グリーンチャンネル、土曜19時30分~)にアシスタント秘書としてレギュラー出演中! アプリ『デイリー馬サブロー』では予想コラムを連載。「楽天競馬」のイメージキャラクター。母親は女優の白石まるみさん