森保監督は就任当初より「良い守備から良い攻撃を」と言っているけど、今回の2試合に関しては相手もそれほど強くないし、守りはそれほど大変にはならないだろう。だから目標は「良い攻撃から良い得点と良い結果を」だね。
アウェーのミャンマー戦(6日)とホームのシリア戦(11日、広島)、W杯アジア2次予選の2連戦が行なわれる。すでにグループ2位以上での通過を決めている日本にとっては"消化試合"。
それでも海外組を中心にケガ人を除くほぼベストメンバーを招集した。
また、2試合ともゴールデンタイムに地上波中継がある。最近は地上波中継がないことも増えているだけに、日本サッカーにとっては貴重なプロモーションのチャンスだね。
シリアは少し手ごわいかもしれないけど、日本には予選のプレッシャーがもうないわけで、強さを見せて2連勝し、9月から始まる最終予選に向けて良いイメージをつけてほしい。
常連が多い今回のメンバーの中で、まず僕が期待しているのが今年初招集の鎌田だ。
ラツィオ移籍当初はチームと噛み合わず、苦しい時期を過ごした。でも、監督交代をきっかけに出場機会を一気に増やした。試合を見ていても、チームの攻撃を引っ張っていて存在感があった。
5月19日のインテル戦、左足で決めたミドルシュートは見事。あらためて魅力のある選手だなと思ったね。代表復帰は当然だ。
鎌田は高さがあって(180㎝)、左右両足どちらでも正確なボールを蹴れる。そしてチャンスにつながるパスを出せ、自ら点も取れる。小柄でドリブルやスピードを武器にするタイプの選手が多い日本の2列目にあって、そういう彼の存在は面白い。
今までの鎌田の代表でのプレーぶりは、守備の役割も多いせいか、どこか遠慮がちに見えた。でも、能力のある選手なのだから、ラツィオでのプレー同様に、代表でももっと自分を出せばいい。
また、森保監督にもそういう起用の仕方をしてほしい。一度、自由に攻撃を任せてみればいいんだよ。今回は絶好の機会だろう。
もうひとり、特に期待しているのが、年初のアジア杯に招集されなかった田中。3月の北朝鮮戦でも先制の決勝ゴールを決めたけど、ボランチなのに得点力が高いのが魅力。川崎時代からよく点を取っていたし、カタールW杯のスペイン戦でのゴールも印象的。あのポジションであれだけ得点に絡める選手は珍しい。
日本のボランチには遠藤と守田がいるけど、いつまでも彼らふたりに頼るわけにはいかない。選手層を厚くする意味でも、森保監督は田中にも今回の2連戦で十分なプレー時間を与えてほしい。
そのふたり以外では約2年半ぶりの招集の鈴木唯、3月の北朝鮮戦に続いての招集の小川といった攻撃陣の新戦力も当然、注目だろう。
さらに個人的には、鹿島で圧倒的なプレーを見せ続けている鈴木優や、かつてのビスマルクのように中盤でゲームを仕切る東京Vの森田あたりも見てみたかったけど、そうやって気になる選手の名前を挙げ始めたら切りがないね(笑)。
弟分の五輪代表は最終予選(U-23アジア杯)に優勝して本大会行きを決めた。A代表も負けずにいい試合を見せて盛り上げてほしい。