3球団競合のドラ1左腕、西武・武内。最強ソフトバンク打線を見事に抑え込む投球が話題に 3球団競合のドラ1左腕、西武・武内。最強ソフトバンク打線を見事に抑え込む投球が話題に

今年で19回目を迎えるプロ野球セ・パ交流戦が5月28日に開幕する。対戦相手が変わり、流れも変わる約1ヵ月の熱き戦いを思う存分楽しむために押さえておくべきキーポイントを一挙紹介!【プロ野球交流戦はここを見逃すな!④】

■鷹キラーの新人左腕はセも狩れるのか?

普段のペナントレースとは違う対戦が楽しめる交流戦。「こんな選手いたの!?」という新発見ができる機会も多いはずだ。そこで、ブレイク期待の若手や新外国人など、交流戦初参戦組の注目選手をピックアップしていこう。

まずは、パ・リーグ新人王最有力と呼ばれる西武のドラ1左腕、武内夏暉(なつき)について。ここまで6試合に先発し、3勝&リーグ1位の防御率1.43を記録している。お股ニキ氏が言う。

「今季、新人王有資格者で活躍できているのは金村尚真(日本ハム)、黒原拓未(広島)、徳山壮磨(DeNA)、岡留英貴(ひでたか/阪神)、船迫大雅(ふなばさま・ひろまさ/巨人)ら2年目以降の選手ばかり。

プロ野球のレベルが上がりすぎて新人が簡単に活躍できなくなっているのがわかります。しかし、武内は開幕から先発として活躍を続けています。同じ左腕の大野雄大(中日)のようなイメージです」

武内はソフトバンク戦2試合に先発し、防御率0.56。5月19日の試合では、9回に足がつって降板するまで完封を期待させる見事な鷹キラーぶり。その後、登録を抹消されたが、西武ファンならずとも押さえておきたい注目株だ。

ルーキーでもうひとり、「まだ登板は1試合だけですが、面白い存在」とお股ニキ氏が挙げたのはヤクルトのドラ2、松本健吾。プロ初登板で初完封を挙げ、10奪三振、無四球の圧巻デビューを飾った。お股ニキ氏は昨秋のドラフト時点で「中継ぎで活躍しそう」と注目していた投手だ。

「投げ方が菅野智之(巨人)のようで、スライダー、カット、カーブなどが打者の手元でクッと曲がり、制球もいい。トヨタ自動車時代もいい投球内容で、中継ぎなら活躍できると思っていましたが、想定以上に先発タイプでした。フォークもいいので、パを相手にしても期待できるかも」

交流戦デビューのセの野手で注目は、中日のプロ2年目、田中幹也だ。

「166㎝と身長は低いものの、守備がすごい。アクロバティックな身のこなしもでき、確実にアウトも取れる。村松開人と組む二遊間は夢がある」

パで注目の交流戦デビュー野手は、育成出身3年目、川村友斗(ソフトバンク)。昨年のファーム日本選手権でMVPを獲得。今季開幕前に支配下契約を果たすと、5番・近藤健介の後を打つ6番として定着した。

「一時は打率4割超え。さすがに3割台まで落ちてきましたが、出塁率はまだ高く、足も速いので、打線をつなぐ存在になっている。出塁率の高い近藤の後を任されることが多かったので、2番打者的な役割を果たせています」

続いて、交流戦デビューの新外国人選手も見ていこう。お股ニキ氏がまず挙げたのは阪神のハビー・ゲラ、オリックスのアンドレス・マチャドというふたりのリリーバーだ。ゲラは防御率1点台、マチャドは防御率0.55と、共に安定した成績を残している。

「フォームも良く、本当にいいボールを投げているなと思うのはこのふたり。阪神からMLBに移籍して活躍しているロベルト・スアレス(パドレス)のように、このふたりもMLBで通用するレベル」

先発組では、ミゲル・ヤフーレ(ヤクルト)、アンダーソン・エスピノーザ(オリックス)をピックアップ。

「ヤフーレは開幕3連勝を飾って話題となり、エスピノーザは防御率、勝ち星共にリーグ1位を争う好成績を継続中。どちらも面白い投手で、試合をつくる力があります」

*成績は5月21日時点

オグマナオト

オグマナオトおぐま・なおと

1977年生まれ。福島県出身。雑誌『週刊プレイボーイ』『野球太郎』『昭和40年男』などにスポーツネタ、野球コラム、人物インタビューを寄稿。テレビ・ラジオのスポーツ番組で構成作家を務める。2022年5月『日本野球はいつも水島新司マンガが予言していた!』(ごま書房新社)を発売。

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