「健康」について語った里崎氏(左)と五十嵐氏(右) 「健康」について語った里崎氏(左)と五十嵐氏(右)

里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール! 日本を代表するレジェンドプレイヤーの2人が、野球からの学びをライフハックに翻訳、「生き抜く知恵」を惜しげもなく大公開。連載の第38回では、「健康」に関する考え方に迫ります!

■「死」はあらかじめ決まっているもの

----前回は「若く見られたいのか、そうじゃないのか?」ということ、そして「お金をかければ外見はいくらでも磨ける」という話題で盛り上がりました。

里崎 結局、「見えるところはお金でどうにでもなる」という話だったよね。でも、その一方で「見えていないところ」は、いくら努力しても抗(あらが)えない。それが、僕の結論だね。

五十嵐 「見えていないところ」って?

里崎 たとえば「病気」だったり、「死」だったり、もっと言ってしまえば「運命」だったり。そういった自分の力、人間の力ではどうしようもできないこと。

五十嵐 いきなり「死」、そして「運命」ですか......。

里崎 もちろん、病気については人間ドックに行ったり、日頃からジムや病院に通ったりすれば、ある程度は「死」を遠ざけることはできるかもしれないけど、どんなに万全の対策やケアをしていても、仕事が終わって目の前の道を出て、いきなり車にはねられる可能性ある。それって、自分ではコントロールできないよね。だから「最初から死は決まっている」というのが僕の考え。

五十嵐 僕は「最初から死は決まっている」とまでは考えたこともなかったけど、サトさんの言うこともわかる気がします。

里崎 もちろん、最初から決まっていたとしても、若い頃は死なんて意識あまりしない。でも、加齢によって次第に身近になっていくし、リアルに感じるようになるよね。

五十嵐 実際、自分が年を取るにつれて、周りにいる人たちも一緒に年を取っていくから、だんだん話題が病気や病院の話になってくる。これが切ない(笑)。「この間、どこどこが痛くて」「どこの病院で」とか、「どこの先生が」みたいな話題が、若い頃に比べると耳に入る機会が本当に増えましたね。

■人間ドック、病院選びの考え方

里崎 だから、「死」については人間の力ではどうにもできないけど、「健康」については、可能なことだけやっていけばいいんじゃないのかな。まず手っ取り早くできることは、人間ドック。そこも、ある程度お金をかけることで、100パーじゃないにしても予防はできる。それを年に1回なのか2回やるのか、2年に1回にするのか。そういった頻度は、どこまで切実なのかにもよると思うけど。

五十嵐 実は僕、人間ドック行ってないんです。毎年の定期健診で血液検査はして、ある程度の数値は把握しているけど......。でも、もっときちんと検査して、気になる点は細かく把握していた方がいいんでしょうね。胃、大腸とか、きちんと検査しておいたほうがいいのかなと思うんですけど、全部検査するとなると泊まることもありますよね? 仕事を休まなくちゃいけないし、けっこうしんどそうで。

里崎 そんなことないよ。胃カメラもすぐ終わるし、一度も泊まったことはない。僕が通っている病院では、大腸検査は一緒にできないから別の日に検査するけど、それ以外は全部その日にやる。胃カメラも脳ドックもそう。悪いことは言わないから、きちんと行っておいたほうがいいんじゃない?

五十嵐 そんなに簡単にできるのか......。確かに、もう40代半ばだし、周りで病気になる人も出始めているし、そろそろ行ったほうがいいですね。でも、どこで検査すればいいのかとか、病院やクリニックを調べたりするのもちょっと面倒で、ついつい腰が重くなっちゃうんですよね。

里崎 僕の病院選びの基準はすごくシンプルで、「家から行きやすい病院」。そして「何か異変があったときに、その病院で全部対処してくれる病院」という感じかな。人間ドックだけやってるクリニックもいいと思うけど、僕は異変が見つかったときに、「紹介状を書くので、こちらの病院に行ってください」というのが億劫だから。ひとつの建物の中で、再検査も含めて連携して、もし悪ければすぐ手術。そんな病院を選んでいるけどね。

五十嵐 僕のかかりつけの病院もわりと大きい病院だから、今度きちんと調べてみます。

里崎 人間ドックといっても、検査項目によって費用は違うけど、とことん調べることもできる。どこまでお金をかけるのかは、前回話した外見の問題と同じで、その人がどの程度、切実にそれを求めているかによって変わってくるよね。

五十嵐 確かに、「とことん調べよう」と思えばそれなりの金額になるでしょうけど、きちん長生きすれば、その後も稼ぎ続けることができるという考え方もありますね。

里崎 さっきも言ったけど、検査はそんなに大変なことじゃないはず。出演する番組のスケジュールを見ながら、調整できると思うよ。

■里崎と五十嵐、ともにダイエット中

五十嵐 それで、サトさんは人間ドックでは「異常ナシ」なんですか? それなりに数値の高い項目もあるんじゃないですか?

里崎 そこはやっぱり、いくつか数値的に「要再検査」「要精密検査」となる項目もあるけど、原因はハッキリしていて、要は太り過ぎ。お医者さんから「もっと痩せましょう」と言われたから、「じゃ、ちょっと痩せようか」と思って、すでにそこから6キロ痩せたよ。トータルで10キロ痩せようかなと思っていて、今も継続中。

五十嵐 すごいですね。運動ですか? 食事ですか?

里崎 「里崎流ダイエット」は、特に運動はしない。僕は現役時代の最後が98キロで、引退後もずっと同じだったけど、コロナ禍の時期に増えちゃって。それで病院で注意を受けたから、「とりあえず100キロを切ろう」と考えたんだよね。

五十嵐 運動をしないとなると、食事制限ですか?

里崎 「制限」というほど大げさなものではないけど、コロナ禍前までは好きなだけ腹いっぱい食べていて、ほぼ増減がなかったから、「少しだけ食べる量を減らそう」と心がけたんだよね。年々、代謝は衰えているだろうけど、それでも効果は出ているからね。具体的には、そば屋でどんぶりとのセットを食べていたところを、どんぶりをハーフにしたり、大盛で頼んでいたものを普通盛りにしたりするだけ。それだけで6キロ減ったからね。

五十嵐 やってることはすごく普通だし、「普段よりも食事の量を減らす」というのは当たり前のことに感じるけど、それだけ効果が出るなら説得力はありますよね(笑)。僕も痩せないといけないから、最近食べる量は減らしています。お酒を飲むと食べたくなっちゃうタイプなので、おつまみの種類を変えるとか、カロリーの計算もしつつ......みたいな感じにはなりましたね。

----期せずして、現在はおふたりともダイエットを意識しているという話になりました。次回も、この続きからお願いします。

里崎五十嵐 了解です。また次回も、この続きから!

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