5月21日の楽天戦で今季最多21得点を挙げるなど、圧倒的破壊力を持つソフトバンク打線。山川(右)のどすこいも復活 5月21日の楽天戦で今季最多21得点を挙げるなど、圧倒的破壊力を持つソフトバンク打線。山川(右)のどすこいも復活

今年で19回目を迎えるプロ野球セ・パ交流戦が5月28日に開幕する。対戦相手が変わり、流れも変わる約1ヵ月の熱き戦いを思う存分楽しむために押さえておくべきキーポイントを一挙紹介!【プロ野球交流戦はここを見逃すな!③】

■WBC組が昨年は大活躍

交流戦を占う上で欠かせないのは"交流戦男"の存在。活躍しそうな選手は誰か?

まずはセ・パの打撃成績を引っ張る右の大砲、山川穂高(ソフトバンク)と細川成也(中日)を深掘りしたい。

共に開幕直後は不振だったが、今ではリーグの打撃ランキング上位に定着。山川は本塁打、打点でパの1位を独走中だ。お股ニキ氏が言う。

「山川はこれまでフォーク系に弱いパの象徴的打者でしたが、今季はその弱点も克服。ソフトバンクに移籍した今季は、前を打つ打者がしっかり出塁してくれるので、必然的に打点も稼げます。最終的には試合数と同じくらいの140打点も期待できます」

一方、安打数でリーグ1位、打率、本塁打、打点の3部門すべてで2位と、三冠王も狙える位置につけるのは、歌手の細川たかしにちなみ、チーム内で「たかし」と呼ばれる細川成也だ。

「『今季はすごいことになる』と私も以前から指摘していましたが、いよいよ侍ジャパンに呼びたい水準になりました。飛距離のすごさは言わずもがなですが、打撃に柔らかさがあるので穴がありません」

ただ、お股ニキ氏は交流戦ならではの難しさも指摘する。

「交流戦は期間が短く、悪いスパンに入るとすぐに取り戻せない難しさもある。しかも、今季は異様な投高打低状態なので、打撃不振に陥るとドツボにはまり、復調するまでに時間がかかります。山川と細川は、開幕直後の悪い時期を克服しているので、交流戦では大丈夫だとは思いますが......」

ちなみに、昨季交流戦では岡本和真(巨人)が最優秀選手賞、牧秀悟(DeNA)と近藤健介(ソフトバンク)が優秀選手賞を獲得。WBCでも活躍した3人だけに、短期決戦に強いのも納得だ。

「近藤の打撃技術は桁違いで言わずもがな。牧は打撃技術だけでなく、パワー、メンタリティ、スピードがない割に走塁センスがあるなど、ハイレベル。

岡本は打撃が今季さらにレベルアップしましたが、もう少し好不調の波を減らせれば......。地方巡業の多い巨人では、コンディション調整が難しいのかも」

続いて、投手の"交流戦男"候補を見ていこう。

「パの打者はフォーク系に弱い」「今年の飛ばないボールは重さもあり、落ちるボールがより効果的」という傾向も踏まえ、セでまず名前が挙がったのは、昨季交流戦で「防御率0.00」を記録した髙橋宏斗(中日)と才木浩人(阪神)のふたり。お股ニキ氏は特に才木を高く評価する。

「トミー・ジョン手術明けの3年間に限れば、防御率1.52。この数字は同時期の山本由伸(ドジャース)よりもいい。上から投げ下ろすスタイルのストレートはもともと一級品で、フォークもよく、今季はスライダーの感覚までつかみました。MLBでも通用するレベルです」

このほかセでは、村上頌樹(阪神)、吉村貢司郎(ヤクルト)、床田寛樹(広島)らのフォークが得意な投手、山﨑伊織、堀田賢慎、菅野智之(いずれも巨人)ら調子を上げてきた投手、リリーフで別格の存在感を放つライデル・マルティネス(中日)、栗林良吏(広島)の名前が挙がった。

「マルティネスも栗林も上から投げ下ろすタイプでフォークが生きる上に、カッターやスライダーも抜群。交流戦でも格の違いを見せてほしいです。一方、パでは佐々木朗希(ロッテ)、今井達也(西武)、大津亮介(ソフトバンク)など、以前から評価している投手に注目しています」

*成績は5月21日時点