山本萩子やまもと・しゅうこ
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン。
プロ野球には、レプリカユニを着て応援に行く熱心なファンがたくさんいます。ヤクルトのユニフォームを着てスタジアムを目指すファンを見ると、同志を見つけたようでうれしくなります。
球団は毎年のようにユニフォームのデザインを更新します。球団にとって貴重な売り上げになるからでしょう。
それゆえ、デザインの良し悪しはとても重要です。好きな球団はさておき、客観的に見ると、巨人のグレーのビジターユニフォームはとても洗練されていてかっこいいと思うのですが。みなさんいかがでしょう。
その昔、巨人の帽子をかぶった人がたくさんいたと記憶していますが、巨人が強かったから選ばれていた側面もあったと思います。しかし現在は、「デザインがかっこいいから」という理由で帽子やユニフォームを身につける人も多そうですね。
メジャーではヤンキースが、伝統的なデザインを貫いています。ファンはチームへの愛情を示すために、おなじみのユニフォームを着ます。
逆に、同じくニューヨークを拠点にするメッツはデザイン性の高いグッズをたくさんリリースしており、革新的なイメージを強く打ち出して多くのファンに支持されています。色とりどりで本当にかわいいんです。ユニフォームひとつとっても、球団の個性が出るのが面白いですよね。
近年、人気なのは復刻ユニフォーム。シンプルなものが多いですが、それが「かっこいい」と若いファンの人気も高いようです。つい先日も、野球にまったく興味がない大学生のいとこから「こんな古着を買ったよ」と見せられたのが、昔のロッテのユニフォームで驚きました。レトロデザインは若者にも響くということなのでしょう。
プロ野球の歴史を振り返ると、いろいろなユニフォームがありました。シンプルさの真逆と言ってもいいのが、2016年にオリックスが着用した伝説のユニフォームでしょう。かわいらしいピンクと、伊勢丹の紙袋のようなチェック柄。戦いに臨むとは思えない愛くるしさが大きな評判を呼びました。特に年配の首脳陣が着ているのを見ると、みんな笑顔になったことを思い出します。
メジャーでは5種類までユニフォームを用意することができます。試合ごとに、どのユニフォームを着用するのか。実は「先発投手がどれを着るか決めていい」という特権があるチームもあることは、意外と知られていません。メジャーで活躍する先発投手がニュースで報じられるとき、いつも同じユニフォームを着ているイメージがあるとすれば、本人が気に入っている可能性も。
プロ野球では広島といえば赤、阪神といえばタテジマなど、ユニフォームはチームそのもの。個人的には、ヤクルトといえば青いユニフォームのイメージですが、最近好きになった人は緑のイメージのほうが強いかもしれません。そう考えると、ユニフォームは時代を映す鏡なんでしょうね。
ヤクルトが2022年にリーグ優勝したとき、神宮の空を舞った高津臣吾監督が着用していたのは、白に赤のストライプ、胸の部分に「Swallows」の文字が入った見慣れたユニフォームでした。強いチームのユニフォームは、やはりかっこよく見えますよね。
いつの日か、緑ユニの時代を懐かしく思い出せる日が来るように、ヤクルトの捲土重来を期待したいと思います。そして、オリックスのチェックユニの復活も密かに待っています。
それではまた。
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン。