梅雨が明けてますます厳しい暑さの日が続きます。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

夏バテ気味な山本も、気がつけば今年で28歳。お酒をたくさん飲んだ翌日は目覚めが悪く、「疲れが取れていないなあ」と思うことも増えました。そんな日は1日ぐったり。すべてがなんとなくうまくいかないような気がして、夕方にもう一度お酒を飲んで、気持ちよく1日をリセットするようにしています(笑)。

しかし、プロ野球選手が二日酔いでパフォーマンスを発揮できなかったら大問題。野球選手は体調管理はもちろん、どのように疲労回復しているのか気になりますよね。

野球選手は肉体的にはもちろん、ゲームを終えた後は精神的な疲労も大きいと思います。アスリートは肉体が資本ですから、自分のベストパフォーマンスが発揮できるように「心身ともに整えておきたい」と思っているでしょうね。

若い頃ならいざ知らず、年齢を重ねるごとに回復は遅くなっていきます。そのため、若いうちから健康に気を遣う選手が多くなりました。

食事面でもきっちり管理している選手も増えた印象があります。特にメジャーに挑戦する選手は家族のサポートが欠かませんから、渡米する際に管理栄養士やアスリートフードマイスターの資格を取る方も多いですすね。

アスリートは、すべての食事に意味があります。試合日の朝食に何を食べるか、明確にルーティーンを持っている選手も多いですね。また、試合後の食事は、体が受けたダメージを回復するためにタンパク質を多く摂ることが求められます。試合終了と同時に、次の試合に向けた準備が始まるということですね。

タンパク質を摂取する狙いもあって、試合後に焼肉に行く選手が多いのかもしれません。私の知り合いで、野球を専門にしているスポーツ外科医の方も、「筋肉を痛めた時は、とりあえず焼肉に行くといい」と言っていました。

そして適度な量のアルコールは、精神疲労を緩和するメリットがあるようなので、焼肉とビールという組み合わせはもしかして"最高の疲労回復食"なのかもしれません。

私はこのひとくちのために日々頑張っております。 私はこのひとくちのために日々頑張っております。

疲労回復で注目度が高まっているのが、睡眠です。先日、ヤクルトの長岡秀樹選手にインタビューした時には、睡眠を熱心に研究していると話していました。

睡眠の質を上げることがパフォーマンス向上につながる。大谷翔平選手をはじめ、一流選手が取り組んでいるのは有名ですが、菊池雄星投手はなんと1日13時間も寝るそうです。ある試合で、左肩のあたりが痙攣して途中降板した際には、記者に「11時間しか寝られなかったからだろう」と答えてみんなを笑顔にしました。

近年は睡眠の質を改善するマットレスが人気ですが、それを遠征先まで持っていく選手も多いとのこと。高級な寝具メーカーのショールームにいくと、自分の体の重心を計測して、最適なマットレスや枕をオーダーメイドしてくれます。高級なものでも、自分への投資だと考えたら安いものですよね。

余談ですが、寝具メーカーがスポンサーについているプロアスリートが首を寝違えた際は、絶対に「寝違えた」というワードは使わないとか。

あとは、リカバリーウエアも人気が出始めているそうです。睡眠の質を上げる特殊な繊維など、疲労回復に効果があるとされていて、多くのアスリートが着用しています。

精神的なストレスの発散という点では、食事を推奨する方が多いですね。元ヤクルトの五十嵐亮太さんもそのひとりで、「食事を楽しめる選手のほうが、いろいろメリットが大きい」とお話しされていました。

過酷な夏場は食欲が落ちてしまいますが、そんな時こそたくさん食べて体力をつける必要があります。食べることを楽しめさえすれば、どんな季節でもベストな体重を維持しやすいんだそうです。食べることや料理が趣味だったり、美食家が多いのも頷けます。

私のストレス発散は、神宮球場での野球観戦でしょうか。ここ最近は悔しい試合も多いですが(苦笑)、それでも試合の中できらりと光るプレーを見るたびに心が躍り、応援歌を歌ってビールを飲んでいると嫌なことを忘れてしまいます。それが私のストレス発散術であり、疲労回復術なのです。

みなさんもスタジアムで、日頃の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。もちろん、飲み過ぎには注意してくださいね。

それではまた来週。

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山本萩子

山本萩子やまもと・しゅうこ

1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。
2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン

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